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知らない人について行ったら無茶苦茶になった話。

皆さんも生きてたらね、
言うか聞くかしたことあると思うんすけど、
「知らない人についていってはいけない。」
ってやつね。

思うんすよ、

ああこれがゲームだったら
一回セーブして
着いて行くルートも見るのにな。

つって。

でもまあ現実ってそういうわけにはいかないじゃないですか。そもそもそんな状況にならないし。
もうそこをやっちまうか!!つってやってみた話です。

まあこちとらもういい大人ですし、
全然うら若き乙女だとか、
子供さんとかじゃないんでね、
色々状況やら条件、環境は違えどね?
この選択肢を現実で選ぶとどうなるか、の実例の一個として楽しんで貰えたら幸いつって。

ーーーーーーーーーーーーーーー

ちょっととあるライブを見に行った帰りにね、
また例の如く知らない人に話しかけられるわけですよ。
もはや都会とかに出て誰にも話しかけられない方がちょっと不安になってくるほど話しかけられるのが日常ですからね。

慣れたもんだと、今回は何だと、どこへの案内だと、そんな感じで用件聞くとね

まあ例のごとく道案内なわけっすよ。
でもこちとらもう全然まともな言葉発する元気無いわけですよ、
案内するわつって。ついて参れつって。

んで喋りながら目的地に向かうわけっすよ。

「随分辺鄙なところで待ち合わせしてるんですね。」

「いや〜今回レンタルスペースで集まる感じで、ちょっとややこしくて。」

「ほー、そういうのもあるんですね。」

「えっていうか格好めっちゃカッコいいすね!仕事なにされてんすか?」
※別にすごい奇抜な格好してたとかじゃなく、普通にジャン革(革ジャンの事)に黒パン黒ブーツ、夜道で轢かれそうな漆黒を纏いし根暗の正装。

で、ここで選択肢が出てくるわけっすね。
やっぱ人生何事も楽しんだ方が得だと思うんで、
道案内させられて面倒くせえなというよりかは

全く知らない人間が、何故か自分のこと何か特殊な職業に就いてると思い込んでるオイシイ状況なわけじゃないですか。

1、いやいや初対面で仕事聞いてんじゃないよ。
バッサリ切り捨てて反応を見る
2、まあちょっとそこのバーで1曲ね。
ライブ見てきたくせにライブする側を装う
3、しがないパフォーマー…ってとこ、かな?
全く何かわからない仕事を装う

皆さんならどれ選びますかね、

ちなみに今回自分が選んだのはこちら。

「え?ああ、今は…しがないパフォーマーみたいな感じ、かな?(誰もいない方向を見ながら)」

「え?お笑いすか!?」

「お笑いじゃねえよ!!!!!誰が芸人じゃ!!

まあでも確かに今は根無し草みたいな感じではあるから、崖っぷち芸人みたいなもんかも知れんな。」

疲れちゃったみたいな感じすか?」

「まあ、疲れちゃったのかもな。(立ちっぱなしでライブ見てきたしな。)」

格好つけてても格好いいわけではないんで普通に予想外の展開になったりしながらね、着くわけですね、目的地に。

「じゃ、あの〜よかったらこのままどうすか?」

何がどうなったらそうなるんだよ。

しかしここでまた出てくるわけですね。選択肢が。

初対面の人間に急にレンタルスペースの謎の集まりへの参加を勧めて来るなんて稀有な状況なわけですよ?


こりゃ久々に何か勧誘に違いない、
何か買わされるに違いない!つって
心からワクワクしちまうわけですね。

1、行くに決まってるでしょ元々その気だよ!
誘われてないのに前のめりで謎の恐怖を与える。
2、いや何言ってんだ帰るわ。
普通の反応。

まぁもちろん言うわけですね。

「おうよ最初からその気よ!!!!」

「ええっ最初からその気だったんすか!?」

「んなわけあるかい!!!!」


まあ聞かれたら瞬発的に本音返しちゃいますよね。

そんなわけで全く何が何だかわからない集まりに参加することに。
エレベーターでビルの中を上り、該当の部屋の扉を開けた瞬間、

「フェイさんおつかれっす!!」
部屋の中にいた数人が扉を開けた彼に向かって
話しかけるわけです。

ゼノサーガの主人公かよ、缶詰食う?

