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診断士に合格したらDi-Liteに挑戦しよう

こんにちは。中小企業診断士登録間近(の予定)のフエコです。

今年の2月に中小企業診断士試験に合格。そのまま怒涛の実務補習に突入し、噂通りのてんやわんやの2週間を過ごさせていただきました。そして、実務補習のダメージからも回復し、このまま勉強の習慣をなくしてしまうのももったいないなと思い始めていた3月後半、会社の資格推奨キャンペーンでDi-Liteというキーワードを知ったのです。
あれから4カ月。この度、無事に「Di-Liteコンプリート」を果たしましたので、ちょっと体験談的にまとめてみました。


Di-Liteとは

デジタルリテラシー協議会の定義によるとDi-Liteとは「全てのビジネスパーソンが、共通して身につけるべきデジタルリテラシー範囲」だそうです。さしづめ「読み書きそろばん」の令和版といったところでしょうか(いや、そうなの?)。

具体的には「ITソフトウェア領域」「数理・データサイエンス領域」「AI・ディープラーニング領域」の3領域とされ、「ITパスポート試験」、「G検定」、「DS検定リテラシーレベル」の3資格の学習範囲がこれに該当します。

令和のビジネスパーソンの読み書きそろばん

ITパスポート試験は診断士一次試験の勉強も兼ねて挑戦する人も多いようなで、診断士なら一度は耳にしたことがあるでしょう。でも、G検定、DS検定となると、「はて?」という感じですよね。
とはいえ、それが令和のビジネスパーソンの新常識だというのなら、令和の診断士としては無視して通るわけには参りません。調子に乗ってトライしてみることにしました。

「へぇ、自分でもちょっと調べてみようかな」と思ってググってみたけれど、イマイチそれらしい検索結果が出てこないあなた、"D-Lite”でも"De-Light”でもありません。"Di-Lite"です。

受験スケジュール

2月の実務補習が終わると、7月の実務補習までポッカリ時間が空きます。この隙間時間を活用してDi-Liteの3資格に挑戦するのが、名付けて「春のDXまつり」です!

お勧めする順番はズバリ、ITパスポート→G検定→DS検定

DS検定は、春と秋の年2回しか受験機会がないのですが、タイミングのいいことに春試験が6月にあります。なので、これを基準にしてスケジュールを組んでいきましょう。
その次に受験機会が少ないG検定は年に5回。これまたタイミングのよいことに、春のDXまつり期間中の5月に試験日が設定されています。
ITパスポートは毎週のように試験があるのでいつでもいいのですが、診断士一次試験の知識で充分対応可能なので、忘れないうちに受験するためにも、一番最初に挑戦するべき試験です。4月の試験日を選べば、4月ITパスポート、5月G検定、6月DS検定、と美しく並べることができました。
このスケジュールで受けると、図らずも、勉強の負荷が相対的に大きいG検定の準備にゴールデンウィークの時間を使えるスケジュールとなります。また、各試験の準備期間を十分とりつつ、前に受けた試験の知識が抜けないうちに受けられるので、とても効率がよかったです(Di-Liteの概念図で示されているように、3試験の学習範囲には重なりがあるのです)。正直、我ながらベストの受験スケジュールではないかと自画自賛。

ITパスポート

診断士の皆さんにはITパスポートの説明は不要でしょう。一次試験の「経営情報システム」に「企業経営理論」をちょこっと混ぜたような試験です。
ストレート合格組なら、ITパスポートについては受験準備はおそらく不要。私の場合は、一次試験から2年近く時間が経っていたので、テキストを購入して一通り目を通しました。

使ったテキストは一番売れているというこちら。いちばんやさしい、というだけあって、とにかく丁寧でわかりやすい! 診断士試験の勉強中にはイマイチ理解できなかったところが理解できたり、間違えて覚えていた用語を発見できたりします。

へー、ほー、と思いながら記憶を呼び起こし、あとはアプリでも使って隙間時間にちょこちょこ問題演習をしたら、あっという間に準備完了です。

試験はCBT試験。日本全国津々浦々のテストセンターで毎週のように開催されますが、人気があるのか意外と空席がなかったりするので、受験を決めたら先に会場を抑えてしまいましょう。私の場合は見切り発車で2週間後の会場を抑えて勉強を始めました。それでも全然大丈夫なくらい、中小企業診断士ととことん相性のいいのがITパスポートです。

ITパスポート試験情報(23年7月現在)

受験料:7,500円
会場:全国のテストセンター(CBT試験)
受験日:会場によりますが、毎週のように設定されています
試験時間:120分間(100問)
合格レベル:合計600点/1000点以上、かつ各分野別得点が30%以上
合格発表:受験日翌月15日ごろ。ただし、試験終了後、その場で正答率が示されるため、合否の見当がつきます。

