「WACATE2023 冬 〜WACATE冬が今年もやってくる〜」参加録

はじめに

この記事の説明

2023/12/23-24に開催された「WACATE2023 冬」に参加しました。
この記事では、Guncha個人の感想を記載します。


WACATEとは

「Workshop for Accelerating CApable Testing Engineers:内に秘めた可能性を持つテストエンジニアたちを加速させるためのワークショップ」です。WACATE2023 冬は、「〜WACATE冬が今年もやってくる〜」というサブタイトルのもと、1泊2日の泊りがけで開催されました。
WACATEの情報について、詳しくはホームページをお読みください。

参加の動機

①冬のWACATEにも一度は参加してみたい
②他社のQAエンジニアと会話することにより、気付きを得たい
③今回の参加は無料&30分のセッションを持てる

①冬のWACATEにも一度は参加してみたい
WACATEは、夏と冬で次のようなコンセプトの違いがあるそうです
・夏:ひとつのテーマを「狭く深く」集中的に取り組む  リンク
・冬:テストに関するテーマを「広く」取り組む リンク
私は2023夏がWACATE初参加で、冬のWACATEの参加経験がありませんでした。夏と冬、両方とも参加してみると面白いし学べることも多いと周囲のかたからも勧められていたため、一度は参加してみたいと思っていました。

②他社のQAエンジニアと会話することにより、気付きやきっかけを得たい
ワークや食事、休憩時間などでの会話から、自身の普段の業務のことを言語化したり、他社の取り組みを知って自社に取り入れたりといった機会になるといいなと思いました。
また、最近の私は色々な会社の実業務でアウトプットされているテスト成果物に興味を持っているため、「私の現場のテスト、あなたの現場のテスト」というタイトルで分科会オーナー※に立候補し、色んなかたの話を聞いてみたくなりました。
※分科会オーナーの説明 リンク1, リンク2

③今回の参加は無料&30分のセッションを持てる
前回のWACATEでBPP(ベストポジションペーパー賞)という賞をいただきました。BPP受賞者は、「BPPセッション」という30分のセッションを担当することを条件に、次回のWACATEに無料で参加できます(2023冬現在)。
なかなか貴重な機会であるため、参加しました。

1日目

ここからは、WACATEの1日目と2日目でやったこと・感想について記載します。全てのセッションを網羅的かつ詳細には記載しておりません。

「ポジションペーパーセッション」

参加申込時に提出したポジションペーパーを利用し、自己紹介をしました。
barusさんとパーカーがお揃いで、班の皆さんにパーカーの紹介をしました。

BPPセッション「a chance of acceleration〜BPP行脚がくれたもの〜」

「a chance of acceleration〜BPP行脚がくれたもの〜」というタイトルで、30分のセッションを行いました。
セッションの途中、「別の部屋(not WACATE)のマイク音声が複数回入ってくる」というレアケースを引きました。スピーカーが同じチャンネルを使っていたことが原因だったのかも知れません。セッション後半、2度目の混線時には、たまたま「ダラダラ喋っても仕方ないでしょう!」という趣旨の音声が入ってきました。「(控え室にセッションを聴いている誰かがいて、話長いぞ!と説教されているのだろうか…)」と心配になりましたが、tsueeemuraさんならこの状況でどんな面白い返しをするのだろう、などと思うことで落ち着きを取り戻すことができました。

セッション後、BPP行脚について「しんどくなかったか」という趣旨の質問をいただくことが多かったのが発見でした。
知らない情報に出会う・人の歴史に触れることは楽しいし、しんどくならないペースやルールを自分で決めているので、楽しく続けられています。社外活動においても、裁量やコントロールできる範囲が広いと楽しいのかもと個人的には思っています。
また、「話を聴くぞ〜質問するぞ〜」という視点で書籍を読むと、ただ漫然と読むよりも実務に活かせそうなポイントに気付きやすくなったりもしました。

「単体テストソムリエになろう!」
ソムリエへの道がまだまだ遠いことがわかりました。
平仄を「ひょうそく」と読むことを初めて知りました。
今後は「知識をつける+現状を把握しようとする」を進めていきたいです。

「テスト活動にまつわるお悩みを解消するカギはどこに?
〜テストのモニタリングとコントロールに貢献できるテストエンジニアになろう」
モニタリングとコントロールについての気付きを得ることができるワークショップでした。私は思い込みで突き進んでしまうことがあるため、「基準自体の妥当性」を考える癖をつけていきたいと思いました。

「WACATE実行委員座談会 〜Specialist シラバス編〜」
読んだことのないシラバスも含まれていたため、興味深く聴講しました。

分科会オーナー「私の現場のテスト、あなたの現場のテスト」

分科会とは、興味のあるテーマごとにグループにわかれ、フランクに議論をする場です。
私は、「私の現場のテスト、あなたの現場のテスト」というテーマで、分科会オーナー(テーマのファシリテーションをする人)をしました。趣旨の説明のあと、次の流れで進めていきました。

