見出し画像

タンパク質についてご存知でしょうか。さすがに聞いたことないという人はいないでしょう。しかし、詳しく知っている人はどれくらいいるかわかりません。タンパク質という名前だけ知っていて、意外にどういったものなのか、体に入るとどのような効果があり、どんな作用をするのか、今回はそんなタンパク質について詳しく書いてみたいと思います。




タンパク質ってなに❓


ヒトが生きていくために必要な栄養素は、炭水化物とタンパク質、脂質、ビタミン、ミネラルの5つです。これらをまとめて「五大栄養素」と呼びますが、その中でも特に重要なのがタンパク質です。タンパク質は英語でProteinですが、これはギリシャ語のProteus(もっとも大切なもの)が語源となっています。

タンパク質の消化について


例えば焼肉食べ放題に行って、肉を一気に1kg食べたとします。肉1kgに含まれるタンパク質は、だいたい200gといったところでしょう。これは体内で、どのような運命をたどるのでしょうか? 噛み砕かれた肉が胃に到達すると、胃酸の強い酸によって、肉のタンパク質が分解されやすい状態にまで変性されます。そしてタンパク質が弱ったところを、消化酵素の「ペプシン」が攻撃します。するとタンパク質はペプチドの鎖にまで分解されます。 これらのペプチド鎖は小腸に送られ、そこでさらに膵液中の「トリプシン」や「キモトリプシン」などの消化酵素の攻撃を受けます。
さらに、小腸粘膜の膜消化酵素であるアミノペプチターゼやトリペプチターゼの攻撃を受け、ペプチド鎖はさらに細かく裁断されて、各種トランスポーター(運搬体)によって小腸の壁を通り抜け、ペプチドあるいは遊離アミノ酸として細胞に送られていきます。消化酵素によるこういった多彩な攻撃は、食べた肉が超大量であっても、十分にダメージを与えることができます。 

実際のところ、肉や魚、卵の消化率は95%以上だとされています。つまり大量に食べたとしても、食物はその殆どが消化吸収されるのです。私たちの身体はうまくできていて、胃に入りきらないような量の食べ物でない限り、ちゃんと栄養素を体内に取り込むことができます。逆に言えば、食べたものがムダになってしまわないように、「胃の大きさ≒十分に消化吸収できる量」となっているのでしょう。

某プロレスラーが書籍に書いたせいで、「タンパク質は一度に30gしか吸収できない」という都市伝説が広まったことがあります。もし本当に一度に30gまでしか吸収できなかったら、一日二食の相撲取りは大変なことになります。二食だと一日に吸収できるタンパク質はたったの60g。それで相撲取りの身体をつくることなど、できるわけがありません。



タンパク質を大量に摂取をしたらどうなる❓

このように、かなり大量のタンパク質であっても、私たちのカラダは消化吸収することができます。しかしカラダがそんなに大量のタンパク質を必要としていない場合、吸収された後に、それは「余分だ」と判断されます。 食事から摂られた余分な糖質は脂肪に変換されて体脂肪になり、余分な脂質はやはり体脂肪になります。しかし余分なタンパク質はちょっと複雑で、次の3つのルートをたどります。

1.アンモニアとなり体外に排出される。

タンパク質には窒素が含まれていて、体内でアンモニアに変わります。アンモニアはカラダにとって有毒なため、「尿素」というものに変換されます。そして尿として捨てられるわけですが、このときに肝臓や腎臓に負担がかかってしまいます。プロテインを飲みはじめると血液検査の数値が悪くなることがあるのですが、これはアンモニアが原因の一つとなっています。

2.脂肪に変換される。

タンパク質(アミノ酸)は糖質に変換されたり、アセチルCoAに変換されたりします。これらは最終的に脂肪になり、体脂肪として蓄積されてしまいます。つまりタンパク質も、摂り過ぎると体脂肪を増やしてしまう可能性があるのです。

3.他のアミノ酸に変換される。

食事で摂取したアミノ酸が余ると、アミノ酸から「アミノ基」が取り出され、他のアミノ酸(特にグルタミンやアラニン)になります。このとき、「アミノ基転移酵素」が必要となります。 アミノ基転移酵素をつくるためには「ビタミンB6」が必要となります。タンパク質の摂取量が多い場合、ビタミンB6が不足しないように留意する必要があります。 タンパク質は貯蔵できない、と言われることがあります。しかし私たちのカラダには、実はアミノ酸を溜めておく場所があるのです。それが「アミノ酸プール」と呼ばれるところ。詳しくは後述しますが、具体的には肝臓や血液、細胞組織内にアミノ酸プールが存在します。 なにかあったときのため、必要なときにアミノ酸を取り出せるようにアミノ酸プールが存在し、食事から余計に摂取したアミノ酸の一部は、このプール内に取り込まれます。 このようにタンパク質の摂り過ぎは内臓に負担をかけたり、余計な体脂肪を増やしてしまったりする可能性が理論上は存在します。

