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【みずた実の季節のギフト 6月】 日頃の“感謝”を伝えてますか? 『父の日』 あれやこれ


ちょっと寂しい父の日市場

こんにちは。
6月の大きなイベントといえば第3日曜日(6月16日)の「父の日」ですね。
この日は「お父さんに日頃の感謝を伝えましょう」という日」なのですが、世間的にもなんとなく母の日のほうが注目イベントとなっていて今ひとつ盛り上がりに欠けるようです。

矢野経済研究所「ギフト白書2023」によると、母の日の市場規模が4,800億円(2022年)で、対する父の日は2,040億円(同年)。なんと父の日の市場規模は母の日の半分にも満たないのですよ・・・親父世代として“仕方ないかぁ”と納得する部分もありますが、少々寂しい思いもします。

こんな父の日のあれやこれを知って、もっと市場が広がればと思うところがあって、今月のテーマにしてみました。

父の日の由来は?

父の日の誕生のきっかけは、母の日と同じくアメリカになります。

その誕生の発端となったのは、1909年にソノラ・スマート・ドットという女性が男手ひとつで自分を育ててくれた父を讃えて、キリスト教会の牧師にお願いして父の誕生月である6月に礼拝をしてもらったことがきっかけだと言われています。
ソノラの父親は軍人で、南北戦争から復員した後に男手ひとつで6人の子どもたちを育て皆成人した後、亡くなりました。ソノラのその「父への感謝を伝えたい」という願いから誕生したのですね。

最初の父の日の祝典は、その翌年の1910年6月16日にワシントン州東部にあるスポーケンで行われました。当時既に母の日(1907年5月12日)が始まっていたため、彼女は父の日もあるべきだと考え、「母の日のように父に感謝する日を」と牧師協会へ嘆願して誕生しています。そして1966年に第28代アメリカ合衆国大統領ウッドロー・ウィルソンが、スポケーンを訪れて父の日の演説を行い、これにより父の日が広く認知されるようになりました。その後月日が経ち、1966年に毎年6月の第3日曜日が父の日と定められ、1972年に正式なアメリカの記念日に制定されました。意外にも正式な記念日として制定されたのは70年代に入ってからなのですよ。日本では1970年の“世界の国からこんにちは”の大阪万博が終わった後なのです。
まっ、60歳以上でないとわからないかーぁ!

日本での父の日のはじまりは?

日本に父の日が導入されたのは1950〜55年頃になります。ちなみに母の日は1949年頃から始まっています。
余談ですがこの50年代は、日本流のバレンタインデーが始まった頃になります。

当時は認知度も低く、まだまだ暮らしに浸透していなかったのですが、一般的に広がってきたのが1980年代ごろから販売戦略の一環として、百貨店や小売企業が取り上げたことで広く一般に浸透していったそうです。一般に広がるまで30年近くかかっているのですよ。そこから考えると商業戦略の力は凄いですね。

海外と異なる贈る花

父の日発祥の地アメリカでは、バラを贈るのが一般的で、父親が健在であれば「赤いバラ」、亡くなっていれば「白いバラ」を贈ります。これは母の日のカーネーションも同じです。

ただし日本ではバラでも「黄色いバラ」を贈ります。なぜ黄色いバラかというと日本ファーザーズ・デイ委員会が開催する「父の日黄色いリボンキャンペーン」が影響していると言われています。

このキャンペーンでは、黄色は幸福や喜びの象徴であり「愛する人の無事を願う」という意味が込められていることから父の日のイメージカラーとして定めています。また黄色のバラには献身・さわやかといった花言葉があり、この花言葉と共にお父さんに感謝の気持ちを伝えるのにマッチしています。
その一方で黄色のバラは「嫉妬」など、ネガティブな花言葉も持っているので感謝の気持ちをメッセージカードに書いて贈りましょう。 

近年では「憧れ・輝き・敬慕・あなただけを見つめる」という花言葉を持つ、ひまわりも人気です。

世界の父の日は?


