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【みずた実の季節のギフト 5月】 伝えたい本当の意味 『こどもの日』 あれやこれ

こんにちは。
来月、5月の大きなイベントといえば第二日曜(5月12日)にある「母の日※」ですね。この「母の日」は、“母に日頃の感謝を伝える”日ということで世界的に「Mother’s day」として最も多くの国でお祝いされている記念日なのです。

実はこの、“母に日頃の感謝を伝える”というのは、その一週間前のゴールデウイーク終盤、5月5日の「こどもの日」の趣旨にも通じているのですよ。
こどもの日は、国民の祝日に関する法律で「子どもの人格を重んじ、子どもの幸福をはかるとともに、母に感謝する」ことを趣旨とすると定められています。
親や大人は、「子どもの人格を重んじ、子どもの幸福をはかる」ことに努め、子どもたちは「母に感謝する」と共に「感謝=ありがとう」の気持ちを学ぶ、という日でもあるのです。

※「母の日」については、過去にギフト研究所のホームページ “ギフトの知識”で「日本と世界のギフト事情を調べてみたら NO.3『母の日』」(https://www.gift-kenkyu.com/knowledge/4814/)にて掲載していますのでご覧ください。


『こどもの日』の由来は?

こどもの日」の制定については、第二次世界大戦終戦(1945年)の3年後、1948年2月に国会でこどもの日について議論し、その専門調査員が「端午の節句」に当たる5月5日を希望する請願を紹介したことからスタートしました。同年6月8日、衆議院議員により「神戸市内児童約27,000名の署名」による「こどもの日」制定の請願を紹介。

即時、国民の休日に関する法律により5月5日を前出の趣旨をもとに「こどもの日」と制定されました。
ちなみにこの日に決まった要因の一つとなった「端午の節句」は、男の子の成長を祝う日(女の子は、3月3日の桃の節句/ひなまつり)になります。

でももちろん国民の休日の「こどもの日」は男の子・女の子ともにお祝いできる日ですから安心してお祝いしてあげてください。

『こどもの日』と『端午の節句』は別物

「こどもの日」と混同してしまいがちなのが、同日の「端午の節句」(別名、菖蒲の節句)。この「端午の節句」は、五節句(上巳/端午の節句、七夕等)の一つで、日本の伝統行事であり、古来中国から伝わる「端午節」が元となっています。

古代中国では端午節の日に菖蒲などの薬草を魔除けに用いたことから、日本でも平安時代に菖蒲を髪飾りにした人々が宮中の武徳殿に集い、天皇から薬玉(薬草を丸く固めて飾りを付けたもの)を賜ったそうです。
かつての貴族社会では、薬玉を作り、お互いに贈りあう習慣もあったようです。
仮説になりますが、その後鎌倉時代に入り、「菖蒲」が「尚武」(武道、軍事などが大切という考え)と同じ読みであること、又、菖蒲の葉の形が剣を連想させる事などから、端午は男の子の節句となっていきました。
そして男の成長を祝い、兜(かぶと)、鎧(よろい)、刀や五月人形(武者人形、金太郎、武蔵坊弁慶など)を飾り、現在のお祝いの形となりました。

また、江戸時代から庭先に鯉のぼりを立てるのが一般に広がり、現在に至るスタイルとなったそうです。

ちなみに鯉のぼりを上げるというのは、江戸/関東の風習で、上方(京都を含む関西)では見られない風習でした。
だから「こどもの日」と「端午の節句」は、“国民の休日”と“五節句”という全く別物なのです。
「こどもの日」に見かける鯉のぼりや兜(かぶと)は、男の子を祝う「端午の節句」の飾りなのですね。でも柏餅などの行事食は「縁起物」としてとらえて家族で楽しく食べてください。美味しいですしね。

つまり、記念日である「こどもの日」のための飾り物はありません。とはいえ、「5月5日は子ども(男の子)の成長を祝う『端午の節句』があるから・・・」と、この日に決まった「こどもの日」です。
思えば、クリスマスやハロウイーン然り、神仏習合で良いこと、楽しいことはどんどん取り入れていく日本人・・・いいと思います!ただ、その本来の意味は少しでも知っておいたほうがいいですよね。

ところで「子ども」って何歳まで?

