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社員の成長を最大限引き出す「EX(エンプロイーエクスペリエンス)」とは

(見出し画像の出典:Wikimedia Commons、作者:Dllu氏)

こんにちは!GUiDEE開発チームのモイです!最近、海外のHRテックの情報を見ていると、EXというキーワードがよく登場します。EXとはEmployee Experienceのこと。日本語でいうと「従業員体験」といったところでしょうか。

このEXの元になったのは、UXという言葉でしょう。Webサービスなどの消費者向けのサービスや製品の開発現場では、UXという言葉は当たり前のように使われるようになっています。UXはUser Experienceの略で、そのサービスや製品を使うときのユーザーの体験すべてを指します。

Webの世界ではUI / UXとセットで使われることも多い単語です。UI(ユーザーインターフェース)は画面の見やすさ、ボタンの押しやすさ、使い方の分かりやすさなどユーザーの操作する部分を指す言葉。一方、UXはWebサイトを知ってからアクションを完了するまで、ユーザーの体験すべてを指す概念です。

例えばショッピングサイトであれば、検索が簡単住所入力が分かりやすい、などはUIの範囲。一方、ずっと探していた商品が見つかった、届いた箱がおしゃれだった、手書きの手紙が入っていてうれしかったなど、ショッピング全体の体験を指すのがUXとなります。

入社から退社までの体験すべてがEX

これを当てはめてみると、従業員が入社してから退社するまでの体験すべてがEX、ということになります。採用プロセス、研修、仕事内容、人間関係、オフィス環境、福利厚生、評価など、従業員とのあらゆる接点を従業員の視点から捉え、向上していこうというのがEXの考え方。

EXが高い企業としてよく例に出されるのがAirbnbです。同社は企業のレビューサイトであるGlassdoor.comで「Best Place to Work」を受賞するなど、働きやすい会社として有名です。

Airbnbには人事部がなく、その代わりにEX専門の部署が置かれています。この部署では、採用や人事制度の構築といった従来の人事の仕事に加え、オフィスの設計、社内システムやツールなどのデジタル環境の構築なども担当します。オフィスが快適か、ツールが使いやすいか、なども「働きやすさ」にとっては重要な要素。そこまでまとめてEXチームが考えることで、従業員に一貫した体験を提供できるというわけです。

Airbnbといえば、同社が提供する世界中の素敵な部屋をモチーフにした、ホテルのようにおしゃれなオフィスが有名ですが、これにもEXという背景があるんですね。※トップ画像はAirbnbの本社ビル

海外では、EXの改善をうたったソリューションも登場しています。SAP傘下のQualtricsは、従業員サーベイツールからスタートしましたが、現在はオンボーディングや研修、評価なども含むサービスを提供しています。Staffbaseは、社内コミュニケーションやフィードバック/ サーベイなどができるアプリを提供していますが、こちらもEXプラットフォームとしてアピールしています。

著名な人事コンサルタントのJosh Bersinは、2019年に「EXプラットフォームという新しい市場が出現した」という内容のホワイトペーパーを出しており、EXはこれからのHRテックの大きなトレンドになりそうです。

僕たちは、EXという概念をどうやって従業員の成長に生かせるか、に注目しています。例えば、活躍している従業員の体験や経験を洗いだし、それをほかの従業員にも体験してもらうことでパフォーマンスを引き出す、といったことができるのではないでしょうか。

今後、少子化によってますます人材の確保は難しくなります。そんな中、社員の能力を最大限に引き出し、活躍する人材を育てるために、ますますEXという考え方が重視されるようになるのではないでしょうか。

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