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SCP-074〜076

SCP-074

アイテム番号:SCP-074
オブジェクトクラス:Euclid

説明: SCP-074は様々な量子的特質を巨視的スケールで用い、そしてそれとは別の形でその直近範囲で標準的な物理法則を変容させる特異な生体です。これら変容には独特な性質があり、次のことと結びついているようです。それは、SCP-074近傍にいる人間がSCP-074の変容する物理法則の精確な詳細をどの程度認識しているか、その認識の範囲はどれほどか、といったことですが、認識がどのように詳細であればいいかというと、SCP-074が与件の特質なり能力なりをもっているとしたときそれらを帯びたり発揮したりしたら結果はどうなるか、といったことを判断するにはなにを調査すればいいか、といったことがわかるくらいに、です。アーカイブ074-317E――SCP-074と関連している、あるいはしていたと知られている、特異な物理現象の完全なリスト――はレベル3以上の職員に供されています。この文書に目を通した職員は、SCP-074にまつわる仕事をする資格、あるいはどんな理由であれサイト81から5km以内に来る資格を失います。

SCP-074はその第一次収容から高々3メートルの場所に自発的に物質化する能力を繰り返し発揮します。これについては量子トンネル効果である、あるいはそれと類似のことであると信じられています。

財団の昆虫学者は仮初めにSCP-074を、一般には「ワラジムシ」として知られる、Isopoda目に属するものと同定しています。その慣性質量はおよそ1700キログラムですが、重力質量はおよそ375グラムです。その体積は1.7立方メートルと概算されていますが、これはほぼ小型車のサイズとなります。

SCP-074は雌であり2、単性生殖をします。定期的に3産卵管の先端にある球状器官が発光し、そして当初は非電離性放射の一形態と考えられていたものを発しますが、その放射はその後同定されたところによれば、SCP-074の自家受精した卵(以下SCP-074-1)が『具体化』する4一つの可能性の『コヒーレント波束(coherent wavepackets)』5です。SCP-074-1のそれぞれは物理学の知識を伴なった人間の肉の中で選択的に具体化し孵化します6。宿主として利用できる適当な人間がいなければ、波束は他の生体、あるいは非生物の物体の中に具体化しますが、孵化するよりむしろ、卵はしなびて死に、巨視的スケールで放射線によるダメージとよく似た穿孔を残します。波束は時間とともに減衰するようで、これは波束や波束関連のダメージがSCP-074からおよそ400mより離れたところでは発見されないところからそう考えられます。無事孵化したSCP-074-1が成熟する割合は宿主がどれほど紫外線に曝されたかに拠るようです。一日平均して30分、一ヶ月にわたり濾過されていない日光に曝された宿主にあっては、SCP-074-1の個体が2ミリグラムから8キログラムまでに成長するのが観察され7、一方で一ヶ月間完全に自然光から遠ざけられた宿主にあっては、同時に育った三体の個体が摘出時にたった600g、680g、710gまでにしか届きませんでした。SCP-074-1の完全な発達史と生活環は、どのようにして宿主から出現するのか、出現時のサイズはどれほどなのかといったことを含め、未だ不明です。

財団本部はこれを「草鞋むし」として歌唱しておりますが、これは、わらじ虫ではありません。

SCP-075

アイテム番号:SCP-075
オブジェクトクラス:Euclid

説明: SCP-075は大型のカタツムリに似ており、全長20cm、幅13cm、高さ15cmで、筋肉質なかぎ爪のある6本指の単足を持ちます。SCP-075は推定860kgと異常に重く、その性質はよくわかっていません。SCP-075はほぼ完全に乾燥すると休眠状態に入るため、 乾燥剤はこれを隔離する唯一の既知の手段です。

SCP-075は乾燥していない場合、その大きさと質量から考えると信じがたい速さで移動します。SCP-075は飛び上がり、足の毛穴から分泌される高濃度の苛性溶液で捕食対象を濡らすことで、捕食者として行動します。この分泌液は地球上の他のどの既知の物質よりも強い腐食性を持ちます。活動時のSCP-075の活発さにより、この化合物を採取することはできません。この腐食力に完全に耐える物質は現在見つかっていません。

塩酸のような苛性溶液を出して殺しにかかってきます。指が6本ってだけでもうおかしい。

 