  1. 自己紹介

  2. 参加者それぞれに名刺サイズの情報カードに「普段の業務で作成しているテスト成果物の名前」を書いてもらう

  3. カードの名前だけ、それぞれが一枚ずつ読み上げながらテーブルに出す

  4. 他の人が出したカードについて、興味のあるものを一人一枚選んでテーブルの中心に移動させる

  5. 中心に移動されたカードを全て取る

  6. シャッフルして一枚選ぶ

  7. 選ばれたカードを書いた人が、テスト成果物について説明する

  8. 6.と7.を繰り返す

各社の社外秘も含まれる可能性があるため、2023夏のときと同じようには公開ができませんが、色々なかたのテスト成果物の話が聴けてとても楽しかったです。参加いただいたみなさん、ありがとうございました。
6.でラス1までTestDesignDocが出てこなかったのをいいこと?に、途中参加のかたに趣旨を説明したりカルパスを勧めたりしつつ、メモを取りつつそれなりにファシリをしつつ聴いていました。ドライゼロクリスタルを初めて飲みましたが、ローアルコールは非常に分科会向きでした。
最後に片付けをしながら少しだけTestDesignDocの説明をしました。詳細は、以下のブログ・スライド・動画をご覧ください。

延長戦

串カツ田中に行きました。

まじかる報告ステーションの話が印象に残りました。QAメンバーが積極的に使っていくことで、気軽に報告できる空気を作っていこう。

2日目

「バグから学び、次につなげよう」

バグ分析の4つの手法などを紹介いただきました。
スライド内にも登場したバグ分析の2種類のやりかたについて、いま現在は私の会社では個々のバグの深掘りがメインですが、全体の傾向から何かをカイゼンしていくような取り組みも今後進めていきたいと思っていたところだったため、スライドの最後の参考文献を読んでみようと思いました。

「JSTQB FL 最後の幻のテスト技法「ユースケーステスト」を学ぶ」

ユースケース図、ユースケース記述を書く目的やメリット、ユースケーステストの作り方についての紹介とワークが行われました。特に「ユースケース図を描いてからなぜユースケース記述を書くか→ユースケース図では表現しきれていない情報を表現できる」という点が印象に残りました。
ユースケース図でざっくり認識を合わせてからユースケース記述を書くことで、大枠の認識が合っている状態から一歩踏み込むことができる。踏み込んで自然言語で表現しようとする過程で何かに気付くことができるのかも知れません。「図などで大枠→自然言語で詳細」の流れはユースケーステストのとき以外にも使えそうだと感じました。

「テストの目的って何?私がテスト設計でやってしまった3つの失敗」

録画を再生するかたちで進められました。
言葉自体の定義や目的、用途を明確にしながら扱っていこう、という気付きを得ました。

「QMファンネルを使って自分の立ち位置/やりたいことを可視化しよう」

QMファンネルというツールを使って、自分の現在の立ち位置と今後やりたいことを可視化するワークを行いました。私はインプロセスのことをあれこれ続けつつ、「今後〜〜はチーム・組織として中長期的にどうあるべきか」といった理想を描き、現状を可視化し、理想までの道のりを描けるようになりたいことがわかりました。

「WACATEから???へ ~WACATEで育ったあるテスターの軌跡と創りたい技術の未来~」

A4見開き1ページにびっしりメモを取りました。内容を公開することはできませんが、「WACATEで育ったテスターの軌跡」も「創りたい技術の未来」もとてもワクワクする話でした。そしてしんすく(け)さん自身がワクワクしていることが話ぶりから伝わってきました。
私は、今後の10年、WACATEで知り合ったかたと研鑽を積んでいくことができそうだろうか。単なる飲み友達くらいの関係が続く可能性が高そうな気がする。それはそれで楽しいが、この2日間でやったような意見交換、ともに学ぶ活動が、何かしらのかたちで今後も続けられたら良いなあと思いながら話を聞いていました。

打ち上げ

女子会として塚田農場に行きました。他の班でまだ話せていなかったかたや、実行委員のかたとも話すことができて楽しかったです。
その後サイゼでWACATEの歴史を聴けたのも楽しかったです。
そして、しらみさんのポジぺ冊子を返し忘れてしまいました(すみません、DMしました)!

おわりに

夏と冬は確かに違う!確かに両方参加すると良いと思いました。
また、実は私2023年8月にコロナに罹患後に後遺症と見られる症状がしばらく残り、参加できるか不安な時期がありましたが、徐々に回復してきて今はなんともなくなったことで無事に参加できて良かったです。そのおかげで、初めての30分の登壇というチャレンジの機会も加速装置にできました。
しっかり休んでいわゆる「WACATEハイ」も抜けたため、明日明後日でしっかりと仕事を納めます(会社のラーニングサポート制度を利用して業務扱いで参加しており、25と26が振休でした。今後の人生でWACATEに参加する後輩たちが出てきた際、「がっつり学んできてね、しっかり休んでね。学んだこと・出会った人・感想など聴かせてね」と言うのが楽しみ)。


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