これについては、2022年4月から成年年齢が18歳になったので、17歳までが子どもなのかぁ?と思うのですが、そうは言っても子どもと呼ぶには見た目がデカイ!実際、何歳までを子どもというのかを考えると難しいものです。
そこで調べてみたところ、やはり法律で決められていました。ただ、これまた政策の内容によって、対象となる「子ども」の範囲が違っているのですよ。

まず、「認定こども園法」の子どもは、「小学校就学の始期に達するまでの者をいう」となっています。また、「子ども・子育て支援法」では、18歳になる年度までの人を子どもと指しています。
もう一つは「平成二十二年度等における子ども手当の支給に関する法律/第3条第1項」では、「15歳に達する日以後の最初の3月31日までの間にある者をいう」となっています。

このように、法律の趣旨や政策の内容によって異なってきますが、「子ども」という言葉は、最高でも18歳の年度までの人を指すようです。
個人的には、少子化などで言われるいわゆる子どもの年齢=15歳以下が妥当かなぁと思います。

世界の国にもある『こどもの日』

「こどもの日」は日本だけでなく、「こどもの日」(英語圏では「Children’s Day」)と呼ばれ、世界各国で祝われています。これは国連(国連際連合)が1954年11月20日に子どもたちの相互理解と福祉を増進させることを目的とした「こどもの権利条約」が採択され、こちらは「世界こどもの日」(Universal Children's Day)として国際デーの記念日として制定されました。

その発端は、1920年のトルコの大国民議会が発足した「独立記念日」(国民主権の日)を世界中の子どもたちの日にしようと設定し、その後の1925年にジュネーブの子どもの福祉世界会議で、6月1日が「国際子どもの日」と制定たことが影響しているようです。

日本の「こどもの日」が制定されたのが1948年ですから国連の制定よりも6年も早かったのです。
私の推測になりますが、日本とトルコは歴史的にも交流が深い国ですから日本の「こどもの日」の発起にも影響したのかも?
ややこしいですが、世界で言われるこどもの日は、国連が定めた「世界こどもの日」と、子どもの福祉世界会議による「国際子どもの日」があるのです。そこに日本の「こどもの日」が加わると3つになりますね。
また、趣旨に「母に感謝する」が入っているのは日本だけ、ここに日本人の慮り(おもんばかり)という気遣いの心があらわれていますよね。

世界の『こどもの日』も5月5日?

日本では、5月5日が「こどもの日」ですが、この日と同じなのは韓国だけで、他の国の「こどもの日」は、国連が制定した「世界こどもの日」の11月20日か、子どもの福祉世界会議が制定した「国際こどもの日」の6月1日、あるいはそれぞれの国の事情に合わせて日付を定めているところも少なくありません。ちなみに中国やロシア、ブルガリア、キューバ、モンゴルなど、主に旧共産圏の国々を含む約40カ国では、6月1日としている国が多いようです。(参考:Wikipedia)

『こどもの日』をもっと楽しむ!!

「端午の節句」の風習ではありますが、この日をもっと楽しむために家族で行事食を食べるのはいいですよね。特にこの日を代表する食べ物といえば「柏餅」で、柏の木は新芽が出てくるまで、古い葉が落ちないという特徴があり、「子孫繁栄」として縁起物として広がっていきました。
これ、日本独自の風習なのですよ。今でこそ全国区になっていますが、柏餅は本来関東地域のお菓子で、関西地域では「ちまき」になります。

そうそう、「ちまき」は中国の歴史上に登場する詩人の屈原(くつげん)の話から来ているのですが・・・ここで掘り下げると話がますます長くなってしまいそうなので・・・興味のある方はググってみてくださいね。
とりあえずですが「ちまき」には、「子どもたちが忠誠心のある良い大人に成長してほしい」という願いが込められています。
これらを含めて行事食を下記にあげておきます。

