おはようございます。GRIメンバーズ事務局です。
毎月1日はギフト研究所代表山田からメッセージをさせていただきます。

遥か昔、農耕民族である私たち日本人が最も恐れていたのが自然災害でした。

人々は神様の気持ち次第で天候が左右され悪く転んだ場合には凶作につながり、毎日の暮らしを脅かすと考えていました。それを避けたいという一心から、人々は心身を清め、神様に「五穀豊穣」や「日々の生活が平穏でありますように」と熱心に願いました。

農耕の民ですからお供え物は季節の野菜やお米や果物、穀物を原料としたお酒などが主でした。これらの「供物」が、日本における「贈り物」の起源であると言われています。それがやがて、人から人への「贈り物」へと変化したのです。

なぜ神様への「供物」が食べ物やお酒だったのか

これは「神人共食」（しんじんきょうしょく）の発想からきていると言われています。
神様へお供えする場に同席していた人たちと、供えた物、つまり「肴」と「お酒」を分かち合うことで、神様と同じものを体内に入れ力強いパワーが得られると考えられていたためです。

一緒に働く人との絆、一緒に戦う人との絆、一緒に生きる人との絆、日本人は集団で物事を進めることが生活の基本であったためか、昔は地位の高い人も低い人も一緒の盃でお酒を飲み、コミュニケーションを深め、一致団結し、精神の一体化を目指しました。そのような饗宴の場にお酒と肴はつきものだったのです。

このように贈ることで、人は人とのコミュニケーションを深め、互いの絆を強くしてきました。先人たちがお供え物を捧げ、神様へ平穏を感謝したように、贈り物の基本は「感謝」の気持ち。贈り手が贈る相手へ「感謝」をすることが、贈り物の原点なのです。

贈り物は人と人とのコミュニケーションを円滑にするもの

なぜ日本にはここまで「贈答文化」が発達してきたのかについて少し掘り下げてみましょう。

人が人に対するこころや礼儀の基本は「感謝」です。
しかし日本人はそうした感謝の気持ちや感情を直接的に多くのことばを用いなくても贈り物を通じて表現してきました。

もともと日本人は、ことばに表さずコミュニケーションを円滑に進めていくという文化を持っています。例えば姿勢、表情、お辞儀、など無言であってもその所作を通じて相手に対する思いを届けてきました。

贈答もそうした文化のひとつです。例え無言であっても、相手を大切に思うこころを伝えスムーズなコミュニケーションを行うための手段として「贈り物」を積極的に活用してきたのです。

日本人は相手の気持ちを慮るが故、相手の心を察することによってことば少なになりがちです。

そこで言葉のみで「ありがとう」と言うよりも、そこに「贈り物」が存在した方がさらに気持ちを伝えやすい。つまり言葉だけで伝えきれない部分を「もの」で表現できるのが「贈り物」と言うことです。

加えて言うならば、日本人は農耕民族で村社会であったため昔から共同で農作業を行っていました。そこで大切なことは、輪を乱さず協調性を育み、相手や周囲の立場になって物事を考え、人間関係をより円滑にすることでした。
節目節目にものを贈りあったのもそのような背景が大きく影響していると考えれれます。

 終わりに

私たちギフト研究所は活動をはじめてから7年目になります。
6月16日開催した「メンバーズ」設立記念セミナー・交流会では多くの方々にお集まりいただきました。

これからは「メンバーズ」の皆さんとともに「贈り物」に対しての意識や知見を高めて、この世界を極めていくことが私たちに課せられた大きな使命と信じております。

ご一緒に「ギフト（贈り物）で日本を元気に！」していきましょう。

一般社団法人ギフト研究所
代表理事　山田晴久

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