@tokyo 2050 #2
「あなたー。ごはん作ってー。美味しいピラフがいいな。」
妻は隣で目を覚ますと、相変わらず私に甘えてきた。彼女も料理は上手なのだが、作るのはそれほど好きではない。私は作るのが好きなので、win-win の関係というやつだ。
『うん。美味しいの作るよ。おっと、その前にコーヒー飲もう。』『To Robo, two hot coffee please.』
[Yes, Master.]
そう答えると、うちの家族である Robo は水出しドリップしておいたコーヒーを温め、ホーローのマグカップに入れてくれた。
「Robo のコーヒーは相変わらず美味しいね。うーん、目が覚めてきたー。シャワー入ってくるね。」
妻はそう言って、シャワールームに消えた。
この家では、妻が絶対優先なのだ。昔の言葉でいうと、Lady First というやつだ。私が好きでそうしている。尻に敷かれているというわけではない。彼女は私にお願いすることはあっても指示することはない。
結婚生活も早35年。お互い若かったが、72になった今は見た目だけなら、出会った頃よりも若い。
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