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愛しき者傷み届きのたもう

彼女を見ると元気づけられるんだけど
なぜか
いつもそのあとに
涙が止まらなくなるんだ
やっぱり彼女は天才で皆の心を
震わせる良さがあるからだろうか
僕はそう感じて自分の心が震える推しを見つけ出せたことにトキメキって言うのかな自分の生命力の源を見つけたようなその幸福感高揚感に満たされていた

だけど

違ったんだ

その昔

幼少の頃の記憶って凄いね

痛みだけが抜け殻抜のように残ってた


ただそれだけの事だったんだ
それに気づいたのはもうずっと後になる事なんだけど

まさかのまさか僕を裏切った母さんだったなんて
勘違いも甚しいね
僕が赤ん坊の頃の事だし父さんは母さんが死んだ事にしててくれたから
彼女に会った
その時彼女は僕に笑いかけて
こう言ったんだ

おかえりなさい
私のぼうや

差し込んだ高揚感に僕は目眩を覚えた
それは絶望の始まりだった

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