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そもそもプラスチックとは…?

こんにちは。グンゼの前原です。
プラスチックフィルムを製造しているグンゼで培った経験を活用して、
noteでは 食品パッケージに関する雑学や豆知識を提供しています。

まん延防止等重点措置。通称マンボウからの緊急事態宣言。
また延長しましたね…もういつになったら日常(酒)に戻れるのやら。

東京都内はというと、正直何も変わらないです。電車の混み具合や往来する人の数も。ワクチン接種が行き届かない内は、コロナと付き合っていく他ないですもんね。

最近、いろんな売り場で「抗菌」「抗ウィルス」の製品を見かけますね。
なんと調べたところ、グンゼで2017年 全ての時代に先んじて、抗ウィルス肌着を発売してました。は、早すぎィ!!
https://www.gunze.co.jp/corporate/news/2017/12/20171205001.html
(※今 買えるかは定かではないのはご注意下さい)

プラスチックでも抗菌性のフィルムを取り扱ってますが、やはりコロナで引き合いが爆増。もともと青果物の包装向けに開発されたフィルムです。
厳密にいうと、抗菌と抗ウイルスは別物なんですが、やはり心理的に皆さん「(見えないものを)寄せ付けたくない」という思いが働くのでしょう。

プラスチックは様々な要因から「中身」を守ってくれる優れもの。
というかそもそもプラスチックってなんなの?について解説します。

皆さんがよく耳にする「ビニール」って一旦 なんでしょう?
ビニールとは「塩化ビニール」の略語なんですが、
ぶっちゃけ今、袋として塩化ビニールが使われることはほぼありません。
(環境問題や人体に対する影響により日本ではほとんど使用されていない)

え?プラスチックの袋ってビニールなんじゃないの?と思った方も多いのではないかと思います。
何を隠そう私もこの業界に入る前はそう思ってました。
ええ、全てはビニールだと。

今はハウス栽培のビニールハウス、机のマットの一部で未だ使用されている程度で、例えば“ビニール傘”なんて言いますが、もう使われていません。
※名称が残っているだけで素材は全く違うものです。

今はPP(ポリプロピレン)やPE(ポリエチレン)等の汎用プラスチックのお蔭でビニールを使わずとも、様々な加工ができるようになっています。
皆さんが目にするプラスチックの約半分がこのPP,PEで生成されているんですよ。

『バイオプラスチック』という素材も よく耳にするようになりましたね。
存在は知っているが、結局何からできているか分かる方も多くなっているかもしれませんが、一応解説します。

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石油から出来ているプラスチックですが、バイオプラスチックの主原料はサトウキビなどのでんぷん成分になります。でんぷんを発酵して糖にしてエタノールへ。まあ平たく言うと、焼酎をイメージしてください。
ほら、お酒好きな人はもう理解できましたね(圧力)

生成したエタノールをプラスチックに変性することでバイオプラスチックを生産します。なので、エタノールを主成分とするPPとPEはバイオ化が進んでいるという訳です。

一方、皆さんがきいたことのあるPETはエタノールからさらに変性や異素材との重合の必要があるため、なかなかバイオ化が進まない(添加量が増加できない)んですね。
そんなことをしなくても、日本のPETボトル リサイクル率は驚異の93%!!
※2019年 PETボトルリサイクル推進協議会
ボトルtoボトルも進んでおり、十分環境に配慮した仕組みとなっています。

プラスチック=悪というイメージがありますが、植物由来や循環スキームなど、様々な取り組みで地球環境を守っているんですね。

ではまた!

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