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14歳までフジテレビを観たことがなかった私が、フジテレビについて語る【1】とんねるず・アイドルドラマ・東京ラブストーリーなど

岩手で育った私は子どもの頃、フジテレビを観ることができなかった。

1980年代の当時、岩手で観られるチャンネルは4つ。
NHK総合・NHK教育・日本テレビ系局・TBSテレビ系局だけだった。

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正確には、全然観られなかったわけではない。2つの地元民放局が、フジテレビの番組をいろいろと買い、空いた放送枠で放送していたので、番組自体はけっこう観ていた。
(地方あるある。今でもテレビ東京の番組は、この手法で全国に流れているはず)

ただし放送時間帯は、本家とは全然違う。

「笑っていいとも!」は、夕方4時から。学校から帰って観るものだった。なんで「お昼休みはウキウキウォッチン」なんだろう、と時々思ってた。

フジテレビじゃないけど、ドラえもんも夕方だった(テレ朝系局もなかった)。夜にドラえもんやってるのって、今でも不思議な感じ。

「オレたちひょうきん族」も夕方。我が家はなぜかドリフNGだったけど、夕方は親の目が届きにくいので、多分ドリフより低俗な「ひょうきん族」を、余裕で観られたという皮肉。

「とんねるずのみなさんのおかげです」も開始当初、夕方やっていた(多分、ひょうきん族の後継だったのか)。中1のクラスで大ブームになっていたのを覚えている。

夕方、大忙し。夕方こそがゴールデンタイムだった。

ちなみに「ねるとん紅鯨団」は、土曜日のお昼時だった。昼間に観ても面白かった、ねるとん。半ドンの思い出といえば、「生活笑百科」とねるとん。

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とはいえ、もちろん観られないものの方が多い。

当然ニュースはやらないので、「幸田シャーミン」さんのことを、清水ミチコさんの物まねでしか知らない。本当にあんなしゃべり方をする人だったんだろうか。今でも謎。
TBSのない秋田県では、あの安住紳一郎アナが知られていないというから、それと同じような話・・かな?

「夕やけニャンニャン」もやっていなかった。観たことがないから、ある時期から突然、ベストテン(TBS系)やトップテン(日テレ系)に大量に出始めたおニャン子を「一体何なんだ、この人たちは・・」と思っていた。
アニメの主題歌もあったから、すぐに慣れたしお気に入りもできたけど。

河合その子さん「青いスタスィオン」吉沢秋絵さん「なぜ?の嵐」が好きでした ↓ 

「りぼん」で連載開始時から大好きだった「ちびまる子ちゃん」のアニメ化がフジテレビ、と聞いたときはとても悲しかった。誰よりまるちゃんが好きな自分が、なんでアニメ化を観られないのかと・・サザエさんは夕方にやっていたけど、結局まるちゃんはやってくれなかったな。

あとはドラマ。80年代、フジテレビはアイドルドラマの宝庫だったけど、なかなかやってくれなかった。毎クールいくつもやるドラマを、さすがに全部は拾ってられなかったのだろうけど。

誰々のこんなドラマをやる、と、新聞や雑誌で情報だけは入ってくる。観られないのは、アイドルに夢中な小学生にはなかなかつらかった。

でも、時々気まぐれにやってくれる。何クールか過ぎて、忘れた頃にいきなり始まる。
大抵、土曜日の夕方。やっぱり夕方。予告も何もなく、ある朝突然新聞のテレビ欄に出てきて「おぉーーっ!」となる。再放送みたいなイメージ。

ナンノこと南野陽子さんの「熱っぽいの!」
ミポリンこと中山美穂さんの「おヒマなら来てよネ!」
この辺りのドラマは、そんな風にして観たなぁ。(こうやって改めて書くと、なんとバブル全開なタイトル)

どちらも、ドラマ史に残るドラマとは、あまり言えない。もし今みたら、こんなの観てたのか・・となりそう。でもナンノもミポリンも、可愛くて大好きだったんだよ。ドラマもただただ楽しくて、フジテレビいいなぁ、普通に観られるようにならないかなぁと願った。

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それが突然叶えられたのが、14歳の頃。
1991年、フジテレビをキー局とする「岩手めんこいテレビ」が開局した。

1991年4月の開局に先がけ、同3月にサービス放送が始まった。
この時奇しくも、あの「東京ラブストーリー」が放送中。

しかし、放送は同年1~3月だったので、実際めんこいテレビで観られたのはたしか、ラスト2回だけ。
日本中で話題のあのドラマが、そんな雑に提供されるとは!!

するとなんと、ある友人が「県外の親戚が録画してくれた!」というVHSテープを入手し、皆に貸してくれた。でも、たしか全話ではなかった。

それからほどなくして、さすがに要望が殺到したのか、お得意の夕方放送が始まり・・(なんとなくの記憶)

いろいろパッチワーク状態で、私と友人たちは「東京ラブストーリー」をなんとかコンプリートしたのだった。
(でも、今でも私の記憶の中であのドラマは、「バイバイカンチ」の落書きから始まっている・・)

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いろいろ書いたけど、ネット配信の定着した今では「何してんの?」という話だろうな。

きっと、不便だからこそ渇望したし、観たときいっそう面白かった気もする。めんこい開局後ももちろんいろんな番組を観ていたけど、不思議なもので、フジテレビが特別面白い、と意識しなくなってしまった。その後も好きな番組はたくさんあったけど、それがどの局だったのか、あまり思い出せない。

「普通に観られるようになる」って、そういうことだったのかな。

長くなりますが、次回に続く。次回、90年代半ばと、現在のフジテレビのことをちょっとだけ。

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