しかしタンパク質の摂りすぎはあまり考えすぎなくてもいいのかもしれません。ある研究結果によると、体重の4.4倍以上のタンパク質を摂取しても、健康被害はなかったという報告もあります。これは肝機能が正常な方の場合に限りますが。
高タンパク食はDIT反応により、タンパク質摂取による消費カロリーがむしろ増加する可能性もあります。DITは「食事誘発性体熱産生」のことで、食物を摂取すると、それを消化したりエネルギー化したりするときにカロリーが消費され、熱が発生する代謝のことを指します。 この反応は体温をキープするために使われるのですが、糖質によるDITは約5%脂質によるDITは約4%なのに対し、タンパク質によるDITは30%と、非常に高くなります。糖質や脂質に比べると、消化吸収およびその後の代謝過程において、タンパク質は非常に複雑なため、このように高いDITが発生するのです。

プロテインスコア、アミノ酸スコア(タンパク質の質)

1955年にFAO(国際連合食糧農業機関)が、プロテインスコアの基となる理想的なタンパク質(比較タンパク質)を設定しました。これを基にして、数々の食品のプロテインスコアを算出することができます。 プロテインスコアを算出するときは、足りないアミノ酸について注目します。ある食品において他のアミノ酸は十分にあるのに、リジンだけ足りなかったとします。このときリジンの理想量が100で、その食品にはリジンが60しか入っていなかった場合、その食品のプロテインスコアは60になります。 プロテインスコアにおいて、数値100を叩き出すのは卵とシジミです。しかし大豆はメチオニンが足りないため、プロテインスコアは56に留まります。米はリジンが少ないためプロテインスコアは78となります。 ここで、「食べ合わせ」が関係してきます。大豆はメチオニンが少ないのですが、米にはメチオニンが多く含まれます。逆に米にはリジンが少ないのですが、大豆にはリジンが多く含まれます。ですから「米と味噌汁」の食べ合わせは、自然とプロテインスコアを改善するようになっているのです。
さて、1973年になって、FAOはWHOと結託協力して比較タンパク質のアミノ酸パターンを改定しました。そしてプロテインスコアを「アミノ酸スコア」と呼びなおします。 その結果、多くの肉類、魚類のアミノ酸スコアは100となり、大豆のアミノ酸スコアは86となりました。 1985年にはFAOとWHO、国連大学が結託協力して、さらにアミノ酸パターンを改定し、それによると大豆のアミノ酸スコアは100になっています。 さらに時代は下り、1990年には食物の消化吸収性を加味したとされるPDCAAS(タンパク質消化性補正アミノ酸スコア)が発表され、そこでも大豆のスコアは100となっています。 




タンパク質の必要摂取量は❓

厚生労働省の指針としては、成人男性の一日のタンパク質推奨摂取量は60gとなっています。これは体重1kgあたりにして0.9g程度です。 しかし私たちは、ストレスに出会うとそれに対抗しようとしてエネルギーを作りだそうとします。このときには、身体のタンパク質が分解されてエネルギー源となってしまいます。もちろん運動もストレスとなり、運動強度が高くなるほどタンパク質必要量は増加します。
なお試合後のラグビー選手を調べたところ、筋肉を分解するホルモンであるコルチゾルが急激に増加していました。数値にして試合終了12時間後に56%、36時間後に59%の増加。そして60時間後も34%増加したままでした。これら数々の原因により、結局タンパク質の必要量が増えてしまいます。数多くの研究によって、ハードな運動をする場合は一般的な量の2倍以上のタンパク質が必要だとされています。


まとめ


タンパク質について今回は書いてみました。
意外に知らないことが多かったのではないでしょうか?タンパク質はトレーニングをしている人たちだけが必要なものではなく、全ての人に必要なものです。特にダイエットや筋肉をつけたいという方は、必要量がそれぞれ違うと思いますので、個々にあった摂取量を設定してみていただきたいと思います。
僕が個人的に体に合うな、と思っているタンパク質は「牛肉」「卵」「シャケ」「白身魚」です。このタンパク質たちは消化が良く、しかも食べた後の体の反応がかなり良い。(トレーニング時の状態など)
こんな感じで合う合わないがわかると、日々の体つくりに活かせますね。

この記事が「参考になった」「タメになった」と思った方は、『スキ』を押していただけると嬉しいです。
以上、パーソナルトレーナーの山城でした。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?