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猫のぐぅ吉と腎不全

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猫の腎不全について、経過や治療の知識をお伝えしています。猫は腎臓を悪くしやすい動物ですが、飼い主にできることはたくさんあります。飼い猫と長く生きていきたいと願う、全ての猫飼いさん… もっと読む
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腎不全の猫と長く生きるために(5)

腎不全の猫と長く生きるために(5)



▲夜は必ずニンゲンの枕で寝ます。
目が見えなくなって、前よりも人にくっつくことが増えたように思います。

およそ1ヶ月に1回掲載してきたこの連載も、今回を含め、あと2回でとりあえず一区切りです。今回は、慢性腎不全の治療について、今後の展望も含めてお話します。

猫の慢性腎不全:最新情報最近、猫に関する書籍をたくさん目にするようになりました。長寿猫の健康や暮らしに特化した本や、見送った後の悲しみ

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腎不全の猫と長く生きるために(3)

腎不全の猫と長く生きるために(3)

今回のテーマは、ぐう吉の食事です。食欲があまりないぐう吉は、すぐにフードに飽きてしまいます。腎不全食を続けるための工夫をご紹介します。
また、目の見えないぐう吉の生活は、このひと月の間にも変化がありました。まずはそんな近況報告から……..。

さらなる視力低下ぐう吉の視力低下がわかって、2ヶ月半が過ぎました。1月に動物病院を受診した際の見立ては、「左眼の網膜が完全に剥離し、右眼も剥離しかけている」

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腎不全の猫と長く生きるために(2)

腎不全の猫と長く生きるために(2)

連載2回目は、皮下補液や内服などの具体的な処置について、動画も使ってご説明する予定にしていました。ところが、何よりもまず、突如訪れた大事件をお知らせしなければなりません。ぐう吉が、失明してしまったのです。
以下、それが判明した時の状況からお話しします。

ぐう吉、突然の失明人間も猫も、腎機能の評価は血液検査。必ず見るのがクレアチニンと尿素窒素の値です。ぐう吉の場合、間隔は、3ヶ月に1回。前回が昨年

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腎不全の猫と長く生きるために (1)

腎不全の猫と長く生きるために (1)

慢性腎不全の長寿猫、ぐう吉猫の寿命も長くなり、20年を越える猫も珍しくなくなりました。猫の年齢は1年に7歳年をとる、と思っている方もいますが、実際は、初めの2年間で大人になって以降は、4歳ずつ年をとる換算知られています。つまり、24+(猫の年齢−2年)×4歳の計算になります。
この計算で行くと、わが家のぐう吉は17歳なので、24+(17-2)×4=84歳。もう立派な老猫の域に達しました。
なお、猫

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