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ゲームレビュー #5 お姉チャンバラZ2 ~カオス~/PS4・Steam

#5  お姉チャンバラZ2 ~カオス~/PS4・Steam
プレイ環境:PS4(純正コントローラー)


PSやPS2の時代、『SIMPLE』シリーズというものが存在した。

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その名の通りシンプルな内容にまとまったゲームが、PSは1500円、PS2は2000円という低価格で次々とリリースされていた。その数はすべて合わせると200を軽く超える。

それだけの数が出ればスマッシュヒットを飛ばす作品も当然生まれる。
今やビッグタイトルとなり、普通にフルプライスでリリースされている『地球防衛軍』シリーズはこの『SIMPLE』シリーズから生まれたものだ。

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その『地球防衛軍』と双璧を成すタイトルにのし上がったのが『お姉チャンバラ』シリーズである。

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水着のねーちゃんが胸を揺らしながら刀でゾンビをぶった斬り、返り血を浴びるとパワーアップして覚醒するという「B級映画」以外に表現しようがない内容のゲームだが、キャラデザの良さとそのシンプルな快感が話題を呼び、様々な機種でシリーズ展開される人気シリーズとなった。


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『お姉チャンバラZ2 ~カオス~』は、これまでのシリーズの主人公キャラであり、種族の違いで犬猿の仲だった彩・咲組と神楽・沙亜也組の4人が共闘することになり、まとめて操作できる、まさに集大成的な作品。

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操作性はなかなか良好で、難しい操作は特になく、スピーディーな戦闘が楽しめる。
特に空中ダッシュから連撃を叩き込める“チェイス”は爽快かつ移動にも使えて便利。
メイン武器・サブ武器・遠距離武器と使い分けもできるので好みに合わせて戦おう。
キャラクターもグラマラス・ロリ巨乳・ロリ、さらにコスチュームやアクセサリーも細かく設定でき、幅広いストライクゾーンに対応している。

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またマップ攻略中に挿入される会話やムービーなども地味にフルボイスなのが嬉しい。設定上は犬猿の仲だが、結構仲いいじゃんこいつら…と見守るのも楽しみ方のひとつ。

残念な点としては、ゲームとして単調であること。
全ステージ数は少ないのに、そのひとつひとつがやたらと長く、基本的にザコは全殺しないと先に進め無いのでどうしても時間がかかる。
さらにダウン追い打ち攻撃でハメに来るなど妙に強いザコが度々現れるのもストレス。
そんな少なく長いステージを何度も周回しないと、コスチュームはおろかまず攻撃手段のスキルを入手できない。

また一定数の敵を倒すと使用可能になる”デア・ドライブ”と”亡我”という機能があり、時間制限付きでキャラクターがパワーアップするのだが、このグラフィックがめちゃくちゃダサい

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世界観が迷子。

ちなみに上の画像の右上にある矢印が次の目的地の方向なのだが、目的地の方向を指してるだけで途中の障害物とか行き止まりを考慮していない。そんな矢印がポツンと出てるだけである。
なぜミニマップのひとつも出せなかったのか。なぜベストを尽くさないのか。
こういったシステムの不備も周回プレイへのストレスとなっている。
まぁぶっちゃけスキル集めにそんなに拘らなくてもチェイスとデア・ドライブと亡我のゴリ押しでクリアは可能なのだが。

また武器を使い分けできるのは嬉しい機能だが、彩と神楽の刀やダガーに比べて、咲と沙亜也のチェーンソーと体術がぶっちぎりで使いづらい。
具体的に言うとこのゲームでよく起こりがちな「閉所での乱戦」という状況に致命的に向いていない。
チェーンソーは攻撃力や攻撃範囲はいいが隙が大きく、体術に至ってはとにかく攻撃範囲が狭く、すぐに標的以外の敵にボコられる。

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一応体術には即死攻撃があり、これでしか倒せない敵もいるが、その敵の存在すらストレスに感じる。


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市場価格も結構高めな印象のあるこのゲームだが、芯のところは『SIMPLE』シリーズから変わっておらず、つまるところあまり深いことを考えずに「水着のねーちゃんが胸を揺らしながら刀でゾンビをぶった斬る」というのを楽しむだけで十分な作品。
頭カラッポの方が夢詰め込める。そういうこと。



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