「僕はパリへ来てから。フランス語を毎日一つずつ忘れはじめているわけです。もちろん、日本語も同じことです。いまに、なに一つ僕の頭にはのこらないで、せせらぎの音だけがきこえている、ってことになるんでしょう。」

金子光晴「ねむれ巴里」