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週刊小売業界ニュース|2024/1/29週

2024/1/29週(1/27-2/2)にピックアップした小売業界ニュースをお届けします。今週のおさらいにぜひどうぞ!


ポケモンパンが韓国で大人気!
2023年の売上高は1107億ウォン(120億円)

aT食品産業統計情報によると、昨年パンの小売店売上の中で最も高い販売を見せたのはのポケモンパンであることがわかった。2023年に1107億6300万ウォンの売上を記録し、前年度の860億6800万ウォンから、28.69%の伸びを見せた。

担当者による要約

1990年後半、日本でのポケモンゲームの発売の直後、
韓国にもポケモンが上陸し、ポケモンブームが巻き起こりました。

1998年には元祖ポケモンパンが登場し、大ヒット。
シールの付録は元祖からもあったそうで、
98年の発売当時、最高で月500万個も売り上げていたそうです。

上記記事にある、現在ブームとなっているポケモンパンは、
2006年にリニューアル発売されていたもの以来の、
実に16年ぶりの発売とのこと。

キャッチコピーも「帰ってきたポケモンパン」となっており、
当時を知る人たちに対して、呼び掛けているような印象を受けます。

熱烈な購買を取り上げたニュースを見ると、
実際にポケモンパンの主要な購買層は、
幼い頃にポケモンのアニメやゲームに熱中した世代だそうです。

ウォールストリートジャーナルには、

人気の理由は「なつかしさ」にあります。ポケモンパンは以前1990年代、今の20代30代が幼かった時に発売され、人気を集めました。
その世代にとってが、大きな悩みがなかった子ども時代を懐かしみつつ、昨今の不動産価格高騰や就職難などの現実から少し逃避する癒しツールの一つになっているということです。

Pokémon Stickers Are Back for Koreans Nostalgic for Childhood

との分析も。

このような、現在の20~30代の層は、
「MZ世代」(ミレニアル・Z世代)とまとめて表現され、
さらに幼少期に没頭した対象を大人になって購買する現象を捉えて、
「キダルト族」(キッズ+アダルト)という表現がなされたりもします。

最近では、ポケモンパンのほかにも、
セーラームーンやドラゴンボールアニメの再配信や、
キャラクターを利用した商品パッケージが見られるなど、
キダルト市場の拡大が見られています。

SEPHORA、カスタマーサービスにおける人種的偏見の削減に向け、取り組みを強化 - WSJ

https://www.wsj.com/business/retail/retailers-reduce-racial-profiling-65a32d27

小売店の買い物客のうち約40%(そのうち黒人回答者は全体の53%に該当)は、人種や肌の色のために店舗サービスで不当な扱いを受けた経験があると回答。コスメブランド大手SEPHORAは、差別的慣行を抑制するための従業員研修や店舗警備等のプログラムを、先進的に導入している。

担当者による要約

人種や肌の色、国籍などをもとに、
取り調べを行ったり犯罪等の容疑をかけたりすることは
「レイシャルプロファイリング」と呼ばれています。

アメリカでは以前より、日常生活における有色人種、
特に黒人へのレイシャルプロファイリングが取りざたされてきました。

例えば”Driving while Black”という言葉があります。
これは、交通違反をしたわけでもない黒人運転手が、
警察官によって検問されるケースが非常に多いことから、
黒人コミュニティで作られたワードです。

小売業界においても”Shopping while Black”というワードがあります。
これは店員に、万引きする可能性があると思われ尾行されたり、
場合によっては買い物を妨害されたりする現象を指します。

実際、米ウォルマートやドラッグストアのCVSでは、
主に黒人女性向けに販売されているヘアケアや美容商品は、
鍵のかかった陳列棚に置かれていた一方で、
白人がよく購入する製品は鍵のかかっていない陳列棚に
置かれていた店舗もあったとのこと(2022年)。

