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[書評]「ヤフーの1on1」は読み返すたびにヒントが見つかる

こんにちは!GUiDEE開発チームのモイです。今回は、国内1on1導入企業の代表格であるヤフーの人事責任者が書いた1on1本、「ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法」(本間浩輔著、ダイヤモンド社)について書きたいと思います。1on1本の定番ですから、すでにお読みの方も多いかもしれません。僕もGUiDEE開発チームに参加するにあたって真っ先に読んだ本の一冊です。

最近、1on1という言葉が一人歩きしていますが、その内実はまちまち。そこで、本書を読み直して改めて「何のためにやるのか」「どうやるのか」を振り返ってみたいと思います。

本書が出版されたのは2017年3月。著者の本間氏はヤフー株式会社上級執行役員コーポレート統括本部長として、2012年から1on1ミーティングの導入を主導してきた人物です。本書にはそんな本間氏が5年間、試行錯誤しながら実践してきた1on1のエッセンスが詰まっていて、何回読み返してもヒントが見つかるくらい濃い内容だと思います。

この本にも登場するヤフーの吉川祐介氏は、先日のOneHRのイベントで「ヤフーの1on1は、どんどん変わり続けている」という趣旨の発言をされていたので、この本に書かれていることは最新ではないかもしれません。でも1on1の基本がぎっしりと詰まっていて、1on1を知るには最適です。

本の構成をざっと紹介すると、第1章では、まずマンガで「悪い1on1」と「よい1on1」を紹介し、2つのケースを対比しながら実践する際の注意点を解説していきます。ここを読むだけでも「話しを遮らない」「自分の考えを先に言わない」「行動で終わる」など、慣れてくるとつい忘れがちなポイントをおさらいできます。

そしてその後「なぜヤフーは1on1をやるのか」「どういう効果があるのか」「具体的に何をすればいいのか」「どうやって社内に導入していったのか」といった内容を、実例を交えながら具体的に紹介していきます。

1on1は部下が「自分と向き合う時間」

今回本書を読み直してみて、1on1の目的について改めて考えました。本書ではヤフーが1on1に取り組む理由として、
・経験学習を促進させる
・才能と情熱を解き放つ

の2つを挙げています。

前者は、部下が自ら仕事の経験を振り返り、そこから自分で学びを得ること。そして後者は、部下が長期的に何をしたいのか、どうなりたいのかを見つけること。どちらも、部下がじっくり腰を落ち着けて自分のことを振り返る作業ですが、毎日目の前の仕事に追われていると、なかなかそんな時間も余裕もありません。

そんなとき、上司が1on1という形で時間を取ることで、部下は否応なしに「自分と向き合う時間」を与えられます。忙しい日常の中で、一歩立ち止まり、引いた視点から考える機会を得られることが、1on1の大きなメリットだな、と思いました。

そう捉えると「1on1は頻度が大事」というのも納得がいきます。本書にはこんな記述が出てきます。

「半年に1回飲み会をするよりも3カ月に一回ランチを食べる方がいいし、3カ月に1回ランチを食べるよりも毎月1回1時間話した方がいい。毎月1回1時間話すよりも毎週15分づつ話した方がいい。コミュニケーションは頻度が大事です」(P.130のコラムより)

月1回1時間じっくり話すより、毎週15分話した方がいいのはなぜか。それは、頻繁に立ち止まって、冷静に自分について向き合うことで、自分がやっている仕事の意味や長期的な目標を常に意識しながら働くことができるからではないでしょうか。

このように、僕にとっては読むたびに新たな視点を与えてくれる本である「ヤフーの1on1」。未読の方はもちろん、すでに一度読んだという方にも、たまには再読してみることをおすすめいたします。

僕はこの本をKindle版を買って、スマホやタブレットに入れて持ち歩いていますが、ひとつだけ難点があるんですよね。それは、冒頭にマンガがある影響からか、全ページテキストデータではなく画像で構成されていること。文章をハイライトしたり、検索することもできません。何よりスマホだと文字が小さすぎて、2本指で拡大しないと読めないのがつらい。まあ、それを差し引いてもおすすめの本です!

→ ヤフーの1on1 部下を成長させるコミュニケーションの技法(Amazon)

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