父の日は世界73カ国でお祝いされています。その内、アメリカ、日本、中国、インドなどを含めた30カ国(内ロシアが2回あり)が6月の第3日曜日に行われます。

少し変わったところで、台湾の8月8日。これは語呂合わせで「爸爸(パパ)」から来ています。あと台湾の父の日ではほとんど花を贈る習慣はなく、現金や家族旅行のギフトが人気のようです。

またお隣の韓国は、父の日、母の日と別々ではなく5月8日に「父母の日(両親の日、親の日)」として両親へ感謝の気持ちを表します。韓国は儒教特有の親孝行の意識が強く表れているといえますね。そのため「父母の日」は一大イベントになるそうです。贈り物は、花ならばカーネーション、他にメッセージが入ったケーキや現金、あるいはお小遣いや商品券などを親子間でプレゼントするそうです。

「꽃다발(花束)」ならぬ「돈다발(お金の束)」 
画像引用元:바시움플라워公式オンライン 

ロシアはでは「祖国防衛の日」の2月23日に、軍人・退役軍人に感謝すると共に父親・夫・男性に感謝する日となっています。そして2021年10月4日にロシア連邦大統領ウラジミール・プーチンが、少子化による人口減少に対する男性の子育て参加を促すために、同年より10月の第3日曜日を「父の日」とする大統領令に署名。なので、“父に感謝する=父の日”が2回存在します。

イタリアやスペインなどカトリック系の国では、“聖ヨセフの日”が父の日になります。イタリアでは、父親に感謝の気持ちを伝え、揚げドーナツに粉砂糖、カスタードクリーム、ゼリーを乗せた伝統菓子“ゼッポレ”を買ってきて食べる習慣があります。

イタリアの伝統菓子「ゼッポレ(zeppole)」

父の日は国によって呼び方こそ変わりますが、多くの国で父親に感謝する日を設けているようです。

父の日に贈ってはいけない贈り物

父の日に「何を贈ればいいかわからない?」というご意見も耳にしますが、ご本人の欲しいものを贈るのが一番。ただ父親からすれば、お子様からのプレゼントなら何でも嬉しいものですよ。

ただ今回は父の日の贈り物として相応しくない、贈り物としてタブーと言われているものを挙げておきます。

①ハンカチ

何枚あってもいい商品で、プレゼントとしても手軽な商品ハンカチ。しかしハンカチの贈り物は「手切れ」を意味するので、父の日に限らずプレゼントで贈ってはいけない贈り物の一つとして有名です。特に白いハンカチは葬儀などで使用する物なので、「涙」や「悲しい」といったマイナスの印象を与えてしまいます。

②靴下・履物

靴下や下着などの履物は、「踏みつける」という意味のある贈り物になるので、特に目上の人へのプレゼントは避けましょう。

③バッグ・時計

時計やバッグも贈り物として人気ですが、これらの贈り物は「より勤勉に取り組んでください」という意味がある贈り物になるので、父の日にこれらのものを贈ってしまうと、「もっと働いてください」という意味になってしまいます。
ただ、人気の商品だけに贈る場合は相手に確認をとるか、メッセージカードを添えることをお勧めします。

④文房具

ボールペンや万年筆などの文房具なども贈り物として人気の商品ですが、目上の人へ文房具を贈ることは、「もっと努力してください」「もっと精進してください」という意味を持つ事から控えた方がよい場合もあります。バッグ・時計と共に人気の商品ですから、贈る場合は相手に確認をとるか、メッセージカードを添えることをお勧めします。

⑤ベルト

贈り物として、最近は減少傾向にあるベルトですが、これは「お腹を引き締めてください」「気を引き締めてください」という意味もあり、メタボ気味のお父さんには気分の良い贈り物ではない場合があります。

最後に

昨年行われた高校生(15〜18歳/100名)を対象とするトレンド調査で、「お父さんと仲が良い?」の質問に対して、“仲が良い”と回答した人が76.0%で、今どき高校生(Z世代)は父子関係が良いという結果に。
社会は少子化で、そして市場も年々縮小傾向にある「父の日」ではありますが、彼らZ世代たちが今後どのように盛り上げてくれるか!?
また企業も彼らにギフトのきっかけをいかに提供できるのか!未来に期待しています。

参考資料:
Wikipedia、ギフトの教科書、ハーモニック、바시움플라워公式オンラインサイト、K Village MODULY Web


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