余談ですが、私もレイシャルプロファイリングと
思われる経験をしたことがあります。

カリフォルニアに留学をしていたときのことです。
チェーンレストランで昼食を購入するためにレジに並んでいました。
私の目の前には白人男性が並んでおり、
目の前でレジ店員が愛想のよい接客を見せていました。

しかし私の番になった途端、
先ほどの愛想は無くなり、機械的処理モードに…

加えて、その店員はヒスパニック。
有色人種の中でもさらに序列意識があるのだろうか、と思いました。
やるせない気持ちを抱いたことを覚えています。

話を戻しますが、このようなレイシャルプロファイリングの問題を受け、
人種的偏見を無くす買い物環境作り出すため、
2022 年にSephoraの声掛けで企業憲章が作られました。

現在までにこの憲章に参加している著名な企業として、
American Eagle OutfittersやLOFT、H&M、ZARAなどがあります。

ユニクロやフルラ、Supremeなどの「偽ECショップ」が約4000件超発見。検索順位が高いサイトも…注意すべきポイントは? | ハフポスト NEWS

アバストがクリスマス期間の偽ECショップ4000件以上を発見。ユニクロ等有名ブランドの偽サイトもあり、個人情報の盗難リスクが高い。偽サイトは本物に似せたデザインで、Cookieポップアップがないことが警告信号。安全な買い物のための対策として、ウェブサイトの信頼性確認、安全な支払い方法の使用、セール期間中の注意、詐欺の兆候に警戒、セキュリティソフトの利用、経験共有が挙げられる。

担当者による要約

ECの偽サイトによる詐欺の増加が顕著です。
独立行政法人全国消費生活情報ネットワークシステムによれば、
2021年には同団体だけで1万件を超える相談が寄せられたうえ、
2022年度はその件数が約2倍にも増加しました。

ECサイトでの買い物が当たり前となった現代において、
消費者側も自分自身を守るため、
リテラシーを身に着けることは必須と言えるかもしれません。

上記の特集記事にもあるように、
以下のような場合は偽サイトを疑う必要があります。

  • Cookie利用に関するポップアップが出てこない場合

  • サイトがhttpsとなっていない場合

  • 決済方法が1つ(銀行振り込みなど)に限定されている場合

  • サイトURLやメールアドレスにスペルミスがある場合

加えて、他の記事で紹介されていた、
偽サイトのチェックポイントもご紹介します。

  • 「.xyz」「.top」「.buzz」といった簡単に取得しやすいドメインの場合

  • 雑多な商品を販売していたり、価格が不自然に安かったりする場合

  • 振込先が個人名義である場合

出所:悪質な詐欺サイトはなぜ撲滅できないか だまされない方法、専門家が解説(テレ東プラス)

  • 注文番号が3桁や4桁と短い場合

  • ご利用ガイドが簡素な場合

出所:MITANI WORK

加えて、最近では「返金サポートサービス」と称して、
二重にお金をだまし取られる、新しい手口が見られるとのこと。

兵庫県警によると、購入手続きをしてしばらく経つと、サイトの担当者を名乗る人物からメールが届く。「商品が欠品している」「輸送中に商品を紛失した」。そんな理由で返金を申し出て、その後SNSでのやりとりに移行するよう指示される。 SNSでは、「返金サポートサービス」などを名乗るアカウントから、特定のキャッシュレス決済で返金すると伝えられる。指示されるままにキャッシュレス決済アプリなどを操作する。すると返金を受けるはずが逆に送金させられ、二重で詐欺の被害者になる、というわけだ。

商品届かない…では終わらない!偽ECサイト、「二重詐欺」の新手口(朝日新聞)

自分が本当にネットショップ詐欺に巻き込まれているのか、
すぐに判断できないこともあると思います。
そのような際は、最寄りの警察署の相談窓口へ
連絡をすることが推奨されています。

またその他の方法として、
各都道府県警察本部のサイバー犯罪相談窓口も設置されています。

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