虚しさと戦う

世界のどこに行っても虚しい。そう感じたことはないだろうか。

まともに働いていてもどこか虚しさを感じたり、恋人と楽しい平和な日々を過ごしても、お金を貯めていい食事をしても。

何も不便はないはずなのに、もっと上を見てしまう。もしくは、より豊かだった過去と比べてしまう。

世の中知識が多い方がいいが、知らなくて良かったと思うことだってある。
何も知らずに、責任もなく、未来への不安もない子どもが羨ましく見えても、彼らもきっと自分のように虚しくなる日が来るのかと思うと、それは決して羨ましいとは言えないのではないか。

人生で僕たちは、満足と虚しさを繰り返し感じる。
初めて給料をもらった時、友達の輪に入れなかった時、仲の良かった友達と疎遠になった時、恋人と体を重ねた時、結婚した時、自分よりもお金持ちな人を見た時、高級品で着飾った若者を見た時、一人暮らしから実家暮らしになった時、働かない時。

暇な時ほど不安に襲われる。忙殺の日々の中でも、自分が向かう道が合っているのか怖くなる時もある。

人生がもし、流星群から逸れた彗星のようなものだとして、とお前は言ったんだ。
俺たちはもうどこから来たのかもわからないくらい遠くに来てしまったのかもしれないな。
そして、どこへ行くのかもわからない、と俺は付け加えた。
真っ暗な宇宙の中で、どこかに進んでるってことだけが、はっきりとわかる。

燻った中の静かな豊かさが、虚しさを連れてくる。

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