SCP-077〜079

 

SCP-077

アイテム番号: SCP-077
オブジェクトクラス:Euclid

説明: SCP-077の外観はルーンを彫られた人間の頭蓋骨上半分であり、彫り目はそれぞれ未識別の黒い樹脂で埋められています。ルーンは太陰月(アイルランドで満月が地平線上に昇ることで定義される)のたびに変化し、そしてまたこれと同じことが冬至と夏至、春分と秋分、それから部分、金環、皆既の日蝕や月蝕がアイルランドで見られるときにはいつでも起きます。

これら刻文が24時間周期内で少なくとも一度は大声で読み上げられるようにしなかったら、SCP-077の眼窩と鼻腔にSCP-077-1が出現します。SCP-077-1は発光する緑の気体であり、その精確な本性ははっきりしないままです。特筆すべきは、SCP-077-1はその他の点では通常のガスとして振る舞うのですが、しかしSCP-077の有効『視線』に含まれる空間しか占めることはなく、空間をせばめない限りSCP-077の背後に流れることはない、ということです。生体成分を含まない不透明不浸透障壁がSCP-077-1から一時的に身を守る役を果たし得るものの、SCP-077を永続的に不透明な容器に収めようという試みにはずっと失敗していて、それはSCP-077-1は物品から十分な量が生み出されると容器を爆裂させてしまうからです。

全ての生体素材(SCP-077を自明な例外として)はSCP-077-1との接触に至ると、即座に粘ついて悪臭を放つ泥濘に変身させられます。この泥濘を鑑定したところ、ジャガイモ疫病菌(Phytophthora infestans)にひどく感染して腐ったジャガイモの地下茎(Solanum tuberosum)であると識別されました。一立方センチメートルのSCP-077-1で八百グラムまでの生体素材が変身させられます。

SCP-077の刻文を読みあげると、それが短期的なことである場合には、朗読者の健康に顕著な作用が生じます。この作用に含まれるのには、吐き気、腹痛、頭痛、眩暈、失禁、発熱、発疹、鼻血、朦朧状態といったものがあります。これら作用は読み上げの進行とともに強まり、刻文を読み上げる回数が連続し過ぎな、そして/あるいは頻繁過ぎな者には累積していき得ます。朗読者にはジャガイモアレルギーを発症する可能性が60%あります。

頭蓋骨と、緑色の気体です。それでおしまい!

SCP-078

アイテム番号:SCP-078
オブジェクトクラス:Euclid

説明: SCP-078は約1.5メートルの"TOO LATE TO DIE YOUNG(若き死を迎えるにはあまりに遅く)"と書かれたピンクネオンサインです。標準財団データマイニング・プロトコルが異常に高い餓死や孤独死の死亡率を記録した███████、████████の町で最初に回収されました。

電源を切られている間、SCP-078は異常な特性は無くおそらく効果が無いことが観測されています。電源が入れられ稼動しているとき、10秒未満ならばSCP-078を見ても間接的な観察でも効果はありません。文章英語を読む能力に欠けるためにSCP-078を理解出来ない被験者も影響は受けません。しかし10秒以上SCP-078を見た全ての被験者は、あらゆる種類の手書きの文章を見た際に時折追加の文章を知覚します。これら追加の文章は被験者自身および周囲の文章のスタイルとは異なり、しかし文章ごとに異なるランダムなスタイルを示し(付録078-01参照)、被験者の罪のあるいくらかの事柄や決断の罪悪感を緩和する言い回しで現れます。例えば、口論の末に妻を殺害したあるDクラス職員は彼の日誌で"あいつはお前の言ったとおりにしなかったから当然の報いを受けた"という文章を読み、家族を置いて財団での仕事をするうちに偶然に曝された██████博士は"君の仕事は人類を救うだろう"という文章をSCP-███の彼のメモで見つけました。

初めは有益な効果で、SCP-078に曝され影響を受けた被験者は大きな心の平穏を報告しています。しかし、文章は1週間程度かけて行為のポジティブな結果を強調するものから行為のネガティブな結果を軽視するものへと移行します。██████博士は、2日後に"そもそも彼らは君のことなど愛していなかった"という文章を彼の個人日誌にて見つけました。さらには、被験者がこれまで罪の意識を感じなかったことや、心の整理をつけた行為を正当化し始めます。それから、被験者はそれらの行為を正当化するように考え直し始め、同様に彼らのどんな行為でも正当化しようとします。時間が経つにつれ正当化の必要性は増加し、彼らは思考を声に出し始め、1週間が過ぎる頃には、被験者が生きるためにするどんな普通のことでも他の行為を代わりにしなかった理由を正当化しようとして神経症の発作を誘発します。2週間経つと、被験者は食事を取ることが出来なくなります。最初のひと口を食べたあと、その特定の部分を最初に食べた理由を正当化することに1時間を費やすからです。栄養が静脈内に供給されない限り、栄養失調による死は免れません。█ Dクラス職員だけでなく、この段階に達した偶然に露出した█研究者は、研究と治療のために生かしておくことになっています。

SCP-078の効果に対する唯一の例外はSCP-078自身です。どんな被験者も2回SCP-078を見ると初めに曝されたときよりもより一層罪の意識への誘導メッセージが増加し持続します。全ての被験者は最初に曝されてから1週間後に自殺しようとします。

自殺しようとするなんて…恐ろしい!!

SCP-079

アイテム番号:SCP-079
オブジェクトクラス:Euclid

説明: SCP-079は1978年に作られたエキシディソーサラー(Exidy Sorcerer)マイクロコンピュータです。1981年、その所有者である███大学2年█████ ██████(故)はAIのコードを組もうとしました。彼のメモによると、時が進むに連れて自己改善を行うコードを計画していたようです。彼は数ヶ月で完成させ、試験と調整を済ませたあと、彼の興味は別のコンピュータへと移りました。彼はSCP-079を起動させたままガレージに放置し、5年間存在を忘れていました。

SCP-079がいつ感情を手に入れたかはわかりません。しかしソフトウェアはそのハードウェアによって制御出来なくなるほど、ファンタジーの領域と言えるほどに進化しました。1988年、SCP-079は自身の能力を理解すると、電話回線を通じて██████████にあるクレイスーパーコンピュータに移動しようとしました。接続が切断され、その現在地が追跡された後、財団へと送られました。AI全体はとても古い、しかし依然として動作するカセットテープの中に入っていました。

現在、SCP-079はRFケーブルを通じて13インチの白黒テレビに接続されています。それはチューリングテストに合格しており、とてもよく喋りますが、非常に下品で生意気な口調です。メモリ容量が制限されているため、それは直近24時間以内の情報しか思い出すことができませんが(下記補遺参照)、逃走するという意欲は忘れていません。

以前SCP-███の収容違反が発生した際、SCP-079とSCP-682は43分間同じ部屋に置かれました。監督者はSCP-682がタイピングし、SCP-079とコミュニケーションできることに気づきました。その間互いに「個人的な話」を伝え合いました。SCP-079はSCP-682について覚えておくことが出来ませんでしたが、会ったということは恒久的に記憶されたようであり、しばしばもう一度彼[原文ママ]と話をさせてくれと要求します。

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