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読書 オベリスクの門

紹介文

ついに〈季節〉が訪れ、破滅的な天変地異が超大陸を襲う。父親に連れ去られた娘ナッスンが南極地方を目指して旅する一方、娘を追う母エッスンは地下都市カストリマにたどり着き、意外な人物と再会する。〈父なる地球〉、失われた〈月〉、石喰いたち、そして人間――彼らが舞台に出そろったいま、物語は大きく動きはじめる。前人未到、三年連続で三部作すべてがヒューゴー賞長編部門受賞シリーズ、『第五の季節』に続く第二弾!

東京元社

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感想

「第五の季節」の続編となる三部作の2作目です。

前巻で父親に連れ去られた娘の話が一つの柱として語られていきます。弟が父親に殺された場面と父親に連れられて旅をする娘の様子が語られるなかでもう一人の主人公となる(もっとも、この物語には主人公と読んでも良い人物は多くいると思いますが。)娘の成長が興味深く進みます。

全巻よりは読みやすいと思いますが、それほど軽快に読み進められる感じではありませんでした。それでも、随分とマシな読みやすさです。

ひとつには、ある程度、わかりやす戦闘シーンが描かれていることが挙げられると思います。

また、彼女が主人公なのか?何故選ばれたのか?と言うことも、次第に明らかになっていきます。

後半になるに従ってテンポは良くなり物語のスピードと「わかりやすさ」も進むので一気に読めるようになると思います。

ファンタジーさはあるものの、描かれていくのは、人間が、どう組織を作り「脅威」に対して対応していくのか?
その価値観というようなものが、メッセージとして漂って来るように感じました。

そんなメッセージを感じなくとも、謎解きの進みと物語の面白さで十分に楽しめる作品だったと思います。

2人称で語られるこの作品ですが、ここへきて、語部が誰なのかも明かされます。

次の完結編を読むのが楽しみです。



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