G検定

個人的には一番キツく、一番面白く、一番ためになったのがG検定でした。令和の診断士の皆さんには全員受けていただきたいくらい、お勧めの試験です。
公式によると「ディープラーニングの基礎知識を有し、適切な活用方針を決定して、事業活用する能力や知識を有しているかを検定する」試験。そう、最近はやりのAIに関する試験なのです。

テキストは俗に「白本」と呼ばれる公式テキストがお勧めです。心配しなくても、「人工知能とは」からちゃんと説明してくれます。

が、機械学習、深層学習の具体的な手法に入ると、急に難しくなります。正直、1周目は呪文かと思いました。

分からないのでもう一度読んでみます。

3周すれば大抵のことはなんとかなるものです。それでもこの試験の肝である第6章の「ディープラーニングの手法」だけは、素人には高い壁です。テキストを3回読んでも理解できないことは、詳しい人に教えてもらいましょう。

そして、ある程度理解できたら、診断士試験と同様、アウトプットが肝心です。問題集は何種類かあるようですが、私は通称「赤本」と呼ばれるこちらを使いました(これ以外に「黒本」と呼ばれる問題集も人気です)。

あとはITパスポートのときと同じように、隙間時間にアプリを活用しました。

試験は何と自宅でオンライン受験です。なので、カンニングし放題、ググり放題、と言われますが、あまり真に受けない方がいいと思います。なにしろ、120分間で200問(ITパスポートの倍!)を解くという、スピード勝負の試験。イチからググっていてはとてもじゃないけど間に合わないボリュームです。そもそも、ここで勉強する機械学習の知識は、次のDS検定でも使います。

G検定情報(23年7月現在)

受験料:13,200円
会場:自宅でオンライン受験
受験日:年5回(23年は3月、5月、7月、9月、11月)
試験時間:120分間(200問)
合格レベル:非公表(目安は正答率70%程度)
合格発表:試験の2-3週間後

DS検定リテラシーレベル

最後に残ったDS検定リテラシーレベル。テキストを開いて「うそ~ん🥲」となったのは私だけではないはず。ベクトル、行列、微分、積分、と嫌な言葉が並んでいます。そう、中高レベルの基礎的な数学が出題範囲に含まれているのです。
あ、今、受験やめようと思いましたね。気持ちはわかりますが、範囲も狭いし、本当に基礎的な問題しか出てこないので、覚えてしまえばなんとかなります。数学を理由に諦める必要は全然ありません。大嫌いだった数学の記憶を美しく上書きするチャンスです。

公式テキストはこちら。

教科書というよりは、「出題範囲のキーワードをもれなくカバーして美しくまとめた文章」という感じで、少しだけ癖があります。
なので、公式テキストを一通り読んだあと、追加でもう一冊手に入れました。こちらは6月に出たばかりの新しいテキストで、より教科書らしいスタイルで書かれています。

と、教科書コレクターみたいになった割に、教科書よりは問題集の方に力をいれました。G検定の時と違って一度読めば言いたいことはだいたい分かるし(そもそも、試験範囲のかなりの部分は、ITパスポートやG検定と重なっています)、数学パートもあるし、問題演習をたくさんしたほうがいいな、と思ったからです。
使った問題集はこちら。通称黒本。

難しいことはおいておいて、数学パートについては、とりあえず問題集に出てくる問題(とテキストのおまけについてる問題)だけ解き方を覚えて、それ以外が出たら捨てようと割り切りました。
数学パート以外には、SQLもITパスポートよりもモリモリ出てきます。これも問題集にでてきた奴だけを覚える作戦です。

そして、DS検定でもやっぱり隙間時間にはアプリを活用しました。Di-Liteではアプリに大変お世話になりました。

なんだかんだ言って、学生時代大嫌いだった「行列」と和解できたのはとっても嬉しいことでした。Deep Learningでお世話になったAlciaさんに、行列も教えてもらいましょう。

DS検定リテラシーレベル情報(23年7月現在)

受験料:11,000円
会場:全国のテストセンター(CBT試験)
受験日:年2回(23年は6月、11月)
試験時間:90分間(90問)
合格レベル:非公表(目安は正答率80%程度)
合格発表:翌月下旬ごろ

おわりに

さて、以上が中小企業診断士に合格してからDi-Liteに挑戦した記録です。ご参考になれば幸いです。
最近流行りのChatGPTって、その名の通り”Generative Pre-trained Transformer”なんだよね、って分かったような口がたたけるようになります。令和の診断士としては当然持っておきたいリテラシーですよね。「春のDXまつり」で短期集中、無理なく楽しく勉強してみませんか?

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