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苦しくも楽しい推し活とジャニー喜多川さんのこと

まさかここまで沼にハマるとは。苦しくてしんどい。体力と財力がもつかどうか。

それは5月5日、推しのSnow Man 深澤辰哉さん、えーいもう、ふっかさんでいいだろう。ふっかさんがバースデイのソロインライ(ご存知とは思うけどインスタライブね)をしてくれるっていうので、うちのふっか推し3人(2人の娘と私、娘1人は本当はしょっぴー推し強めだけど)は楽しみにその時間を待った。いつもYouTubeで見せてくれるような歯切れのいい仕切りが聞けると思って、待った。
その日はゴールデンウィーク真っ只中で珍しく家族でドライブに出かけた。帰って、万全の準備をして、待った。

いや、その前に、ドライブから帰ったその足で夫が夕飯の惣菜を買ってくると言って出かけた。そして、「たつやくんおめでとう」と書いてもらったケーキを手に入れた。家族を喜ばせようとの計らいだった。全国の推し活中のみなさんの中には推しの誕生日にケーキを用意する人もいるかもしれない。私たちもとうとうこんなことまでするレベルに到達した。


そして、ついに、インライが始まった。少し照れ臭そうなふっかさん。自撮りモードの反転したお顔なので、いつもの顔とは違う。YouTubeのMCで見せる慣れた仕切りはないが、どうしていいか困って黙るわけでもなく、そこがもう「リアコ」丸出しなのだ。ふっかさんって、目の形が左右で違う(雌雄眼)ので、反転顔はまた別の顔に見え、ドキドキ感に見舞われる。
駆け上がるコメントを追っかけピックアップしてリクエストに応えてくれる。
「指、見せて。指見せて。はい、指〜。
はい、見せまーす。はい。すっぴんだよ、うん。すっぴん、すっぴん。」
「ピアス見せて?ピアス。ピアス。これ。ピアス、これだね。うん。」
全国30万人のリアコ推し女子を、ゴールデンウィークのひととき、自分の恋人と勘違いさせてくださった(笑)。囁くような甘い声。
「夜中の深澤の電話には出るな」の都市伝説を自身で立証してみせてくれた。
「ちょっと酸味があるね。いや、いや、おいしいよ。うん、おいしいよ。」
駆け上がるいいねのハートをパクパクと食べ、甘い声で語りかけるふっかさんに、現在は大学生、高校生の母である私の心は一気にほだされた。あぁ、あんな恋人がいたらなぁ。現実世界で満たされていない、イタいおばさんと笑ってほしい。

スクショタイムに連写したふっかさんの反転自撮り顔を反転させて元のお顔に戻し、スマホの壁紙にして「鑑賞」し思わず顔がほころぶ。

一応ぼかしておきます。


不思議なことに、夫もSnow Manのこれまでの紆余曲折に共感。娘を喜ばせようとCD、DVD、雑誌を買い漁る。もちろん、私たち自身でもグッズや雑誌もどんどん買い足していく。おジャニーズ様の経営に貢献しまくっている状況だ。ちなみに夫はインテリ阿部ちゃん推しだそうだ。

夫は、ふっかさんに熱を上げる私にも協力的だ。毎日のように暴言を吐き合い、大喧嘩もする決して仲のいい夫婦とは言えない私たちだが、今、なぜかSnow Manのおかげで家族が同じ方向を向いている。高校生の娘も、次はテレビ番組、次はYouTube、と目標を定め、その時間までは勉強している。成績が下がったということはない。

推し活が家族に一体感と推すしんどさをもたらしているというところだ。

アクスタとカレンダーと


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アイドル。偶像。きっと、彼らは糞尿など垂れ流すはずはない。きっと、彼らは私たち一人ひとりのための存在であり、恋人などいるはずがない。そう信じている方が都合がいい。

