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Canon EOS RPでオーロラ撮影。

さて、前回からの続き。

ついに自前でオーロラ撮影機材を揃えた私。
これでオーロラ撮影が可能になるという期待とともに、一抹の不安を拭い去れずにいた。唯一の不安要素は、使用するカメラ本体の感度。

改めて、我が家のオーロラ撮影機材をおさらいすると
カメラ : Canon EOS RP
レンズ : Sigma 24mm F1.4 DG
三脚 : Hama Camera Tripod Star 63

そう、Canon EOS RPは感度特化のカメラではないのである。以前、オーロラ撮影に使用したのはSony α7sというsensitivityに非常に特化した高感度カメラだったのだ。

果たしてCanon EOS RPで美しくオーロラを撮影することができるのだろうか…。

仮にダメだった場合、その段階で今シーズンのオーロラ撮影の希望は絶たれ、また来年の秋まで待たなくてはならなくなる。いや、待ったところで来秋までにより高感度のカメラを手に入れられる保証もないのである。

そして、機材が全て揃った4月1日の夜。天候は折下雲ひとつない快晴。太陽の活動度もそれなりで、オーロラの出現の確率はかなり高かった。

4月1日夜。いざ初撮影に臨む。

買ったばかりの広角レンズを開封し、レンズのプロテクターをつける。そして、アダプタを介してカメラ本体に接続。カチッという音に続き、電気系が繋がるジジッという電子音が小気味よい。

そして同じく届いたばかりの三脚を開封し、使用説明の不足ぶりに四苦八苦しながらも調整ネジなどの配置を確認し、とりあえず水平設置をする。

実際にカメラを乗せてみて、安定性も確かめれば、あとはひたすらオーロラが出るのを待つばかり。

ん? どこでカメラを設置しているのかって? もちろんアパートの室内である。そう、何を隠そう我が家は嬉しいことに室内からでも北の空も南の空もどちらをも臨める立地なのである。そして、実はあまり知られていないようだが、オーロラはある程度強ければ街灯りがあったとて、街中からとて観測することができるのである。もちろんよりはっきり美しく撮影したければ、灯りの全くない雪原にでも出るべきなのだが、日常生活の中でそれを実現するのはなかなか難しい。

実際、室内からでも十分に美しいオーロラが見ることができるし、オーロラが煌めく下で普段通りの日常を送るというのも中々に良いものである。もちろんオーロラを非日常の特別なものとして鑑賞するのも素晴らしいが、北極圏に暮らしている身からするとオーロラもまた日常の一部であり非常に身近な現象であるのだ。

室内からオーロラを見る際の、唯一の残念な点は真上が見えないことだろうか。オーロラは時に南北に非常に長く伸びる時がある。そんな時に、北窓と南窓からそれぞれ端は見えるのだが、肝心の全体像が見ることができない。そんな時はすぐに外に出れば良いのだが、非常に激しく変化の早いオーロラの場合外に出る支度をしている間に消えてしまうなんていうこともザラなので、まあ、何にせよ一長一短といったところだろうか。

さて、話はそれたしまったので、本題に戻ろう。

ついにオーロラ出現!!

さて、結果から言うと、その夜は予想通りオーロラが出現した。しかも、肉眼ではっきりと確認できるほどに強いオーロラがである。

ところで、オーロラの出現は非常にひっそりとしたものである。そして同じくひっそりと消えていく。あまりに静かなので、仮に出現していたとしても夜空を見上げなければ、その出現に気付かずに見逃してしまうことも多々ある(もちろん最近はオーロラアラートなど、オーロラ出現を教えてくれるシステムなどもあるのだが…)。

個人的にはオーロラの出現には音がないというのも、その荘厳さを強める要因だろうと思うのである。あれだけ大きく煌びやかな現象であるのだから、出現時には雷鳴のような音が響いても良さそうなものだと、冗談まじりに思ったりもするのだが、やはり人知れず現れて、人知れず消えていくというのが趣き深く、心を惹きつけるものなのだろう。

さて、またしても話が逸れてしまった。話を戻そう。

満を辞して撮影を始めるのだが、慣れていないものだから、どうにも下手が出る。なにせ、現れたオーロラがいつ消えてしまうのかなぞ、誰にもわからないのだから慌てるわけである。オーロラというものはある程度長時間現れ続けるものであるが、眩いほどの強い輝度であったり、見応えのある劇的な変化であったりというものは非常に瞬間的なものなのだ。

慌てふためいた結果、レンズを無限遠に設定するのを忘れていたり、ISO感度と露光時間の設定を誤ったり、果てにはカメラの重みで突然三脚の仰角ネジが緩んでレンズが下を向いたり…と、まあ散々。

というわけで、正直満足のいくものはあまり撮れなかったが、最低限EOS RPがオーロラ撮影に耐えうるかを判断材料となる程度には撮影することはできた。

その撮影動画をまとめたものがこちら。

さて、これはなかなかどうして悪くないのではないだろうか。まだまだISO値やら露光時間やら、撮影に適したパラメタを考えていく必要はあるが、少なくともEOS RPも十分にオーロラ撮影において活躍できることが明らかになった。

既に夜も短くなり、今シーズンのオーロラ撮影可能期間も終わりが近づいているが、まだまだオーロラは撮影できるはず。4月の2週目現在で、既に約10晩分のオーロラ動画が撮れているので、またおいおいYoutubeなどで公開していきたいと思うので、乞うご期待。





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