愚直

生きた証、失敗した経験、得た知見を後の世へ。

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最近の記事

しばらく休止します

タイトルの通りしばらく休止します。自分を見つめ直した上でまた戻ってこうと思います(約束は出来ませんが)。これまでご拝読いただきありがとうございました。

    • 自己の範囲とは?

      今なら自己の範囲が理解できそうなので忘れないうちに書き留めておきたい。 そもそも自己とは何なのか?という話だが、最近気付いたのは、もしかすると自己とは全て空想の産物に過ぎないのではないか?ということ。自分が自分と認識している対象は初めから存在などせず(表現が正しいかは分からない)、全部脳が作り出した幻想に過ぎない。 それを私たちは自分と思い込みながら生きている。 では、本当の私はどこに存在するのか?実はそれは脳を含めた存在全て(どこまで広げるかは自由)を指しているのでは

      • 精神世界の魅惑について

        精神世界は面白い。 そもそも自分が精神世界に興味を持ったのはとある体験をしたから。 その体験とはワンネスと呼ばれるもの。ワンネスとは簡単に言ってしまえば「全ては一つである」という感覚のことを指す。あくまでも感覚的な話なので(言語の領域を超えている)、どういったものかを他人に説明するのは難しい。しかし「大きな存在に包まれているかのような心地良い感覚だった」とだけは予め言っておきたい。 ワンネスは主にスピリチャル界隈で使われる用語だが、仏教や量子力学でも似たような概念が存在

        • 『論理哲学論考』を読んで

          ウィトゲンシュタインの『論理哲学論考』を読んだので、さっそく感想を書いていきたい。 本書の中で最も印象的だったのはやはり、「およそ語られうることは明晰に語られうる。そして語られえぬものに関しては沈黙しなければいけない」という台詞。 この台詞がかっこよすぎて正直それ以外あまり覚えていない。というより、正確には何が書かれているのか半分以上理解できなかった。やはりIQ190の天才の考えていることは常人には到底理解できないみたいだ(IQが違いすぎると会話が成立しないというのはどう

        しばらく休止します

          おすすめの1冊

          今回は私が「これは読んで良かった」と思う本を紹介したい(第二回目)。 何冊も紹介するのは単純にめんどくさいし、肝心のおすすめ感も出ないため却下。これだけは!という本のみを紹介する。 気が向いたらまたやるかもしれないけど、今回はあくまでも1冊に限定させて頂きたい。 おすすめの1冊|『生物から見た世界』 今回紹介するのは『生物から見た世界』。 本書は生物の見ている世界を科学的な見地から覗き込もうと試みた一冊である。 この本の特筆すべき点はやはり「環世界」だろう。 全

          おすすめの1冊

          群衆とは何か?|『群衆-モンスターの誕生』

          「群衆とは何か?」と長らく疑問だったのが今村仁司・著『群衆-モンスターの誕生』を読んでだいぶ理解が深まった。 忘れないうちに此処に書き留めておきたい。 本書の内容近代の哲学者たちの考察をもとに、群衆の特徴を解き明かそうと試みたのが本書である。群衆に対する知見が網羅的にまとめられており、初心者でも比較的親しみやすい内容になっている。 この本を手始めに読んでみて、さらに知識を掘り下げたいならル・ボンやオルテガに挑戦するのが丁度良い塩梅だと思う。 群衆とは何か?本書の内容を

          群衆とは何か?|『群衆-モンスターの誕生』

          思考は“トロイの木馬”に似ている

          思考とはまるでトロイの木馬のようだな、と常々思う。 トロイの木馬とは元々はギリシャ神話に登場する敵を欺く為の装置を指すが、そこから転じて、近年ではコンピュータを破壊するウイルスのことをそう呼んだりする。 この「あたかも有用なように見せかけて内部に侵入し、組織を破壊する」という性質がまさに思考そのものだなと感じる。違いがあるとすれば有用なようではなく、実際に有用であるという点ぐらいか。 パスカルは「人間は考える葦である」と言い残したが、まさに人類の強みは思考にあると言える

          思考は“トロイの木馬”に似ている

          哲学の愉しさについて

          「難解で面白みに欠ける」と評判の哲学の愉しさについて語ってみようと思う。 先に結論から申し上げると、哲学の愉しさはなんと言っても答えがないという点に尽きる。答えがない、まさにそこがミソである。 まずそもそもの前提として、哲学は答えのない問題を解明しようとする学問と定義できる。すでに答えが存在しているならば、哲学の存在価値なんて全くない。だから宗教家にとって哲学は無価値だ。 またもし仮に答えらしきものが見つかっても、他の哲学者によって否定されたり、新しい解釈を付け加えられ