いや、先方は戦略で作られたイメージどおりに振る舞っているだけだ。

わかってはいるが、わかった上でその戦略に乗っかって、さまざまな推し活に勤しんでいるのだ。

トイレにも行かないしオナラもしない。今日は歯が汚く見えるが、きっと手が綺麗だからタバコは今はやめているはずだ。そんなふうに私たちは、少なくとも私は、自分自身に言い聞かせて、都合の悪いことは無意識のうちに見ないようにしてきた。

そして、一昔前、少数の声の大きい人(一部週刊誌など)の報じた内容を異端視し、多数意見の中に身を置くことで無意識のうちに安定を得ようとしてきた。

私は薄々ジャニー喜多川さんのやってきたであろうのことを知っていた。いや、もちろん具体的には知らなかった。知りたくなかった、ともいえる。断定して述べてはいけないが、裁判で認定されており、また、今や多くの元Jr.たちが告白しており、内容は共通している。特にジャニオタでも何でもなく、むしろその人種には物珍しさを持って見てきた。考え始めると「気持ち悪い」から、見て見ぬふりをしてきた。無関心が被害の拡大を助長していたとするなら、そんな私たちも十分罪深い。

大竹まことさんのファンでも何でもないが、たまたま見つけたこの動画で学ぶことは大きかった。ジャニーズ性加害問題の本質のひとつである「グルーミング」についてわかりやすく説明されている。

子どもが気持ちよかろうが、大人との間で信頼関係ができていようが、そもそもが大人が子どもに性的な関わりを持ってはならないのだ。

元Jr.の告発に共通している内容に「ジャニー喜多川さんの行為の翌日10000円渡された」というものがある。奇しくも、あえて動画の引用はしないがSnowManのYouTubeの中で「ジャニーさんに初めてもらった10000円のお小遣いをペンダントの中に入れて宝物として持っていた」という内容がある。深読みのし過ぎで何の根拠もないが、つい勘繰ってしまう。現役のタレントに被害があってはならないのが第一なので、このような発言をしてしまうこと自体が推し活に反しているだろう。

この問題ではまた、報じる側の姿勢についても論ぜられてきた。イギリスのBBCで放送されて、元Jr.が告発して、それでもしばらく日本のマスコミは静かだった。私は全てのテレビ局の番組を追いかけているわけではないが、中でもTBSが先駆けて報じることを始めた気がする。


私は、TBSが報じた、これらのジャニーズ性加害問題とこれまで報じてこなかったメディアの姿勢を取り上げる姿勢に正直驚いた。

TBSにはSnow Manの冠番組もあればメンバーが出演するドラマやバラエティ番組も多くある。

報道部門がジャニーズ勢力に臆することなく、あるいはジャニーズの力が以前ほど強くなくなったことに乗じて、独立して報道して明らかにしていく姿勢に転じたことに一般人として敬意を表したい。ただ、さすがにメンバーも出演する可能性もなくはないワイドショーというカテゴリーでゴシップ的に記者会見等への批判的な対応などは未だ見てはいない。

一方で大人気のアイドルタレントが出演する番組を持ち、一方で疑惑報道に取り組む報道番組を持つ。「明日からタレントを出さない」と事務所から言われることを恐れつつ報じる姿に世の中の変化を感じている。

私たちの仕事の世界でも、本人を目の前にして面と向かって言いにくいことを言うのは難しい。一般の世界でもはびこっている「忖度」。今後どうなっていくのか追いかけていきたい。

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何かスッキリしない事務所の対応。企業であるならばもっと追及されてもおかしくないはずだ。

「え?今問題のあの事務所の?推し活?」と職場の人に半分苦笑いで聞かれた。

CDや雑誌を買えば買うほど、事務所に貢献することになる。ファンでいてもいいのだろうか、というのが素朴かつ深刻な心配事だ。

問題行為を繰り返しつつ、問題行為があったとされる人が亡くなった後で勇気ある人たちの力で少しずつ表面化。世の常とはいえ、これからのさらなるムーブメントに期待したい。

理由をはっきり説明することはできないが、Snow Manというアイドルグループを推すことは誰にも否定されていない。この理由を追求しつつ、私は今後ともふっかさんを追いかけていく。

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