という感想をぐっと堪えてとりあえず話し掛けてきた人間の呼び名がフェイさんであることを知るわけですね。

「あれっ一緒にいる人…?」

いやそりゃそうだよな、向こうも予定外の参加者だからな。勧誘でもちゃんとターゲット決めてやるタイプなのか。そう思いながら喋ろうとした瞬間。

「道案内してもらったパフォーマーの芸人さん!」

誰の話だよ!!!!!


「じゃパフォさんでいっか!」

よかねえよ!!!


「じゃパフォさんとりあえずこれ切ってもらっていいすか?」

何をだよ!!!小切手??小指???


コロン…

キャベツかよ!!

色々状況が理解できないんでこっちも流石に聞くわけですね。
「えっこれ何するんすか、てか何の会?」

フェイさん「今日はラスト鍋ですよ。」

フェイさんキャベツはおかしいだろ!!

いやそれ以前にラスト鍋って何だよ!!!!
闇鍋のおしゃれな言い方みたいな感じか??

そうこうしてる間にまた何人かが追加で部屋につくわけですね。ぞろぞろと。総勢15名くらいになるわけです。

おっ久しぶり〜だとか、元気してた?だとか色々な話が漏れ聞こえてザワザワしてる中、
パフォさんは一人立ち尽くしてるわけですね。

いや何これ!!?!?!?!?同窓会!?!??
マルチ商法とか宗教の勧誘は!?

全く知らない小学校の同窓会に参加してるんじゃねえかと思うほどにパフォさんアウェイな雰囲気だが?

レンタル何もしない人とか毎回こんな感じ?レンタル何もしない人を呼ぶときは完全に知らん団体の集まりはやめてやれよ!!!!そうなると「レンタル何もしない人だけど、結構なアウェイさを感じるしなんか手持ち無沙汰感も感じるけど一応仕事中?だしスマホとか見るのもな…の人」になるからな!!!話しかけてさしあげてくれよレンタル何もしない人に!!!!

…もっとパフォさんに絡めよ!!!!

そういうわけで全く知らん人間達が鍋の準備をしてる中
いかに相手の視線が逸れる位置に立つかを第一に立ち回って時間を潰すわけですね。

黒子のバスケもこんな感じなのかな…つって。
まあ鍋とか食って油断したところに、汚れが世界一落ちる洗剤とかを高値で売りつけられるのも悪かねえな。とか考えてると

「パフォさんって何のパフォーマーさんなんですか?」

ミスディレクションがオーバーフローしたのか女子が話しかけてくるわけですね。

いや何のパフォーマーでも無えよ!!


「ん〜〜今受けてる案件的にあんま大々的に言えない感じなんだけど、多分みんなも見たことあるやつだと思うよ。」

「へー!そうなんですね、何でそんな人がここに…。

「いや自分も謎なんすけど、まあいいかって。」

「めちゃめちゃ勇気ありますね!」

仕方なく適当な言葉をつなげただけの
全く無意味な音声を口から垂れ流しつつ、
相手の顔を見ると

デッキブラシの毛束1束分ぐらいまとまって鼻毛が出てるわけですね。

どこで生活したらそうなるんだよ、高速道路のとなりに住んでた時もそこまで鼻毛伸びなかったぞ!

つってハッと思うわけですね。
今日鼻毛カッターを売りつけられるのかもしれねえと。
この女子がサクラで、一回商品の鼻毛カッターを持たされて「えっすごい軽い〜〜!」とか言いながら
流れで鼻毛を切るシーンが完全に見えるぜ!!

