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腕立て伏せ 「手幅が広いと胸に効く」?そんなわけありません!

はじめに

今日は僕がよくnoteに書く「もうそんなこと言ってる人なんていないよね?」シリーズ最新作です??

「スクワットで膝はつま先よりも前に出さない」とか
「プランクの時の手の形」とか
「筋肉つけると基礎代謝が上がって痩せやすい」とか

今までもいろいろ書きましたが。

今回はプッシュアップ(腕立て伏せ)に関して書きます。

ぜひ最後までお読みください!


プッシュアップについて「腕を広げるほど胸筋の外側に効く」と言われることがありますが、実際の解剖学的な観点と最新のリサーチは、この一般的な「古い都市伝説信仰」には再考の余地があることが示しています。

このまま古いやり方を続けると、間違った情報によって有効なはずのエクササイズが効果がないだけでなく危険なものになってしまう可能性もあります。

以下では、解剖学に基づいた最適なプッシュアップの方法を論理的かつ段階的に説明します。

ステップ1: プッシュアップの目的を理解する

プッシュアップは、大胸筋(胸筋)、三角筋(肩の筋肉)、上腕三頭筋(腕の後ろの筋肉)など、上半身の複数の筋群を鍛える「押す」という動作そのものを強化するために行います。
さらに後述の通り「ムービングプランク=動きながら行うプランク」として「押す動作」に必要な全身の安定性の強化のエクササイズでもあります。

この目的を踏まえた上で方法について考察する必要があります。

ステップ2: 解剖学的な視点からの手の位置

最新のさまざまなリサーチによって、プッシュアップでは以下に示すような手の位置と肩の角度が安全で効果的であることがわかっています。

手の位置は肩の幅くらいが理想的です。
肩関節の外転角度を約45度に保つことで、肩関節に負担をかけることなく、大胸筋に適度な張力がかかり、同時に三角筋と上腕三頭筋も効率よく働きます。
肩の外転角度については、もちろん多少の個体差があるので、実際に試してみて45度を中心に30度から60度の範囲で調整することが可能です。

ステップ3: 手の位置に関する誤解を解く

広い手の位置が胸筋により効くという主張に対して、実際には過度に広げた手の位置は肩関節に不必要なストレスをかけることがあります。
また、これによる上腕二頭筋起始部を含む肩周辺過剰なストレッチは、筋肉の活動範囲を逸脱し、筋損傷のリスクを高める可能性があります。

この過剰なストレッチの感覚が「胸の外側に強い刺激が!」といった間違った捉え方の要因になっているようです。

さらに言及すると手幅を広げた場合、床と胸の距離は短くなるので運動量そのものは減少します。

つまり筋肉にかかる負荷は少なくなり、関節への負担だけが大きくなるのです。

ステップ4: 効果的なプッシュアップのフォーム

最も効果的で安全なプッシュアップを行うためには、以下の点に注意しましょう。

・肩幅程度に手を置く。
・肘は体に対して約45度の角度で曲がるようにする。
・体は頭からかかとまで一直線を保つ。
・下降時(伸長性収縮時)には十分な動作のコントロールを意識する。
・上昇時(短縮性収縮時)にも腹部も含めた全身の筋肉を統合させることで姿勢を保ちながら腕を伸ばす

さらにプッシュアップを動きながら行うプランク=ムービングプランクと捉えれば、非常に効果的な全身の安定性のトレーニングだと言えるのです。

ムービングプランクとしてのプッシュアップ


外部標識が一直線に保たれたハンドプランクポジション

プッシュアップは、単なる「胸を鍛えるエクササイズ」「ベンチプレスの代わりとして器具がない時に行うもの」ではありません。
プッシュアップは総合的な体幹トレーニングであり、プランクの動的なバージョンとして理解することで、その真の価値を最大限に引き出すことができます。
では、なぜプッシュアップを「ムービングプランク」と見なし、どのようにして体幹を強化するのでしょうか。

ここでは、そのメカニズムと正しいフォームを習得するためのステップを詳しくご紹介します。

ムービングプランクとしてのプッシュアップ

プランクは、体幹の安定性と力を養う素晴らしいトレーニングですが、プッシュアップは全身の安定性を保つことを意識することで、さらに多くの筋群を活動させ、押す動作で使う筋群だけでなく全身の安定性を同時に高めることができます。

正しいフォームの重要性

プッシュアップを行う際には、外部標識としての耳たぶ、肩峰、大転子(お尻の出っ張り)、膝関節の側部、くるぶしを一直線に保つことが重要です。
これにより、体幹が適切にアクティベートされ、効果的なトレーニングが可能になります。

ステップバイステップ: ムービングプランクとしてのプッシュアップの実践

1. スタートポジション

地面に手とつま先をつけてプランクポジションを取ります。
手は肩幅より少し広めに置きます。
また足幅も肩幅くらいに開き、足を揃えて内転筋を締めることでバランスを保つのではなく、立った時に外方向に踏ん張るように拇指球・小指球で床を捉えます。

2.アラインメントのチェック

耳たぶ、肩峰、大転子、膝関節の側部、くるぶしを一直線になるように意識します。

3.体幹のアクティベーション

下降する際も、上体を押し上げる際も、体幹がしっかりとアクティベートされていることを確認します。
この際には単に腹筋を緊張させるだけでなく、大臀筋・ハムストリング、大腿四頭筋といった下半身の筋群を同時に活性化します。

まとめ

今回はプッシュアップに関する2つのトピックをお届けしました。
非常にシンプルだからこそ誰でも取り入れることができ、そしてさまざまな効果をもたらすのが「プッシュアップ」です。
僕も大好きなエクササイズなので、今後も「初心者向け」「上級者向け」などさまざまな方法についてこのnoteでも取り上げたいと思います。

興味のある方はぜひフォローしてお待ちください。

今回も最後までお読みいただき、ありがとうございました!


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