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小さいイケメン

久しぶりの読み聞かせは5年1組さん
黒板側の入口から覗くと、先生はおらず、黒板には『書取り50問』の文字が・・・・

さて、どうする?

「今日は読み聞かせですか?」と、入り口付近の生徒が尋ねる
「先生忘れてるのかな」と、それも仕方のないことで、その日は急遽変更になったこともあり、もしかしたら伝わっていなかったのかもしれなかった

すると、教室の奥から男子生徒が寄ってきて「今日の朝自習は書き取りって書いてあるんですが」と、出て来た

確かにそう書いてある
「どうしよう…やめとく?」と、わたし。ここで遠慮するのも変な話なのだが・・・・

教室に入らずにいると「いや、読んじゃってください」と、先ほどの男子生徒。さくさくと教卓をずらして、椅子を出してくれ「僕、きょう日直なんで、大丈夫です」と、黒板の前に進むよう促してくれた

なんてイケメン!
なんてスマートなエスコート!

「先生まだ来てませんけど、大丈夫です」といって、みんなに姿勢を正すよう指示。5年生とはいえ、こんなにハキハキとした子いるのね!?

「では・・・・」と、黒板の前に行き、お話を始める

その日の本は、落語の『ときそば』を用意していた。『ときそば』には、時計時間のからくりがあり、その時間の読み方が解らないと話全体が解らない。というわけで、わたしはいつも使用している自作の時計を描いた用紙を黒板に設置しようとキョロキョロ・・・・

すると先ほどのイケメン男子生徒が「なにさがしてますか?」と、また立ち上がる。わたしは「マグネット」のひとことが出てこず、更にキョロキョロしていると「これですか」と、彼が差し出してくれた

重ね重ねのイケメンっぷり!
なに、この子、色男過ぎる!

でもって、わたしは黒板に張り付け、現在の時計の現状と、江戸時代の時間の知らせ方うんぬんを軽く説明して、お話を始めた

途中、先生が戻ってきて、邪魔にならないようにとの心遣いから、後ろの扉から教室に入ってきてくださいまして・・・・

話し終わると、やっぱり「くすっ」と笑ったのは先生だけ。これ、毎回そうなのですが、落語の絵本を読んだ時は必ずといっていいほど先生のウケがいい笑
「やっぱりか…」と思うけど、先生が「解ってないよな~。じゃぁあとから先生と話してみよう」といってくださり、その日の読み聞かせは終了

帰り際「すみません。遅くなりまして…」と先生が恐縮なさっていたので、わたしは「いえいえ、彼に仕切っていただいたので助かりました」と、先ほどのイケメン男子生徒をさしますと、イケメン君、ちょっと照れくさそうに微笑んだ

きゃー(≧∇≦)なにそのかわいい反応!

もうわたしは終始やられっぱなしで・・・・

とても気持ちのいい朝を迎えたヾ(≧▽≦)ノという、お話でした


実は前回、読み聞かせに行ったクラスは最高学年の6年2組さん。でも、ちょっとシリアスな本を選んで臨んだその日は、まったくの無反応で、自信をなくしていたわたし(/ω\)
それで、あぁやっぱりわたしは「むかしばなし」か「落語」じゃないと「ウケないのかな~」と反省し、今回の読み聞かせに挑んだのでした

別にウケる必要はないのですが、わたしだけでなく、どんな本を読んでも必ず、何かしらの反応があるのが通常だったので、ちょっと落ち込んだ後の読み聞かせは、若干こちらもテンパっており、そんな中この神対応!
生徒のエスコートに始まり、先生のフォローまで、最後まで素晴らしかったので、その日一日、わたしはほくほくと過ごせたのです

この感動をお伝えしたかった
この日が今学期最後の読み聞かせだったので、また新年度もがんばろ~という気持ちにさせてくれた一コマでした

最後までお付き合いくださり、ありがとうございました



いつもお読みいただきありがとうございます とにかく今は、やり遂げることを目標にしています ご意見、ご感想などいただけましたら幸いです