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パーティにサスティナブルを取り入れてみたらわかったこと<後編>

使い捨てのものが多いパーティスタイリングに「ゴミを減らす」というテーマを取り入れてみた話の後編。(前編はこちら


今回大事にしたことは4つ

●ゴミを減らす                                          ●まずはあるものを使う                           ●画期的なアイテムは取り入れてみる                     ●見た目も大事にするけど浮世離れしたものにはしない(単純にゴミ無しだけなら、おにぎりをきれいな手でにぎって笹の葉でくるんで持っていったらいい話。究極だけど。)

家でやるパーティなら使い捨てじゃない食器を比較的簡単に取り入れられると思ったので今回はあえて難易度の高い外でやってみました。ピクニックという想定。

敷物はデニムのB反を使ったピクニックシートに。

ひょんなことから知るようになった瀬戸内かわいい部さん。瀬戸内の魅力を様々な視点でとらえてつないでいくコミュニティ。そのプロジェクトのひとつである「瀬戸内デニムピクニックシート」 。良質な瀬戸内のデニムのB反(様々な品質上の理由から正規品としては流通できない商品のこと。でも使う分には全く遜色のない一級品!)を、瀬戸内海の情景になぞらえて企画されたピクニックシートです。第一弾で発売されたものを持っていて、それを使う事に。

本来なら市場に出回すことができないものを、魅せ方を変えて市場に出しているっていうのが考え方として今回のテーマに合うなと思いました。

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▲衛生面や木のトゲを避けるためにもクロスがあると安心

サイズとしてはファミリーで座って使うには2枚つなぎで使った方が良いサイズ感なので、今回は公園に常設されている木のテーブルにテーブルクロスとして使いました。シートを地面に敷くのもいいけど、常設のテーブルを使うのは、食べやすいしアリだな~と思いました。

テーブルの上に置くので洗って、アイロンをかけて撥水加工を復元させて…という事前作業が必要だったけど、そこはあまり苦にならなかった。たぶんそれは、

①安い買い物じゃなかったから大事に使いたい(現実的…)

②企画をして様々な道のりを経て作ってきた瀬戸内かわいい部の皆さんの顔を知っているので、自然と大切に扱いたくなる

からだと思います。モノを大事に扱うためにはそのモノに何かしらの思い入れがあるっていうのは大事だなと気づきました。

軽量な食器と「食べられる?!」食器。

こどもがいるピクニックシーンで大事なのは「軽いこと」「壊れにくいこと」。そこに「ゴミを減らす」というテーマがあったので、今回はバンブーファイバー(竹の繊維)を使った軽くて割れにくいという特徴があるプレートをメインに使いました。軽量なことと、マットな風合いがおしゃれで最近人気なのですが難点は油が落ちにくいというところ。(なので後述しますが今回はメニューもその辺を気にかけて考えました)

そして今回取り入れたのが「食べられる食器」。

同じパーティスタイリストをしているみのりさんがSNSのスタイリングをしているということで知った「pacoon」という食べられるスプーン!かぼちゃやいぐさ、ビーツの粉末が使われてて色もかわいい。これはもう絶対使いたかった!そして、食べられるカップ「もぐカップ」。こちらはアサヒビールさんと丸繁製菓さんが共同開発したもの。これに冷たいコーンスープを入れました。

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食べてしまえばゴミにもならず腹のナカ。楽しいし美味しいしとっても良かった。

最後は飼料や肥料になるedish、草で出来た草ストロー

使い捨てのものも一部使いました。ただし使った後の最終形は自然に還るものに。丸紅さんが開発したedishという食器は最終的には飼料や肥料になります。ストローは現役東京農業大生がたちあげたブランドのHAYAMIの草ストロー

edishは皿ごとオーブンで調理もできる優れもの。公式SNSにあったキャロットケーキを作って持っていきました。

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このコップだったらストロー無しでそのまま飲みなさいよ、って話なんですが。一度使ってみたかったので取り入れました。案の定こどもがコップを倒してストローも草の上に落ちましたが、ストローも草なのでそのままに出来て気持ちが楽でした。(ちなみにコップはずっと愛用しているつよいこグラス。持ちやすいし割れない。そして余談だけど、シャボン玉やりたい!となって、なぜかシャボン玉液だけ余っていたのが車にあったのですが、こどもの発案で草ストローで吹けばいいじゃん!となりシャボン玉遊びにも使えました)

