メイヤスー;書き写し

「人間・AI・動物 ポストヒューマンの社会学」片桐雅隆著 丸善出版
p158  【注】
1 ただし、その論理を簡潔に紹介しておこう。メイヤスーは、絶対的なものにアクセスできると主張するあらゆる思考を思弁的と呼び、「理由律」を介して絶対的なものへとアクセスしようとする思考を「形而上学」と呼んでいる。そして、相関主義の見方が、〈もの〉自体への接近不可能性と理由律を前提とするのにたいして、思弁的リアリズムは、事実や出来事が「事実性(factualité)」や「偶然性」という特徴を持って存在すると考える。理由律とはあらゆる事物や出来事が理由(律)なしにあり、かつ、実際に何の理由もなく変化しうるという、あらゆる事物のリアルな特性として理解される。そして、偶然性とは、何でも起こりうるということと同時に何も起こらないかもしれないということを意味している。これらをふまえて、<もの>自体は、理由律を前提とせず、事実性や偶然性において把握される=<もの>自体に接近しうると考えられる(Meillassoux2006:ch.2.,3.)。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?