子は親をすくために「心の病」になる

久しぶりにnoteへ投稿してみます。

中身は読書のススメ。

『子は親をすくために「心の病」になる』
著者は高橋和巳さん。
心理カウンセラーです。

傾聴。
他人の声に耳を傾ける。
すると、どういったことがわかるのか。
どういったことが起きるのか。

「起きたこと」の実例を集め、
「わかったこと」から仮説を組み立て提示してみる。
その「仮説」にタイトルをつけると、著書のタイトルになる。

著者の仮説と仮説に基づく現象の説明を受け入れることができれば、本書は説得力のあるものになります。

さらに。
それらの記述が読者自身がもつ体験とオーバーラップすれば、
それは「救い」になる。

記述の体裁は客観的です。
だけど、オーバーラップする人は泣けてしまいます。


オススメをもうひとつ。
こちらは小説です。

樹木希林の主演で、映画化もされています。

どちらもオススメですが、選ぶとなると原作でしょう。
どちらも鑑賞するなら、原作⇒映画の順がいいと思います。

こちらも主題は「傾聴」と言えなくはない。
傾聴するとなにがわかって、何が起きるのか。

物語の序盤。
主人公の徳江さんは、一生懸命に「小豆の声」に耳を傾ける。
おいしい「あん」を作るために。
どら焼きの餡。

徳江さんの「傾聴」がどら焼き屋の雇われ店主やJCにも及んでいく。


「傾聴」は、スピリチュアルと称されるような領域にまで及んでいきます。
徳江さんは、お月さんや木々の声をも聴く。
そのことで救われる。
徳江さんが救われたことで、店主やJCも救われる。

「傾聴」がスピリチュアルに及んでいくのは、実は『子は親を~』のほうも同じです。
「宇宙期」なる概念が登場してきます。

人間の心理システムの発達は、学説上の定説では
 1) 乳幼児期
 2) 学童期
 3) 思春期
 4) 成人期
に区分されるとされる。
著者はそのさらに上の発達段階として
 5) 宇宙期
を仮構しています。

では、なぜ「宇宙」かというと、それは心が「この世界」を飛び出す段階だからである。「この世界」とは私たちが通常知っているこの社会のすべて、地球上のすべてである。それ以外を「あの世」と言ってしまうと死後の世界になってしまうから、既知の「この世界」とは違う心の持ち方を「宇宙」という言葉で表わした。

「死後」の代わりに「宇宙」。
そういえば科学的ではあるけれども、
それでもスピリチュアリティが漂っている。


あわせて、是非。







感じるままに。