          哲学の愉しさについて

          サンクコストという名の呪縛

          人間の心理を紐解く上でサンクコストという概念は無視できない。 サンクコスト(もしくは埋没費用)とは、過去に投資したものの既に回収出来なくなった費用のことを指す。 興味深いのはそれまでに掛けたサンクコストによって、現在ないし未来の意思決定が左右されてしまうということ。簡単に言えば「もったいない」という心理が働いて正常な判断が出来なくなってしまう。 サンクコストの影響は社会の至る所で見受けられる。 投資家の場合であれば、明らかに下降トレンドである銘柄に対し「この株は長期間

          サンクコストという名の呪縛

          組織が“ヒト”である理由

          民間企業に属していて思うのは、これだけ図体のデカい組織も結局は人によって成り立っているんだなってこと。おそらくそこに大小の違いはない。 組織に所属するメンバーの意思や思惑によって、その瞬間における組織(という全体)は形造られている。 どこかの誰かが「経営はアートだ」なんて名言を残していたけれど、多分そういう文脈で言ったのだろう。経営者がアーティストなら、従業員は素材。いかにもサイコパス的な発想である…苦笑 いくらデジタル・トランスフォーメーションが進もうとも、「組織はヒ

          組織が“ヒト”である理由

          不登校児はもっと増えた方がいい

          どうやら不登校児童の数が増えているらしい。 確かに統計を見てみると、平成30年あたりから急激に不登校児童生徒数が伸びていることが分かる。そして令和4年度には過去最多の30万人弱にまで一気に増えている。 全国の小中学生の人口は大体900万人なので、全体の約3%は不登校児ということになりそうだ。 これを多いと見るか、少ないと見るか。 私はまだまだ少ないと見ている。というより今後もっと増えていくだろうなと予想している。 なぜなら学校という教育機関が明らかに時代錯誤だからだ

          不登校児はもっと増えた方がいい

          いつまでも「失われた30年」に縋っている場合ではない

          日本人の多くは未だに「失われた30年を取り戻せ」なんて懐古主義に囚われている。 しかし、日本は明らかに衰退国家である。 今この瞬間しか認識できない人たちには、「は?衰退とか何言ってんの?」と訳が分からないと思うが、全体を俯瞰する力があり、歴史に対する教養を身に付けている人間であれば、ちょっと考えたら理解できる。 日本は明らかに衰退期の真っ只中にある、と。 少子高齢化や経済成長の停滞を初めとする諸々の社会問題は、日本が衰退していることの何よりの証拠であり、解決する糸口は

          いつまでも「失われた30年」に縋っている場合ではない

          おすすめの1冊

          今回は私が「これは読んで良かった」と思う本を紹介したい。 何冊も紹介するのは単純にめんどくさいし、肝心のおすすめ感も出ないため却下。これだけは!という本のみを紹介する。 気が向いたらまたやるかもしれないけど、今回はあくまでも1冊に限定させて頂きたい。 おすすめの1冊|『孫子』今回紹介するのは『孫子』だ。 孫子は戦略について記された兵法書で、言わずと知れた名著。 戦略に関する実践的な理論が計十三篇に渡って収録されており、それが次の通りである。 計篇:まず初めに、戦争

          おすすめの1冊

          遠回りこそが人生

          近年、コスパやタイパ、ミニマリズムなどが流行っている。これらの価値観は要は「出来るだけ楽をして生きたい」という意思の表れなんだと思う。 頑張った分だけ報われる時代はちょうど1億年前に終了しているので、「頑張っても無駄」という認識及び努力に対する燃費の悪さみたいな感覚は、おそらくゆとり世代以降の人間が共通して持っているのではないだろうか。 ゆえにそれらの価値観が一概に悪いとは言い切れないし、その気持ちも理解できなくはない。かくいう私もそこそこな効率人間である為、一時は過剰に

          遠回りこそが人生

          「個」の重要性について

          人が生きていく上で必ず起点となるもの。それが「個」。故にその内情を知っておくことは、人生における最重要事項と言える。 なぜなら、自分を知らなければ満足に人生を送ることもままならないから。 これから空へ飛び立とうとするパイロットが自身が操縦する航空機の仕組みも知らないで、無事に目的地へ辿り着けるだろうか。 不可能。途中で操縦不能になって墜落するのがオチだろう。 「個」を知るとはこれと全く一緒である。 さて、そんな大事な「個」とは具体的に何を指すのか。 「個」を構成す

          「個」の重要性について

          「具体」↔︎「抽象」のレイヤー

          「もっと抽象的に考えろ」 「もう少し具体的に説明してほしい」 こういった会話はよく見かける。 特に上司や部下の関係においてやり取りされやすいかもしれない。 しかし、いくら「抽象的に考えろ」と言われても、その指示自体が抽象的であるため、具体的にどうしたらいいのか分かりにくい。 そこで、少しでも皆様のご理解を促進したいと思い、具体と抽象の間にあるレイヤーについて説明していく。 これを理解しておくことで、両者間を行き来するのが幾分か楽になるはずだ。 そのレイヤーとは下の

          「具体」↔︎「抽象」のレイヤー