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【詩の翻訳】家のまわりに風が吹く/ヴォルフガング・ヴァイラオホ

家のまわりに風が吹く

風が、風が、家のまわりに吹いている、
僕らはスープを平らげて、
それから楽しく眠りにつく。

しかし突然僕らはまた目を覚ます、
なんて悲痛なああ、という声、
僕らはもう眠れない。

それはああ、うう、という、
キリストが最後の祈りを捧げた地で当時聞こえたような声で、
そのときも誰も眠れなかったのだ。

それは風ではない、それは嵐ではない、
それは森の中の虫でもない、
それは哀れな嘆きだ。

子どもたちが風の中で泣いている、
みんな今年死んだ子どもたちだ、
僕らは子どもたちが外で泣いているのを聞いている。

子どもたちが泣いている、ヒトラーが
白い、白い骸布の中へと叩き落とした子どもたちが、
僕らは子どもたちがひどく泣いているのを聞いている。

それは、上に天の焔が降り注いだ
子どもたちだ、そんなにも、そんなにも、
子どもたちは部屋の中で嘆いている。

雪と氷でできた他の人々も、
しくしく泣き叫ぶ声に満ちて
僕らの暖かい部屋の中にいる。

巨大な子どもの世界は
家のまわりで死んだふりをした、
僕らは部屋の中で凍えている。

僕らは凍えている、僕らは眠れない、
僕らは顔の上に寝ている、
僕らは死ぬほど恥ずかしい。

僕らは布団を
自分の子どもにかける、ああ、
君は彼らの死から身を守り続けてくれ、

家から家へ、移動し続ける死から。
僕らはランプを消して、
死を恐れ震える。

Wolfgang Weyrauch: „Der Wind geht ums Haus“, Hrsg. von Ernst Meyer-Hermann[u.a.], Deutsche Gedichte für die Hauptschule, Frankfurt a. M.: Diesterweg,1966, S.48-49

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