フェイさん「ワッペンも手伝って〜。

鼻毛の出た女子「は〜い!」

ワッペンというより
何かアップリケっぽいけどな?

いやそれ以前に何で全員あだ名なんだよ。
最近のマルチ商法は大学のサークルみたいなノリなのかよ。

ハッまさか。
実は今この場にいる全員はSNSなんかで繋がったアカウント同士で
それで全員あだ名で呼び合ってんじゃねえか?

これ何かのオフ会なんじゃねえのか?

フェイさんも今日鹿児島から出てきたつってたし、
ワッペンさんもあからさま関西とは違うイントネーションだった。

いや、しかし全員やたらと荷物が少ない。
聞こえる会話に共通の話題もない。

まさか自殺オフ会とかじゃ無えよな?

気軽に誘わねえよな?そんなんの場合は?そうだよな、そうだと言ってくれよ。

「フェイさん何で誘おうと思ったの?」

聞いてみるわけですね。

「いや、疲れちゃったって聞いて。」

なあラスト鍋って人生最後の晩餐的なニュアンス!?

もうちょっと話を聞こうと思ったところで鍋(人生最後?)が出来て
机を囲むわけですね。これから何が起きるんだと、んなことを考えながら。

フェイさん「じゃ、今日は集まってもらってありがとうございます。とりあえず、自己紹介一人ずつしましょっか。」

さっき久しぶりって言ってた人もいるのに自己紹介するんだな?

「どうもクロって言います。本名が黒田なんで、そこから。今日はラスト鍋なんで、噛み締めて食おうと思います。」

パチパチ

それから順に1人ずつが自己紹介を行なっていき自分の番に。

「パフォーマーのパフォです。これはさっき適当につけられました。何かわかんないけどこの場にいます。この会なんなんすかね。よろしく!」

自己紹介つうかもうこの大事故の照会を今すぐ依頼してえよどのデータベースにも事例が無え状況だよ。

何だよパフォって。もう一生名乗りたく無え語感だよ。

各人喋りながら適当に鍋をつついてると色々なことがわかってきた。

やっぱり遠方から来てる人間が多いっぽい。
そしてラスト鍋という単語をやたらと言ってくる。
全員初対面ということではなく数名はフェイさんの知り合いで前から顔を知っているらしい。

フェイさん「じゃあそろそろ、行きましょうか。

鍋を始めてから約1時間たったところで満を辞してフェイさんが言う。

いよいよ本題が来るか…どうする?どう出る…?
全ての状況を乗り越えて無事に家に帰るからな…!!

鍋を片付けてからフェイさんがまた言う。

フェイさん「じゃ、もう出られる人は出てもらって。ありがとうございました〜!」

えっ?


ワッペン「そういえば、フェイさんの名前の由来って聞いた?」

くしゃみするときフェイって言うからだよ!!」

何じゃその情報知るかそんなもんコラァアアアアアアア!!!!!!ワシのドキドキ返さんかいオラァアアアアア!!!!!!!


でもまあ一応もう一回聞くわけですね。

「あの〜フェイさんこの会って何なんすか?」

フェイさん「いやだから年内最後の鍋っすよ!疲れ取れました?」

ただの底抜けにいい奴か〜〜い!!!!!
ワッペンさんは勇気あるとか言ってくるし、クロさんが噛み締めて食うとか言うからマジで人生最後かと勘違いしただろうが!!!


へへっコイツぁ勝てねぇやつって、足早に建物から出て、
最近グッと寒くなった外気に当たりながらも、鍋と人の暖かさで顔も腹もじんわりあったかい。

ハーッと息を吐くと、ちょっと白くなる。
そんな帰り道、改めて思うわけですね。


結局何の集まりだったんだよ!!!!!!!



※本当にヤバい集まりもあると思うので決して真似しないでください。

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