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【詩の翻訳】圧延工場/カール・ブレーガー

圧延工場

工場と燃え殻の山。その上に
いつも同じ雲がかかっている、ふわふわの、煙色の雲が。
白みがかった煙を吐く冷却塔の周りにぎっしりと
煙突また煙突、そして屋根屋根が迫る、煤と煙になじんで。

広々と大口を開けたホール、その中では湯気が立ち、煙が立ち、
油と汗が混ざったもやが調合される。
周囲では沸き立ち、わめき、ドッドッ、ヒューヒューと音を立てる、
煮えくり返った鉄が燃えたつ怒りでシューシューうなっているあいだに。

圧延ローラーの堅い顎に捕われて、
鉄は平らにされて輝く鋼となる。
今や持ち上げられ、丸められ、溶接され、つままれて、
軋みながら、そうした苦痛のために泣きわめく。

汗をかき、赤に押し流された裸の身体と、
十の腕が自身の背後へと引っ張る、
赤々と燃える蛇を。やっとこに挟まれて
蛇は巻きつき、ますます伸びていく。

炉は光り、溝と裂け目から
煮えたぎる赤い鉄が激怒して歯をむく。
火の色をした炎の舌が
工場の上にかかる灰色の空をなめる。

Karl Bröger: „Walzwerk“, In: „Deutsche Gedichte für die Hauptschule”, Hrsg. von Ernst Meyer-Hermann[u.a.], Frankfurt a. M.: Diesterweg 1966, S.80.

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