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セクハラ相談をされたときの対処の難しさ

 こんにちは、セクハラの本を読んでます。「部長、その恋愛はセクハラです!」です。今回は当事者間の話ではなく、当事者から相談されたときの対処の難しさについて話します。


かなり難解なパズル

 実際に相談されたことはありませんが、本書に事例が紹介されており、非常に解決するのが難しいと感じました。それだから、もつれに縺れて裁判沙汰になるのでしょう。

 まず大前提として、解き方に正解はない、ということです。

 何故か? それは相手が人間だからです。
「部長、Bさんにセクハラされました」と言われたとしましょう。もちろんこんなシンプルな相談のされ方はありませんが、その際、どう対応するでしょう?

 1.人事に相談窓口があるよ、と促す?

 2.Bさんを譴責する?

 3.その女性を異動させる?

 その他にも対処の方法はあるでしょうが、実際問題、テンプレートにハメるように対処することはできません。なぜなら、その女性の性格や、要望・希望によって、対処の仕方は違ってくるのです・・・。あー、難しいパズルだ・・・。

 どういうことかといえば、対象の女性の状況によって、単にぐちとして発散しているだけか、Bさんを異動させたいのか、Bさんに注意してほしいのか、退職したいのか、などなど希望が違うからです。
 女性の希望も聞かずに、先走ってBさんを譴責し、怒ったBさんが女性に報復してしまうなどの2次被害も出かねません。とにかく先走りは良くないと肝に銘じましょう
 そして、人事に相談しなさい、というのも相談してきた女性を無視して、無関心を装うようなものです。ここが難しいところですね。実際、対処は人事部の方で行うことになるでしょう。そのため、人事部に促すのは対処としては間違っていません。いずれは人事に受け渡しが必要です。ただし・・・、そのタイミングは、女性との相談が必要なのです(知らなかった!)。

 女性が、相談をしに来たということは、結構なメンタル的な負担があります。そのメンタルの中で、少なくとも「この人になら相談できる」「この人なら解決できる」と思って相談しに来ているわけですから、まずはヒアリングをしなければならないでしょう。相談を受けた人物は、落ち着きが肝心ですw

初手、ヒアリング

 将棋、囲碁などで、初手をどこに置くかで戦略が変わりますが(戦略が狭まるとも言えますが)、問題解決においては、戦略を決めるための事前準備「ヒアリング」が初手となります

 セクハラ相談をされたなら、人事に引き渡すよりも前に、セクハラをした人物を譴責する前に、まず被害者の話を聞く必要があります。警察官のように、公平な気持ちで・・・? 被害の内容は、言える範囲で説明してもらいましょう。説明し難ければ、人事が介入した時点で、そちらに話してもらえば良いと思います。それよりも重要なのが、「女性が今後どうしたいのか?」です。
 このまま働きたいのか? Bさんを異動させたいのか? そういう行いをさせない規律を作って欲しいのか? 本人が異動したいのか? 相談された人から人事に相談しに行っていいのか? それとも、本人が人事に相談しに行くか? 今後の展開について、できる限り丁寧に説明し、それらについての希望を聞きましょう。そして、本人の進むスピードに合わせて、対処していくのです。

 早すぎてもいけませんし、おそすぎてもいけません。難しいですね・・・。


現代のマネジメントスキル

 しかし、これが現代のマネジメントに求められるスキルなのです。女性の社会進出は止めようがありません。男だけの職場だったところも(例えば自衛隊とか)、女性が進出し活躍をしていきます。その時、能力が高ければ、性別を問わず起用して活用していくことになるでしょう(利益を考えれば当然の帰結)。つまり、働き手の市場に男女がそれぞれいる場合、有能な人をピックアップできるかが、市場で勝つ道理になります。男女問わず、有能であれば働いてもらう。しかし、職場環境が女性軽視を許すなら、有能な女性は絶対に来ることはないでしょう。それだけで選択できる割合が狭まってしまいます。

 女性マネジメント層を増やすことなどと合わせて、軽視を許さないということも考えていかなければなりませんし、トラブルが起こった際に対応できるスキルの獲得など考えていかないといけません。

 昔は必要なかったスキルが、現代では必須になったということでしょう。

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