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がん闘病記③ 「初めての手術」

手術前準備

人生初の手術の日時が決まった。
2021年4月1日・・・本来であれば新年度が始まり、
様々な出会いに満ちあふれる時期だ。
そんな時期に入院なんて・・・心が沈む

手術前には色々な準備がある。
まずは麻酔の説明だ。人生初の全身麻酔となる。
果たして無事に起きてこられるだろうか?

次にマーキングだ。看護師が腹腔鏡手術で開腹する
であろう部分をマーカーでマーキングしていく。

最後は除毛だ。除毛とは手術する際に邪魔となる体毛
を処理するものである。腸の手術なので、処理する部分は陰毛である。女性の看護師さんだったらどうしようとドギマギしていたが、男性で安心した。

そして、4月1日を迎えた。

手術室へ

2021年4月1日・・・
朝10時過ぎ、専門議に着替えて手術室へ向かう。
手術室に向かうと医療スタッフが丁寧に出迎えて
くれた。

手術用のベッドに横たわる。
暖かくて、少し窮屈だ。
点滴が刺さる。そして、全身麻酔用のマスクが
かけられる。

覚悟を決める・・・
「ぎゅるはねさーん、麻酔入りますよ〜」

・・・・・・・

ICUで笑ってしまったこと

ああ、おれ死んだのか?・・・・
いや、死んではいなかった。
手術は無事に成功したのだ。

息がしずらい、鼻からチューブが入れられている。
しゃべられない、母親の呼び掛けにも上手く反応
できない。体も動かない。無機質な部屋の中で
寝かされている。

そして、ここがICUであることを看護師から告げられた。とにかく喉が乾いてしょうがない。看護師に訴えると、彼は水を含んだ脱脂綿を私の舌の上に置いた。

思わず心の中で叫んでしまった
「これ、末期の水じゃないかよw」

馴染みのない人もいると思うので説明すると、末期の水とは人が亡くなった時に、故人の喉を潤す目的で水を含んだ脱脂綿を舌に浸すものである。

生還したと思ったのに、「末期の水」をさせられた馬鹿さ加減に思わず笑ってしまった。

こうして、人生初の全身麻酔手術は無事成功した。

しかし、待っていたのは地獄の日々だった・・・

がん闘病記④へ続く・・・

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