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悪魔企業(ブラック企業)からの身の守り方

悪魔企業(ブラック企業)が労働者に対して、どの様な「害」をもたらすのか?貴方は知っていますか?悪魔企業から労働者が受ける被害の深刻さと広がりは私達労働者誰でもが、知っているはず?!と思いますが実は、日本の社会ではなぜか悪魔企業を批判する声はとても緩いのです。その悪魔企業から自分の身を守る為にはどうすればいいの?貴方は考えたことがありますか?
「悪魔企業に入社したのは自分の責任」「どこでも、悪魔企業だしね」「他に仕事が無いから我慢しよう」「悪魔企業なんて言うのおかしいよ!」等と言う声を聞いたことがあるでしょう?なぜなら、悪魔企業は労働者を徹底的に洗脳するのです。「働かせてもらっている」「仕事を与えられている」「感謝している」等と自分の会社や派遣会社に思うなら貴方は要注意ですよ。貴方は価値のある労働者ですので行き過ぎた会社への感謝は不要です!
そして、あからさまな虐めや「業務命令」と言う名のパワーハラスメントがある会社でどんなに耐えても、どんなに努力しようとも私達労働者に「将来」はありません。たとえ耐え続けても、待っているのは「鬱の診断書」。そして、その診断書と共に貴方の将来の夢は打ち砕かれます。「どこでも同じだよ」「一緒に頑張ろう」等と言う貴方の同僚や友達の言葉の本心は「俺も我慢してるから、お前も我慢しろや」的な足の引っ張りと諦めだけがあるのです。我慢し続けて遂には過労死、自殺へと追い込まれる場合もあります。

様々なハラスメント・長時間労働・低賃金が続くと、やがてどんなに頑張ろうと心身を病み、自分の私生活を打ち砕かれていきます。そうして最後には「自主退職」へと追い込まれて行くのです。もちろん、心身を打ち砕いてまで耐える必要などないので、退職する方が楽で合理的なのですが、病気になってしまえば回復するのに時間がかかり、社会復帰が遅くなります。自己退職を何度も繰り返していると、自分に自信が無くなり、次の仕事を探すのが怖くなる場合もあります。しかし、実はいい方法があるのです。それは「悪魔企業と闘って労働者の権利を勝ち取る」あるいは「悪魔企業を根本的に改革する」「悪魔企業の存在と悪行を社会の目にさらし、罪を償わせる」という事です。貴方の心と将来を打ち砕かれる前に、闘ってから勝利の花道と言う晴れやかな退職を貴方は望みませんか?

悪魔企業に入社してしまったら、①耐え続ける②辞める③闘う、の3つの選択しかありません。「我慢していれば、いつかは報われる」と言うような甘い感情は今の日本の悪魔企業の中には1ミリもありません。そして、辞めてもまた次もその次も、悪魔企業の可能性は大ですからね。それなら、いつ闘いを始めるか?と言う事です。

鬱になる前に・自主退職に追い込まれる前に
鬱や自主退職に追い込まれないためには、労働者に正しい思考・行動・知識が必要です。ギリギリまで追い詰められてから、病院や行政、労働組合に相談しに行くのではなく、その前に相談した方が解決がしやすいという事です。つまりは、問題が無くても労働組合に加入する、相談場所を知っておく、どの様なサービスが受けられるのかを確認しておく事が大切です。私は、「日ごろから「労働組合員」であることを示していると、有給休暇が取りやすい」と話す、若い青年組合員に会ったことがあります。職場で誰も有給休暇を取らないのに、自分だけが1年で全日消化していると話していました。組合員であることが武器になることもありますね。

それでは、悪魔企業との闘い方を紹介します。悪魔企業と闘う方法はいくつかあります。まず「個人で交渉する」これは勇気が要ることですし、凄腕の交渉人でない限り難しいです。会社にある相談窓口、人事、社労士等に相談しても、貴方の事が会社に筒抜けになり、余計に立場が悪くなる可能性があります。あらかじめ専門家に相談してから交渉するのがいいと思います。戦略を練ってから個人交渉しましょう。