■柏餅
柏の葉には、新しい葉が古い葉にとって代わる前に落ちない特徴があります。このことから、子孫繁栄や家族の絆を象徴した縁起物になります。

■ちまき
中国の端午の節句に由来し、忠誠心のある良い大人への成長とともに、邪気を払い、子どもたちを災いから守る意味も込められています。またその巻いた笹葉には、殺菌効果があり、魔よけ、厄病よけがあるとされています。もちろん中国の端午節にはちまきを食べます。

草餅/ヨモギ餅
古代中国では5月5日は不吉な日とされていたため、薬草であるヨモギを使って厄をよける習慣がありました。これは現在も続いています。ヨモギには、リラックス効果やデトックス効果、美肌、美白効果などもあるのでお父さんお母さんにも良いと思います。

■鰹(かつお)料理
「かつお」の文字の中には「勝つ+男」が含まれており、子どもの成功を願う意味があり縁起がよい食べ物とされています。

■鰤(ぶり)料理
ぶりは、成長とともに名前を変える魚ということで出世魚の代表格。鰹とともに子どもの成功を願う意味があり縁起がよい食べ物とされています。

■鯛(たい)料理
昔から鯛は縁起がよい魚とされており、古くから「めでたい」として親しまれ、子どもの幸運を願う思いが込められています。

■筍(たけのこ)料理
筍は春に新しく生える若い竹で、その成長力やしなやかさが子どもの健やかな成長を象徴しています。この筍が実は行事食だと知る方は少ないかも。

以上この日の行事食は、こんな感じです。
これらの行事食以外に、祝い事として行うことは・・・

□兜や五月人形を飾る
こどもの日に飾る五月人形は、「鎧(よろい)飾り」「兜(かぶと)飾り」「武者人形」の3種類が基本。人形が身に着けている鎧や兜には、病気や事故から守るという意味があり、「子どもを災いから守ってほしい」という願いが込められています。この3種類以外には、金太郎や武者人形、武蔵坊弁慶などがあり、健やかにたくましく育って欲しいということです。最近では、ディズニーやアンパンマンなどのキャラクター系の五月人形も登場しています。

□菖蒲湯に入る
菖蒲は、薬草だけでなく邪気払いにも使われており、この端午の節句が体調を崩しやすい季節の変わり目にあたることからも、菖蒲湯に浸かる風習が生まれたと言われています。

□鯉(こい)のぼりを上げる
中国で鯉は、“滝を登り切った鯉は竜になる”と言われています。困難があってもくじけず出世してほしいという願いを込めて鯉のぼりを飾ります。

「五月人形」や「鯉のぼり」は誰が買う(贈る)の?

昔ながらの風習で言うなれば、“母方”の実家で用意するものとされています。そうです、お爺さん、お婆さんの祖父母になります。ただ、金額もそれなりに掛かりますので、最近では母方・父方の両親に相談して折半してもらう場合も多いようです。
また五月人形は、雛人形と同様、子供一人につき、ひと組ずつ用意する必要があります。五月人形には、その子どもの“身代わりとして災いから守ってくれる”分身のようなものですからね。然るに他人に譲ることもダメです。

余談ですが、この「こどもの日」を含むゴールデンウイーク中には、ランドセルがよく売れるのですよ。これも子どもの両親から祖父母へのおねだりですね、きっと。
このように、日本の「こどもの日」には、端午の節句と相まって、五月人形や鯉のぼり、行事食などがあります。このような風習があるのは世界的にも珍しいことです。
小売店の皆さんも、単に行事モノを売るだけでなく、お子さんも一緒に家族でどのように楽しくこの日を過ごすか、また母の日とは違った「こどもの日のお母さんへのありがとう」の伝え方などを考えてみてはいかがでしょう。

最後になりますが、子どもの健やかな成長を願う気持ちは万国共通です。この気持ちを大切にして子どもだけでなく、母方、父方の祖父母にも感謝し、愛が溢れるお祝いの日にしていきたいですね!


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