音楽ジャンルの好み

中学から音楽を聞き始め、数年ごとに好みが変わります。一つは、価値観の変化によるものでしょうか

鬱病になってから、聴くようになったのが

いきものがかり+凛として時雨→サカナクション

なんで?と、あまりにもジャンルが極端なのですが、この2年聴いてきました。なんでこのバンドだろう?と自分でも良く分からなかったので、コード進行を見たり、脳科学系の論文を調べて分かった内容が今日のお話ー

音と脳の関係

脳が感じる音と、安心/不安な感情に関しては幾つか論文が出されています。

https://ist.ksc.kwansei.ac.jp/~nagata/data/Aiba_2013_MPC-Vol18-Nos1-2-3-21.pdf

「和声進行による情動の知覚」という論文ですが、fMRIという装置で「磁力をかけた時に、脳内の磁性材料(血;ヘモグロビン→鉄、カルシウム化合物など)の濃度変化を調べる」ことができます。それを、"音楽を聞いた時にどう変化するか"を書いたのが上の論文になります。

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論文は記述用語/内容が難しすぎる(痛)ので、結論言うと「単一和音ではなく、和声の「進行」によって、人の感情が変化する」ということです。

和声進行について

古典音楽ではカデンツと言われるパターン(下図)があるのですが、「美しい音楽」とは古典音楽では「一度不安定な音になり、その後安定な音に戻ること」とざーっくりと定義していました(時代や、地域で定義が異なりますが)

wikipedia;和声より

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義務教育の音楽の授業で音階(ドレミファソラシド)を習った時、そんなこと知らんわ!って感じですが、そう定義されたもんだから仕方ないです。

物理/数学的な見方では「基準の音に対する周波数の比率が激しいほど不協」と言い換えられ、、、ピタゴラス音律を見ると少し感覚が見えるのですが、数字が苦手な人だと混乱するのでちょっとパス。

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例)C(ド)に対して、E(ミ)は1.2倍、G(ソ)が1.5倍の単純な周波数比の組合せが「和音」なり、一方でC(ド)に対してD(レ)は1.11111倍、F(ファ)だと1.3333倍、と周波数比が簡潔表記できない音の組合せが「不協和音」。

身近な例だと、学校のチャイムがありました!「キーン(ド)、コーン(ファ)、カーン(ソ)、コーン(ド)」がそれに相当します。「ド→ファは不協和音関係で、さらにファ→ソは超不協和音な関係なので不安と定義され、その不安な状態からドに戻ると安心感を得る」、と。。。

こんな感じで定義づけされた言語情報が、西洋古典音楽理論にたーくさんあり、和声進行の数だけ無数に作れる中で、クラシックから派生しつつ日本のポップスが作られてきた(尽くされた?)というのが、私のイメージです

いきものがかりと凛として時雨

なんでこの2バンドを一度に聴くようになったのか、ハマった曲のコード進行を見ました。結論からいうと、

①いきものがかりの曲:カデンツ進行の曲が多い

②凛として時雨の曲:緊張感の連続するコード進行の曲が多い

でした。特に「熱情のスペクトラム」と「nakano kill you」には、(私にとって)向精神薬の補助剤の効果があることがわかり、めっちゃ助けられました。

前者は、ラ(A)の音を基準に、カデンツコード進行します。(サビ前のコードがレ(D)→ミ(E)と緊張して、サビで安定する(ラ(A)))。で、後者はラ(A)に対して緊張する音、ミ(E)を基準にミ(E)→シ(B)な緊張するコード進行が全体的にちりばめられています。

そして、音楽しらない人からするとびっくりかもなんですが、人間の喋る言葉の音程はほぼ「ラ」(440Hz)になんですよね。ちょっと横道それます↓

えぇと、日本では音階を五十音で充てている→「いろはにほへと」です。イ長調/単調、、みたいに。基準の音は「い」=「ラ」なんですよ。そしてコード名についてもCとかFって、コレ英語じゃなくてドイツ語なんすよね。A(アー),B(ベー),C(ツェー)、と発音されますが、音の高さは「A」=「ラ」なんですよ。

ラって何語やねん→これ、イタリア語なんですが、なぜか音階(ドレミファソラシド)について、イタリア人の音の基準は「ド」であり、ドイツと日本は「ラ」を基準に音階設定していた・・・というややこしい国別の文化発展+西洋音楽の普及時にミックスされた事情があるんですよね…

と、話を戻すと、特に僕にとっては「ラ」を基準に作られた音楽は「人の会話のような音楽」に聞こえるようで、安心や高揚感を湧き出してくれることが見えてきました。

鬱病治療開始直後は不安/緊張状態という状況に対しては「熱情のスペクトラム」のAmカデンツを聞くことで「緊張を緩和してくれて」、そしてヤル気0という無気力状態な時は「nakano kill you」のEm→Bm緊張進行により「高揚感を持たせる」ことを無意識にやっていたんです!すげー俺(笑)!

これ、あながち間違いでもなさそうで、抗不安薬は昔は「マイナートランキライザー」と呼ばれ…↓

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向精神薬は「メジャートランキライザー」と呼ばれていたようで↓

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「和声"進行"によって、感情(脳機能)が動かされる」ということと相関性を伺わせる1証拠を見つけられました。僕の意思はともかく、「僕の脳」はその時の病状に応じて、曲を聞き分け選曲していたということです。なるほどねぇー

(注)音楽療法として効果あるかは人それぞれですので、全ての人に当てはまる(ストレス解消できる)保証はありません。精神科医と相談要です。

今とこれから

で、3月のコロナ騒動以降は、これらと異なるジャンル(というより、和声進行)としてサカナクションのYouTubeライブにドハマりし、うつ病を回復しつつ音楽を楽しめるようになったという所です。

今日2020年7月29日(水)は21:30からYouTubeでヤバTのライブがあるようです。「ハッピーウエディング前ソング」はAメジャーカデンツのノリノリな曲です。

あー!音楽って本当にイイですね(水野さん風)

(おわり)


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