垂直跳び動作の解説

今回は垂直跳び動作の解説をします。

この文章では、垂直跳び動作での体の各部位の適切な扱い方も紹介しながら、ウェイトトレーニングで築く身体能力と、その身体能力から作り上げる瞬発系動作との深い関係性も、各箇所の特徴と共に紹介していきます。

ただ、その解説を読み進んでいただく際に前もってご理解いただきたいことがあります。
それは、あくまでGS Performanceのウェイトトレーニング指導下で身体能力を構築された方々に起こる垂直跳び動作であるということです。
その「動作」は、多くの場合、具体的な指導なくとも自然に発生する動作です。また、その自然な発生が起こらない際にも、具体的なフォーム指導をすれば、短期で習得に至る動作です。そしてその「自然」であったり「短期で習得」の裏には、ウェイトトレーニングを特定のフォームで積み重ねて構築された身体能力がある、という前提が必ず存在します。
どうかその点をしっかりと理解したうえで読み進めてください。


では、ここから本題に入ります。

まずは今回の主役となる、「GS Performanceが推奨する垂直跳びテクニック」を、こちらのブログ内の動画の「垂直跳び 修正後例」と「垂直跳び 加賀」にてご確認ください。


垂直跳びで生み出す跳躍高は「体に蓄えてある筋力と柔軟性をどれだけ効果的に発揮するか」がカギとなります。
そしてその「蓄える」という作業は、ウェイトトレーニングを積み重ねることで行います。
GS Performanceが推奨する垂直跳び動作に強く関連する部位は、上背部・腰・臀部・大腿部・ハムストリング・脹脛・足裏です。
これらの部位をウェイトトレーニングで丁寧に鍛えることで、垂直跳びのような素早く爆発的な動きが、具体的な指導なく、理想的なフォームに自然と変化していくことが頻繁に起こります。そして最初にも述べたように、もしその変化が自然に起こらなくとも、指導者からそれら爆発的な動きのテクニックを具体的に指示しながら指導されれば、比較的容易に体に染み込ませることができます。

👉GS Performanceの運動指導の中での垂直跳び動作指導例は、先に挙げたブログとともに、こちらのブログでもご確認いただけます。垂直跳びのようなパワー系動作、つまりはスポーツ競技動作への影響を見越して指導するべきだからこそ、ウェイトトレーニング運動のテクニックは、関節にやさしい健康的な質を持つべきなのです。


垂直跳び動作を語る際に、私は「どれだけ多くの弓矢(筋群)を、どれだけ強く引けるかが重要」という表現を使います。
垂直跳び動作において、最初に引かれる弓はハムストリングです。次が臀部、そして最後に大腿部です。
それら3部位の弓矢を順々に引きながら、腕振りも十分に使って、真上に跳びたつ準備をします。


では、最初の弓矢であるハムストリングの話から始めます。

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