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【猪口由美の明日につなぐ食 vol.3】 お客様の声から生まれた商品 〜揚げなくてすむ“メイドイン十勝”コロッケ


お客様のご要望に応えするために

バイヤーの仕事を続けていると、お客様から「こんな商品を探してほしい」と依頼を受けることが多々あります。それにできる限り応えていきたいと思い商品を探していくなかで、出会ったものの一つが「十勝発・おうちで揚げないコロッケとメンチ」でした。

きっかけは、ご年配のお客様方からいただいた「家で揚げなくて済むコロッケを取り扱ってほしい」というご意見でした。「わざわざ少しだけ揚げるのは面倒」であったり、離れたところに住んでいるお子さんから「火事になると危ないから揚げものはやめて」と止められていたりと理由はさまざま。たしかに、娘としてその気持ちはよくわかる。

実は、これまでも調理済みのコロッケをいろいろ探してはいたものの、なかなか納得できるものがなかったのですが、お客様が望まれているなら探さないという選択肢はない。改めて簡単調理でとびきり美味しい揚げ物を探していたところで出会ったのが、この商品だったのです。

実は大して期待をしていなかったのですが、試食してみてビックリ!油で揚げてあるにもかかわらず、油っこさがなくて、衣は揚げたてのようにサクサク!皮がはがれたりすることもない。メンチカツは豚肉の美味しさがギュッと詰まっていて、コロッケは使っている野菜の個性がしっかりと味わえ、ジャガイモも種類によって使い分けている。「この商品は、すごい!」そう思い、すぐに現地取材ヘ!向かったのは、寒さが深まった北海道・十勝でした。

より美味しいものを作るために

生産者の萩原路代さんは、ご主人と一緒に食品の小売店を営んでいるのですが、あるとき「これからは小売だけではなくモノを作る仕事をしよう」ということに。

萩原さんが料理上手だったこともあり、手始めにコロッケを作って町のイベントなどで販売したところ、予想以上の反響を集めました。そこで、さらに美味しく作ろうと試作に次ぐ試作の日々。
ときには東京まで足を運び、デパ地下のコロッケを数えきれないほど食べ歩いたりしたこともあったのだとか。

そして出来上がったのが、私が試食したコロッケだったのです。

萩原さん

「自分たちだけでなく、身近な人と一緒によいものを作りたい」という思いから、豚肉や野菜は手に入る限り十勝の生産者さんのものを使っています。そして製造の工程はひたすら手作業。

効率を考えて高級な攪拌機を導入したものの、どうしても手でこねたときの食感や味が再現できず、結局は人の手でしっかりと何度も具材をこね合わせていくことに。

多くが女性スタッフで、とにかく丁寧。揚げたコロッケは社外秘ともいえる絶妙な技で油をきっちりと落とし、その後急速冷凍庫へ。間髪をいれずにベストな仕事をしていくことで、あの揚げたてのような美味しいメンチカツやコロッケが出来上がるのでした。

食べる際にはレンジで温めたあと、トースターで表面がカリッとなるくらいになればOK!まるで揚げたてのような美味しさが楽しめます。 “メイドイン十勝"のコロッケは、揚げ物好きにはたまらない逸品です。


猪口由美
ギフトアンバサダー。 食のバイヤー兼ライターとして47都道府県すべてに足を運び2,300名以上の生産者を取材。25年以上の経験を積み、試食件数は20,000以上。 上質な商品企画開発には定評がある。セミナー・講演多数。 ギフト研究所特別顧問

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