次は「行政を使って交渉する」という方法ですが、労働基準局やハローワークなどから悪魔企業に指導や検査が入り、会社の態度が良くなる可能性が少しはありますが、証拠を提出するなど、申告する時のテクニックが必要ですので、この場合も専門家に相談してからの方が合理的です。よく窓口で「相談ですか?」と水際作戦で追い返されると言う人の話を聞きますので、余程押しが強く、知識がないと一人では苦しいでしょう。ちなみにサービス残業等は行政の指導が入れば払う可能性は大きいですが、悪魔企業が行政の指導を一度や二度、受けたくらいで、天使企業に早変わりすることはまずありませんね。他には裁判に訴えると言うのもありますが、時間とかなりの費用が掛かることを覚悟してください。弁護士を選ぶのも慎重にしないといけません。
最後は「労働組合に加入して交渉する」です。労働組合は法律で守られていますし、会社は交渉を拒否することが出来ない。しかし、会社の中にある労働組合は、悪魔企業の味方になるところも多いので、要注意です。労働組合員という事で社内で目立つ存在になる場合もありますが、交渉だけでなく、記録・録音、交渉、黙秘など、いろんな手段のアイディアを提供し、悪魔会社との闘いをサポートしてくれます。たとえ貴方が社内でたった一人の組合員でも、会社から一歩出れば、貴方には沢山の仲間がいます。

労働者的戦略思考のすすめ
「戦略的思考て何?」「戦略なんて怖いよ~」と思う方もいるかもしれないですが、貴方が会社で辛い・辞めたいと思う時は、悪魔企業が貴方に攻撃を仕掛けているのです。その悪魔の攻撃に幾ら耐え続けても、昇進、年功賃金、終身雇用が補償されるわけではありません。どんなに悪魔企業に尽くしても報われないのであれば、攻撃に対する戦略を立てるしかありません。追い詰めれて無理やり退職届を書かされたり、鬱になって長い休業の末に自主退職せられたり、命を奪われたりする前に、前向きな思考と言動・行動を身に着ける事が必要です。

戦略思考はまず、絶対に①「自分が悪いと思わない」事。悪魔企業は貴方を心理作戦で「自分の責任かな?」「私さえ我慢すればいいのかな?」と思わせて追い詰めてきます。その時は「これは会社の罠だ!私は悪くない!」と冷静になってください。労働者が悪いわけがありません。「成績が悪い」「仕事が遅い」「空気が読めない」等言われたときには「会社の指導が悪いからやー!」と思い直してください。悪魔の囁きにくれぐれも騙さないように。貴方は悪くないのですからね。

次に②「会社のいう事を信じない」事。悪魔企業は平気でウソをつきます。例えば会社で怪我をしても「自分で転んだから、労災じゃないよ」とか、残業代を求めても「貴方が仕事が遅いから、払わない」時給が上がらない時は「会社も大変なんです」と見え透いた嘘をつきます。そういう時には「自分では分からないから、分かる人に相談してきます」と言ってください。その時の日時や場所、会話の内容のメモを取りましょう。出来れば録音することをお勧めします。組合や行政、弁護士と話合ってから、返事しましょう。間違えても謝ったり、「そうですね、転んだのは私だし」なんて言っては絶対にダメですよ!

最後に③「労働法・労働の専門家を活用する」事。法律や専門知識がないと悪魔企業と対峙する事はとても難しいです。インターネットや本などで調べることが出来ますが、やはり専門家の知識・経験・的確なアドバイスが必要です。その時に注目するのが「労働者の立場になってくれる」専門家であることや貴方と共に「闘う」専門家でなければ、のらりくらりと手数料を取り続ける弁護士や、中立等と言いながら悪魔企業の肩を持つ悪魔労働組合もいないとは言えません。特に社内組合、産業医、会社の社労士等は要注意です。

悪魔企業を撲滅させる為に貴方に出来る事
悪魔企業から自分を守る為には、悪魔企業を社会から日本から無くすのが一番です。でも何からできるの?と思うでしょう。そうですね、まずは自分の問題を理解してくれる団体・個人と繋がりを持つことです。例えば、会社の中で仲間を増やす、近所の人にチラシを渡す、労働組合に加入する、市民団体の抗議活動や街宣・デモに参加して、自分の問題を知ってもらう、労働問題に積極的な党の議員に協力を頼む等、色んなことがあります。NPOやボランティア団体の中にも、労働問題や貧困、虐め問題の為に活動している団体がいます。

1人から2人と賛同者や協力者を増やしましょう。皆のパワーが集まれば、悪魔企業から身を守れます。悪魔企業から自分を守って社会を変えよう、貴方にはその力があります。              

労働者の力を信じて💪

参考書籍
「おとめ六法」 上谷さくら・岸本学 KADAKAWA
「ブラック企業」「ブラック企業2」 今野晴喜 文春新書
「自殺の9割は他殺である」 上野正彦 カンゼン社

大西 ゆみ🌻プロフィル
大阪生まれ。英国在住32年、テムズバレー大学看護科卒業。薬物中毒グループ・カウンセラー、看護師、心理カウンセラー。16年に帰国後は市民運動・労働運動に参加。連帯ユニオン・関西ゼネラル支部 職業差別と資本主義に抗う労働組合員。     Twitter:@union_JusoHsp🐦


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