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今季初、富士山でのお仕事を終えて

今年は富士山が大人気ですね。
私も3回、富士山山行を予定しています。
第一回目を終えて、色々思うことがあったので書いてみます。

入山する前日は吉田の方で男性が1名、亡くなられたそうですが、私たちが入山した日も写真のような救助が行われていました。

3日の工程を終え、下山して五合目に居る時にも駐車場に救助隊が到着。
この日はこの1時間後にも事故があり、男性が1名亡くなったようです。


今年の富士山、危険な人が以前よりも多く、妙な光景を多々目にしました。
あまり安全ではない登山道脇や、ロープ外に座り込んで動けなくなっている人、寝ている人、死んでる?と思うような状態で倒れ込んでいる人...
数が多すぎて、だんだん驚かなくなってしまうほどです。

夜3時過ぎ、諸々準備のため先に起きて食事をとっていると、小屋に入って来る方が多数。
スタッフに「なんですか?」と聞かれ、お手洗いや食料の購入などをされるのですが、そのほとんどがそのまま小屋内で休もうとされます。
上がり框に腰かけて、立ち上がりそうな気配がないと「休憩はやっていないので」と注意され、しぶしぶ出て行かれると言った感じです。
それがほぼ切れ間なく続きます。
カップ麺を買うから中で食べさせてとお願いされている方も居ましたが、もちろん答えはNOです。
営業時間外ですからね。
外に出てみたら、小屋前にはたくさんの人が座り込んでいました。
これだけの方が小屋に入ったら、そうでなくとも満室の小屋が大変なことになってしまいます。

「弾丸登山」が流行りのようになっていますが...
あの光景を見ると、命がけで一体何をやっているのかと思います。
好天の日でコレなので、雨が降るともっと悲惨な状況になるでしょう。
明らかに雨具は入っていないだろう小さなバッグだけを持っている方や、飲み物だけを手に持って歩いている方もいましたから。

今回は富士宮ルートでしたが、人の多い吉田の方はどうだったんでしょう?
もっと大変なことになっていたのではないでしょうか。

これから富士山へ弾丸登山を予定されている方、どうぞ十分な準備をして臨んでください。
事故だけでなく、高山病や低体温症でも、人って簡単に死んでしまうのだと言うことを忘れないでください。
「動けなくなったら救助ヘリを呼んだら良い」って言う方もいらっしゃいますが、ヘリもそんなにいっぱいありませんし、状況によっては飛べないことも多々あります。
夜は特に、そんなにすぐに助けは来ないと思った方が良いでしょう。
また、救助方法にもよりますが、かなりの費用が必要になる場合もあります。

楽しい思い出になるように、しっかり準備をして登ってくださいね。


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