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ラジオ体操というエンタメ

ラジオ体操。
あのピアノのイントロを聞けば校庭や体育館、ひょっとすると職場を思い出す人もいるだろう。第一はできても、第二は覚えていない人も多いのでは。小さい頃から何度となく、いや、何十回となく体操したはずだ。

そんなラジオ体操のマンネリ感を破壊(打破といった生易しいものではない)するのが「巡回ラジオ体操・みんなの体操会」。

今年も7月20日から8月31日まで全国各地で開催。早朝6時半からの生放送(NHKラジオ)だ。アレンジのない決まりきったプログラムなのだから、テープを流しておけばよいのに、と思う。

「腕を前から上にあげて、大きく背伸びの運動~」

から始まる第一。体操の掛け声なんて、腕の位置やジャンプなど、次の動作の説明とか、1,2,3,4くらいがせいぜい。しかも、体操する側は号令などいちいち聞かないし、そもそも体が覚えてしまっている。

ところが。

鈴木大輔さんという体操指導の方の声と内容がラジオ体操を超越し、完全なエンタメに昇華させている。

まず放送開始冒頭の「全国の皆さん、会場の皆さん、海外でラジオをお聞きの皆さん、おはようございます!」の、「おはようございます」が青空を突き抜けて大気圏外へ行ってしまうほどのハイトーンボイス。突き抜け感が制御不能。海外でラジオを聞いている人にもたぶん届いている。元気がいいのひとことでは到底すまされないほどだ。

そしてこの全国行脚では体操の前後、合間にその開催地の紹介を短く入れたり、会場に集まったが一緒に1,2,3,4などと声を上げたりしている。

傑作なのは、鈴木さんが4拍子を数える時には「わ・か・や・ま、わ・か・や・ま(和歌山)、はい!会場の皆さんもごいっしょに・・・」とか、3拍子を数える時には「びん・ちょう・たん、びん・ちょう・たん(備長炭)」と例のハイトーンで突き抜ける。
このほか、「鈴木さん語録」としては、「笑顔で後ろ反り~!」など。

かくして和歌山県、日高川町からのラジオ体操によって、和歌山県が備長炭の有数な生産地であることが確実にインプットされた。

生放送で毎回ピアノも運んでいるという事実を知った衝撃については下記ご参照。

鈴木さん、どんな人なんだろう。
備長炭の回の放送はもう聞けないが、8月28日放送の静岡県御殿場市の回はまだ聞ける。
笑顔で後ろに反ってみてはどうだろう。


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