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【詩の翻訳】労働の声/ベーレンド・デ・フリース

労働の声

颯は倉庫に沿って鳴り響き、
雨は窓ガラスを流れ落ちる。
黄昏は沈み、夕が近づく——
しかしそれでも労働の声は残っている。

光は港から上へと瞬く。
港の男たちはこう喚く——
「揚げろ!」——「降ろせ!」休みも憩いもなく、
お前たちは骨に油をささねばなるまい!

風が唸り、鎖が音を立て、
デリックは取り憑かれたように揺れる。
「揚げろ!」——「降ろせ!」休みも憩いもなく、
昇降口は人々を飲み込んでいく。

窓辺で長らく聞き耳を立てていた。
疾風が窓ガラスのそばで額を撫でた。
夕が沈み、夜だ——
しかしそれでも労働の声は残っている。

Berend de Vries: „Stimmen der Arbeit“, In: „Deutsche Gedichte für die Hauptschule”, Hrsg. von Ernst Meyer-Hermann[u.a.], Frankfurt a. M.: Diesterweg 1966, S.73.

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