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「Q」・・・翌日、脳が活性化したのを感じる。野田マップ。

脳にどのような刺激を与えるのか、そのメカニズムは知らないが、この作品を観てしばらくは、頭が冴えていた。少しの間だけど。

野田秀樹作演出「Q A Night At The Kabuki」。
野田演劇のセオリー通り、大量のセリフと縦横無尽な動き、ダンサーなども多用したアクション。白い大きな布や白黒のみのシンプルなセット展開、クインの楽曲など、どれも楽しませてくれる。

役者陣も舞台の演出の範疇を越えないような領域を考えつつも大胆な演技をしている。舞台美術と主役陣がシンプルな色どりなのに対して、脇を固める彩り豊かな衣装も象徴的で深読みもできる。

その中でも個人的には、やはり松たか子さんの役者としての才能と求心力である。
詳細は実際にご覧になって確かめて頂くとして、この舞台で最もサイコな場面で、観客の爆笑を呼ぶ姿には脱帽した。

広瀬すずさん、志尊淳さん、上川隆也さん、竹中直人さんなどの豪華な出演者の中で、特に羽野晶紀さんが舞台を目一杯楽しんでいる印象があって、とても好感が持て、一服の清涼感があった。
カーテンコールでもずっとニコニコで、他の出演者が2時間30分を超える舞台で疲れ果てて、笑顔すら忘れてしまっている中、笑顔で観客に応対し、この作品の重量感を上手く解放させていたように思う。

今回、この作品を鑑賞後に、妙に脳が活性し、仕事がはかどった気がした。
大量のセリフの洪水を理解しようと、脳が全力で対応していたのかもしれない。(自分の感覚だけですが)




さて、ここからはネタバレにもなるので観劇予定のある方は、読み飛ばしてください。


この「Q」は、ロミオとジュリエット、源平合戦などを一種混ぜこぜにしている。それぞれの元ネタを知っていると、「ああ。ロミオとジュリエットね」とか「源氏と平家の戦いなら、こうなるのね」とか、その片鱗が出てくると既成のイメージに翻弄されることがある。
この複雑な物語観た後、若い人が「今回は分かりやすかったね」と感想を話し合っているのを耳にし、「もしかすると、ロミオとジュリエットも、源平も知らない人の方が、物語として単純に楽しめるのかな」とも思ったのは、考え過ぎだろうか。

さて、「Q」はこの先、今後ロンドンなどの海外公演も控えているというから、日本人以外の反応も楽しみである。

東京芸術劇場で9月11日まで、それ以降は、9月23日~ロンドン、10月7日~大阪、10月22日~台北。と続く。


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