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イシューからはじめよ。

答え、正解が溢れている時代と言われます。
かつては、「モノを冷やしたい」→「冷蔵庫をつくる」みたいな感じで、求められている答えが明確だったんですね。
しかし、モノやサービスが十分に提供され、溢れてるとさえ言われる現代、「問題を解く力」よりも「問題を設定する力」が求められています。
イシューとは、「テーマとなる問い」のことです。
与えられた問題に対して90点とか100点を取る力よりも、そもそも何を問題とするか?どの問題に取り組むかを見極める力の方が大事だといわれています。

前提として、仕事のアウトプットは、
「イシュー」と「それに対する答え」の掛け合わせで決まる
とされています。
どんな問題に取り組むべきかを見極める力があり、その問題に対して素晴らしい答えを用意する力があってはじめて良い仕事の成果が生まれるんですね。

例を挙げます。
お酒メーカーの商品企画部に所属していたとして、上司から「ウチのこのブランドのビール、売り上げが下がってるから、なにか対策を考えてほしい。」と言われたとします。
これに対して、
「このビールのブランドイメージをどうリニューアルしていけばいいか?」というイシューを設定したとします。するとこれに対する答えは、「若者受けするようなブランドイメージを発信しようか。」などのような答えが考えられます。
しかしまず考えなければいけないのは、このビールの売り上げが下がっている要因はどこにあるのか?という点です。
若者受けすれば本当に売り上げは伸びるのか?そもそも日本国内のビール市場の規模はどう変化しているのか?
本当の原因を突き止めた上で、イシューを提示するとすれば、「今後、市場規模が増加する高齢者向けに支持されるにはどうしたらいいか?」とか、「市場規模が拡大するアフリカ諸国に売り出すにはどうしたらいいか?」など、無限に別のイシューを設定できるんですね。
もし最初の「若者受け」のイシューが見当外れだったとすると、それに対してどんなに良いアイデアを実行したとしても効果が見込めません。

イシューの設定する上での注意点として、「スタンスが曖昧ではないか?」と「常識的過ぎないか?」という点です。
先ほどのビールの事例で言えば、「このビールの今後はどうすればいいか?」みたいな曖昧なイシューだったり、「このビールのブランド力を上げていくべきか?」みたいな当たり前のイシューですね。
イシューが曖昧だと、土台となる調査量が膨大になったり、打ち手にたどり着くまでの道のりが長くなってしまいます。
当たり前過ぎる、常識的過ぎるイシューは、答えは「イエス」しかなく、最終的には当たり前の答えが出て、方針や仕事に全く変化を与えません。

人は「問い」に対して答えを探そうとするものです。
なので、課題解決においては、まず良いイシューを設定することが大切なんですね。

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