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世界遺産の貝塚の見事な骨角器たちと円筒式土器の変遷。ー二ツ森貝塚館[JOMOSEUM]

二ツ森貝塚は青森県七戸町にある世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」の構成資産の一つです。前期から中期の集落跡で、小川原湖が入江になっていた縄文海進期には海岸段丘上にあったと考えられます。

二ツ森貝塚館はそのガイダンス施設で廃校になった小学校を改装し、七戸町の遺跡から出土した遺物もあわせて展示しています。世界遺産関連の展示施設は新しかったりきれいに整備されたものが多いですね。

入ってすぐの廊下は七戸町の遺跡から出土した遺物のコーナー、山屋(2)遺跡出土の遮光器土偶と、矢倉(1)遺跡出土の双口土器がお出迎えです。

奥の広い常設展示室が二ツ森貝塚のコーナーで、貝塚の剥ぎ取り標本とさまざまな遺物が展示してあります。

なんといっても有名なのは透かし彫りの鹿角製櫛ですが、他にも骨角器に見事なものがあります。イヌの骨もきれいに出土していて貝塚ならではの出土品という感じがします。

土器は円筒下層式のaからd、円筒上層式のaからeの前期から中期前半の時代ごとの変化が見て取れます。その後は榎林式や大木式が登場し、北からの影響と南からの影響を受けていることがわかります。

中でも榎林式土器は二ツ森貝塚が標式遺跡となっていて、人面付の榎林式土器も出土しています。

前期から中期の遺跡なので土偶はあまり出ていないようで、板状土偶の一部と岩偶が展示されていました。

岩偶

さまざまな生活の道具が展示されていて、当時の人々の暮らしが見えるようで良い展示でした。貝塚も一部が公園として整備され、復元住居も建っています。三内丸山ほどではないですが、縄文時代の雰囲気が味わえる世界遺産です。

二ツ森貝塚館HP
住所:上北郡七戸町字鉢森平181-26
開館時間:10時~16時(月曜、祝日の翌日休館)
入館料:無料
撮影:可
アクセス:七戸十和田駅からバス、旧東小学校前からすぐ。

世界遺産「北海道・北東北の縄文遺跡群」のガイドはこちら




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