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【詩の翻訳】大きな積み荷/インゲボルク・バッハマン

大きな積み荷

夏という大きな積み荷が積み込まれ、
太陽の船はもう港に停泊している、
君の後ろでカモメが急降下し鳴くときには。
夏という大きな積み荷は積み込まれた。

太陽の船はもう港に停泊し、
船首像の唇の上に
幽霊の微笑みがあからさまに浮かぶ。
太陽の船はもう港に停泊している。

君の後ろでカモメが急降下し鳴くときに、
西から沈没の命令が来る。
だって君は目を開けて光の中で溺死するだろうから、
君の後ろでカモメが急降下し鳴くときに。

Ingeborg Bachmann: Die große Fracht. In: Deutsche Gedichte für die Hauptschule. Hrsg. von Ernst Meyer-Hermann[u.a.], Frankfurt a. M.: Diesterweg,1966, S. 20-21

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