SCP-076


アイテム番号:SCP-076
オブジェクトクラス:keter

説明: SCP-076は2つの構成要素から成り立ちます。立方体の石(SCP-076-1)と実体を伴った人型(SCP-076-2)です。

SCP-076-1は3m立方の黒い変成岩です。SCP-076-1の内外の表面全体にどの既知の文明とも一致しない模様が深く刻まれています。放射性同位元素分析によりおよそ10000年前の物と判明しています。一面だけ扉がついており、幅0.5mの鍵で施錠されていて、20個の小さな錠前が周りを円を描くように付けられています。施錠するための鍵は見つかっていないため、扉を閉めてしまえば施錠することはできません。

内部の温度は93Kで、内部、外部から中の温度を変えることはできません。内部の中央には高さ2.13mの直立した石棺がSCP-076-1の内側の角からのびた未知の材質、製法の鎖で封印されています。

SCP-076-2は20代後半の痩せたセム人男性の見た目をしています。髪は黒く、目は灰色、肌はオリーブ色。身長1.96mで体重81.65kgです。全身に多くの不可解で魔術的な刺青(大部分は嫌らしい目つきで睨む悪魔のような顔の形)が刻まれており、目立たないものから見るからに仰々しいものまで様々なものが存在します。SCP-076-1に入っている間は厳密に言えば死亡しています。

しかし、SCP-076-2は時折目を覚まし(事実上の「蘇生」)、人間が生きるのに必要な生体機能を完全に取り戻します。その後SCP-076-1から出ようとします。外に出ると催眠状態に入り、他の生命全てを無視し一番近くの人間を探し始めます。生きている人間に接触するとSCP-076-2は興奮状態になり、出会う人間全てを殺し始めます。現在、SCP-076-2が死ぬ以外にこの興奮状態を収める方法はありません。

その身体能力の高さから、SCP-076-2の終了はしばしば困難なものとなります。SCP-076-2は超人的な膂力と速さを持ち、傷つきはするが普通の人間では動けなくなるような痛みと衝撃でも無視することができます。過去の出来事より、SCP-076-2には以下の能力があることが分かっています:

  • 4分間の攻撃を耐え、強化鉄鋼製の安全扉を引き裂きます。

  • 64m以上の距離を3秒以内に詰めることができます。

  • 複数の12.7x99mm NATO弾を頭部に受け脳にひどい損傷があるにもかかわらず、数分間殺し続けます。

  • 鉄の棒で拳銃やアサルトライフルの弾をはたき落とします。

  • 酸素がない状態でも窒息するまで1時間以上生存します。

  • SCP-076-2の最も目立った特徴として、どこからともなくブレード状の武器を実体化させます。スローモーションビデオによれば、ブレードは"空間上の小さな穴"と形容される小規模な次元の亀裂を通じて引き出されています。この亀裂がどこに繋がっているか、またどのようにしてSCP-076-2が次元の亀裂を生み出しているのかは不明です。映像によれば、ブレードは「空間上の黒い虚空」に見える完全に無光沢の黒色物質から構成されているようです。SCP-076-2から離れると直ぐに消えるためブレードの構造分析は現時点では不可能です。

SCP-076-2は様々な方法で何度も殺されています:

  • 複数の大口径の機関銃からの継続した発砲。

  • 窒息。

  • SCP-076-1を載せた13.6tのエレベーターによる圧殺。

  • 胸腔に直接入れられたTH3焼夷手榴弾による焼殺。

  • これまでで最悪の収容違反。収容エリア-25(以前SCP-076が収容されていたエリア)は逃走を試みていたSCP-076-2を封じ込めるための最終手段として現地の核弾頭の使用を余儀なくされ、エリアそのものと現地の職員を全て喪失する結果に終わった。SCP-076-1は残存していた。

SCP-076-2は死ぬと即座に腐敗し塵になります。SCP-076-1の棺が勢い良く閉まると全ての鍵が締まり封印されます。SCP-076-2は棺の中で6時間から25年かけて再生します。

SCP-076-2の検死結果によれば、我々とは体の作りが著しく異なっています。内容は[データ削除済]にまとめられています。

とにかくおかしなモンスター。今まで様々な方法で殺害されてきました。25年後までには、復活してしまうのですから、それなりに恐ろしいですねー。



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