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新しいことを始める時のフィルター「シナジー効果」

みなさん、こんにちは。ちょこっと経営学のGyakkonです。
ちょこっと経営学では、ビジネスパーソンが課題解決のヴァーチャル体験をするために、経営学のロジックを基としたGyakkonの実体験をお話します。

Gyakkonはメーカーに転職し、当時、10年間変わらなかった売上を約7年で2.2倍にしました。
ビジネスパーソンが、このヴァーチャル体験により、経営学のロジックを
自分のものにし、現場のシチュエーションに応じてロジックが使えるようになります。ロジックを使うことによって、課題解決、生産性向上を実現することができます。

今回はシナジー効果です。シナジー効果の種類、シナジーが生まれやすい
多角化の種類、そしてGyakkonのシナジー事例をお話します。

Gyakkonは、メーカー時代にコア商品の新市場展開を行い、生産性の向上を実現しました。新市場展開において重要なフレーム活用、活用できる多角化形態、活用に必要なシナジーについて、今回はお話します。


1.シナジー効果とは

シナジー効果とは、訳すると相乗効果という意味になります。共同、協力して行うことで1+1が2以上の効果を生むような場合に使われます。

2つ以上の要因が同時に働いて、単体で得られる以上の結果を上げることをいい、このように三角の図を使ってよく表されます。

別々の部署で行っていた事業を共同で進めたことで、単独部署で行っていたときには得られなかったような高い効果が得られた、という場合がシナジー効果といえます。双方の部署にとってWin-Winの関係と呼ばれるものこそがシナジー効果です。

2.シナジー効果発生方法

シナジー効果発生方法には、他部署との協力、新事業の開始や複数の企業が合同で事業を行うことが挙げられます。業務提携、M&A、多角化経営、
グループ経営がシナジー効果発生方法に該当します。

3.アンゾフの成長マトリクス

事業でシナジー効果を生んだり、多角化を開始する時に参考となるフレームワークにアンゾフの成長マトリクスがあります。

自社のリソースと市場という外部環境を加味し、成長マトリクスのフレームを使い、まずはどの市場にどのリソースを使うかを検討することによって
効率的な事業展開をすることができます。

4.多角化

では、多角化戦略について、お話します。多角化とは、自社が位置している市場とは違う新しい市場に進出することです。多角化を進める時にも、シナジー効果は重要です。
多角化には4つの型があります。

(1)垂直型

垂直型は、自社が展開する市場、または自社が展開する市場と関連のある
市場の中で、新しい事業を展開する方法です。自社のノウハウを活かすことができ、新しい事業をコスト削減を図りながら進めることができます。
例えば、バイク製造会社が車製造を始めるといった事例があてはまります。

(2)水平型

水平型は、自社が展開する市場と同じ市場に向けて、新商品・サービスを
展開することです。川上の会社が川下に進出する場合、水平型といえます。こちらも新しい事業をコスト削減を図りながら進めることができます。
例えば、食品小売業が飲食市場に進出する事例があてはまります。

(3)集中型

集中型は、経営資源やノウハウを活かした新商品を、既存市場とあまり関連のない新しい市場で展開することです。

『ふりだしにもどるではなく、技術力にもどる「MOT」』でお話した富士フィルムがカメラ・フィルム技術を医療機器・化粧品に転用した事例は、集中型になります。

(4)コングロマリット型

コングロマリット型は、集成型ともいい、既存の顧客・ノウハウの全く接点がない市場で新たに展開する新規商品、あるいは、新規事業のことをいいます。

EC会社が銀行・証券、信販などのフィンテック事業を展開する事例はコングロマリット型になります。違う事業同士の組み合わせによるノウハウ獲得や、リスク分散というメリットがある一方、統治コストがかかることや、
成果が出るまで時間がかかるといったデメリットがあります。

5.シナジー効果の種類

続いて、多角化の中で重要なシナジー効果についてお話します。シナジー効果には、さまざまな種類があります。視点によって言い方や言い回しが違いますが、今回は、仕入れのシナジー・コストシナジー、生産のシナジー、
販売のシナジー、研究開発シナジーについてお話します。

(1)仕入れのシナジー・コストシナジー

合同事業によって仕入れのシナジー、コストシナジーが発生すると、各事業において重複している部門や投資先の見直し・カットが可能になり、コスト削減をすることができます。

例えば、複数の企業が同じ経路で商品を運んでいるなら、共同で運搬作業を行うことで、配送コストや人件費を下げることが可能です。また、M&Aなどによって事業規模を拡大すれば、1回の生産量を増やすことで生産の効率化を図ったり、大量仕入れが可能になることで仕入れコストの削減につなげたりすることができます。

(2)生産のシナジー

仕入れのシナジー・コストシナジーは生産のシナジーでもあります。生産拠点や設備を共同利用することで、生まれる効果のことです。

例えば、共同事業で設備を共同利用することにより、単独事業での仕入れよりも仕入れ量を増やすことができます。仕入れ量を増やすことで、仕入れ先に対して価格交渉ができるようになるシナジーが生まれるといったような
効果が生産のシナジーといえます。

(3)販売のシナジー

販売シナジーとは、流通経路、販売組織、などを共有することで効率化し、それによって生まれるシナジーのことをいいます。
アップセリングやクロスセリングの効果も販売のシナジーとなります。
では、この2つについてもご説明します。

(ⅰ)アップセリング

アップセリングとは、既存顧客や、見込み顧客に対して、現在利用(もしくは検討)している製品・サービスよりも上位のものを提案する手法です。

一方、アップセリングの逆手法で、ダウンセリングもあります。ダウンセリングは、顧客が検討中に購入を止めそうになったり、他社に乗り換えそうになったりした時に、購入が0になるといったリスクを回避するための手法として知られています。

(ⅱ)クロスセリング

クロスセリングは顧客が購入を検討している商品や既に利用しているサービスに加え、別の商品やサービスも同時に買ってもらうことで顧客単価を上げるテクニックです。

(4)研究開発シナジー

研究開発シナジー(R&D Synergy)とは、単独では実現が難しい研究開発が、M&Aや業務提携により実現されることをいいます。R&Dは、Research and Developmentのことで、研究開発を指します。
イノベーションの創出に向けた研究開発の共同化、研究開発資金の増大を目的としたM&Aや業務提携は、この研究開発シナジーを目的としています。

6.アナジー効果

一方、シナジー効果と逆の意味で、アナジーという言葉があります。シナジー効果は事業間の相乗効果のことを意味し、アナジーとは事業間の相互マイナス効果のことを指します。アナジーになると、コストの増大や経営の非効率化といったマイナス効果が発生します。
多角化を進める時には、特にこのアナジーが発生しないように注意する必要があると言われています。

7.Gyakkon活用事例

8.Gyakkonの当時の課題

9.Gyakkonの解決策

10.Gyakkonの成果

11.ちなみに

12.今回のまとめ

13.参考動画

▼7.Gyakkonの活用事例以降は、動画をご参照ください。


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