【病があっても幸せに生きていくために。乳がん経験者看護師による、病と向き合い共に生きるためのサポートのページ”というホームページを作成し、起業するに至った理由⑤】を投稿したいと思います。

今回は、前回にお知らせしたステキな店員さんとの出会いについて、です。


お店に飾ってあるウィッグを、母とあれこれいいながら物色していると、1人の年配の女性店員さんから声をかけられました。迷わず母に。

話の流れで、探しているのは母ではなく、私のウィッグだとわかると、驚きを隠せない様子で、"お若いのに…"と、とても気の毒そうに、その先の言葉が見つからない風でした。

ただそれは、決して私を不快にさせるものではありません。
とても悲しそうな、けれどその中に優しさのこもったなんとも言えない温かさが伝わってきたから。

実際に試してみないことにはつかめない、ということで、数種類のウィッグを試着させていただきました。

"5万円くらいまでかなと思っているのだけど、実際色々試着すると、高いものは高いだけのことはあってやっぱりステキですね"と率直な感想をお伝えしました。

そして店員さんが、こんな風にアドバイスしてくださいました。

"お金のこと気になさるお気持ちわかります。
ただ、もしあなたがもっと年配の方なら、このくらいでってお薦めするものもたくさんあるのだけど、まだまだお若いあなたには、正直なかなかそれができません。

まだまだこれからバリバリお仕事して、育児して、オシャレして。
そんなあなたにとって、自分がどれだけ満足いくか、どう見えて欲しいかって、とても大切なことだと思うんです。

例えば、本当はこれがいいけど高くて無理だから、この辺で妥協しようかなって感じで決めてしまった場合、もしそれを使って外出してみて、何となく自分で違和感を感じたり、誰かにウィッグだと気づかれてないかなと気になってしまったら、気にせず明るい気持ちで外出できなくなります。

実際には気づかれていなくても、もしあなたが気づかれたと感じてしまったら、とても辛い気持ちになります。

そして外出自体をしたくなくなって、引きこもりがちになったり、そのウィッグを使わなくなったり。

後でやっぱりとウィッグを買い替えるなんてこともあります。

もちろん高いものにしなさいと言っているわけではないです。

ただ、たくさん見て、たくさん試着して、その中で本当に自分が一番気に入ったものを、納得いくものを選んでほしいです。

だから、今日は決めてしまわないほがいいですよ。
そして他の店も見てきてください。
私の店で買わなくてもいいですから、あなたにはそうして欲しいです。"

その時思いました。

私もできれば値段とかでなく、1番気に入ったものをつけたい！
けれどこれからの治療費のことなど考えると、家族にも申し訳なくて、とてもそんなこと言い出せず、"安いのでいいわ"って言ってきただけで、それは本心ではない、と。

この店員さんとの出会いが、私のウィッグに対する考え方を変えてくれました。
私自身に私の気持ちをわからせてくれた、そんな出会いになりました。

その日はさらにウィッグについて説明をしていただいて帰宅。
そして、少し家からは遠いけれど、パンフレットを見て1番気になっていたウィッグ屋さんへ行くことを決めました。


読んでいただきありがとうございました😊

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