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おとっつぁんは方言?

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訛りを文字にしようとすると、実は文字の足りなさに悩む。わたしでさえそうなのだから、もっと上の方東北の言葉は表現が難しいんだろうなぁと思う

先日母親と長い時間を過ごす機会があって、懐かしい子どもの頃の話に花を咲かせました

幼少のころは母の実家に行くことが多く、母の出身は「村」と呼ばれる土地でしたのでなかなかに方言クセも強く、とっぷりと訛りの中で過ごしておりました
女性も自分のことを「おれ」という土地柄では「あなた」さえ丁寧語になる。土地のものが相手を呼ぶ時は「おめ」「にしゃ」という。いずれも「おまえ」「あなた」という意味で、わたしが大人になってから気になった「あんた」は子どもが使う言葉だったかもしれない


母の親たちの世代は、明治、大正生まれの方々もおり、戦争経験者もいたかもしれません。そんななか年下のおじさんがいたり、跡取りなのに外に出ざるを得なかったりするひとたちもいて、その呼びかたもいろいろ。わたしの母方の祖父は10人弱兄弟姉妹がいたので、一番下の叔父や叔母は、10歳もちがわなかったらしい
子どもの頃はそんな母の親戚すじを覚えるのが大変だった

母たちの会話でよく出てくるのはそんな目上の親戚を呼ぶ「~おんつぁ」「~あんにゃ」「~あねさ」「~よめさ」という言葉
おんつぁに関しては、想像できる通り「おじさん」という意味でしょう。みなさん、正しく「おじさん」と呼ぶひとはひとりもいませんでしたので、わたしたち子どもも当然そのまま呼びます
事実上の「叔父・伯父」を呼称する場合は「おんつぁ」です。たろんつぁ(太郎おじさん)、じろんつぁ(次郎おじさん)などがそうですが、歳の近いおじさんやお姉さんの旦那さまなどを呼ぶときは「あんにゃ・あんちゃん」などです。まぁこれは通常ですかね?

問題は女性の呼称です。おばさんたちを呼ぶ場合はだいたい「~おば」「~ば」と呼びます。なんだか「おば・ば」というと「婆」を想像してしまって、わたし的には年齢を感じたりしてしまいますが、絶対に「ばぁ」と発音はしません。あくまでも短く「ば」なんですね。これはおばあさんに対してもこのままなので面白いです
自分から見て祖父母以上の場合は「じさま」「ばさま」と、昔ばなし読みになりますが、それは第三者的に使われる言葉で、直接呼ぶことはほとんどなかったように思います

実の姉に対しては、名前の下にただ「あね」がつきます。ひさこあね(久子お姉さん)、まつこあね(松子姉さん)などです。昔は兄弟姉妹が多かったからでしょうけれど、名前の下に「あね」です。トメさんとか、イネさんとかになると「トメあね」「イネあね」と、舌を噛みそうです
自分より年上のいとこや、義理の姉・お嫁さんを指して呼ぶときはだいたい名前+あねの後ろに「さ」がつきます。これは「さん」のつもりなのかなと解釈しています。はるこあねさ(春子お姉さん)、はなこあねさ(花子お姉さん)って感じで、年下でも自分より目上の親族は未婚だろうと既婚だろうと「あねさ」となり、どこどこのお嫁さんと表現する場合は、ナントカさんどこのよめさとか、たつおんつぁのよめさ(辰おじさんのお嫁さん)となるようです
さすがにわたしたちは「あねさ」「よめさ」とは言いませんでしたが、おんつぁに関してはいまだ健在です

小学生のころ「冬休みの思い出」とかその他の行事で身内のことで作文を書く際、親戚のことを表現するのに苦労したことを思い出します。母親に「おんつぁ」ってどう書くの? どういう漢字? なんて聞いたこともありますが、そんな字ありゃしません。そして当然、発表の場では笑われました。しばらく「おんつぁ」があだ名になりかねないくらいにはからかわれました
わたしには通常用語でも、友人やクラスメイトに自分の叔父や叔母を「おんつぁ」「あね」と呼ぶひとなどだれひとりとしていなかった。漢字や言葉に悩む前に、そこをいちばん教えて欲しかった

視野が狭いなんて言葉、子どもの頃は解らないし、自分の生きている生活環境がすべてで、敬語もへったくれもない子どもの世界に、標準語や常用漢字なんてものは学校でしか使わないものだと思っていた自分のお話です
その頃の広い世界と言えば、テレビの中でしょうか? それでも時代劇の中で「おとっつぁん」と訴えられても、だれも自分の父親を「おとっつぁん」なんて呼ばないことに不思議を感じなかった自分をもっと追及すべきだったのかもね笑


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