メニュー構成

料理は

・生春巻き                                         ・冷たいコーンスープ(めいらくのパックのやつ)                   ・紫キャベツのマリネ(千切りにしてカンタン酢につけただけ)              ・キャロットケーキ                                 ・スプーンとカップ(食べられるんで)

でした。十分満足。バンブー食器は油がつきやすいので、油のなるべく少ないものにしました。生春巻きは手でも食べられます。(レモン+サーモン+大葉+チーズ+にんじん千切りの組み合わせが人気でした)

やってみてわかったことと思ったこと。

ゴミをなるべく減らすというテーマでやってみたピクニック。最終的にはゴミはこの量でした。分別して捨てます。…と言いたいところだったのですが

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お茶の量が足りなかった。水筒に入れて持って行ったけどそこそこの外気温と、日差し、こどもが遊び倒して喉がカラカラ、ということでペットボトルのお茶を買い足しました。

やってみて思ったこと

①恥ずかしい

え?って感じなんですが、ピクニックで花を飾るのがこんなに恥ずかしいとは!見た目もある程度大事にしたかったので少量の花を持って行ったけど「花を置いてピクニックしてる人」というのはこっぱずかしかったです。

②時間とエネルギーを使う

今回やってみるにあたって色々調べました。サスティナブルとかエシカルとか言葉の意味から、使うものの素材がどういうもので…というところまで。ゴミを減らすために何を選べばいいのか。私はそれが楽しいと思えたけれど、その選択をするための学びが必要なので、気持ち的な余裕がとても必要だと思いました。

③コストの問題

エコやサスティナブルをきちんと考え抜かれたものはすぐに手に入る状態になっていないということがわかりました。例えば近所のスーパー、100円ショップ…こういうところで気軽に買える値段で手に入る状態にならないとなかなか広がらないんだなと…。私は実験的にやってみたくて食べられる食器とかも買ってみたけど「安く」「日常で使う」となるとなかなか継続が難しいとも思いました。

でもそういった製品を作るには人財、技術、材料調達が必要なわけでそれ相応の価格が乗る事は納得できます。安く売るということも大事だけど「そういうものが買える所得」(日本全体の所得をあげる)の方が大事なように感じます。

④品質、内容の見極めが必要

調べてみると表面上は環境にやさしいとうたっているモノ、企業もあるとわかりました。それにモノ自体は自然素材からできていて自然に還っても、それを使った時の品質や、捨てたり洗う時の水の量だったり、洗剤の必要だったり、広い目で見ていかないといけないことがたくさんある。その見極める目が必要なんだなと思いました。

⑤ハレの日ならではのデザインやバリエーションの工夫

特にキッズパーティーを演出する中では、日常とは違うハレの日ならではということで、こどもたちが楽しくなるような「色」「デザイン」「装飾のバリエーション」も大事な要素だと思っています。再生紙や植物を使っていたりする製品は、悪く言えば地味、良く言えばアースカラーでモダンでおしゃれだけど、彩りに欠ける部分もあるのかなと思いました。今回のメニューのように紫キャベツの「紫色」キャロットケーキの「オレンジ色」など食材で彩りを出す工夫も必要だし、バルーンや装飾、パーティカトラリーで「デザインや色のバリエーションと環境負荷の少なさ」を共存させる取り組みも必要じゃないかなと感じました。

海外の取り組みでは海藻を使った食べられるストローを作る取り組みも。エコなアイテムにありがちな「くすみカラー」「土色」とはちょっと違うアプローチだなと思います。

LOLISTRAW (LOLIWARE)

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どうしたって必要になることもある使い捨て食器やコップのパーティウェアも「彩のあるものを」ということで取り組んでいるブランドも海外にありました。ただ日本では取り扱いがなさそう…?少し情報が少ないです。

sustyparty

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こうしてやってみると分かる事って本当に色々とあって、私はパーティをきっかけに考えるようになったけど、色々なドアから考えられるよう間口を広げるって大事なんだなと経験する事ができました。

前編にも書いたように、私はパーティグッズが大好きでこれからも使うし、なんなら日常でもストイックにサスティナブルを意識して生きられる自信や意志はまだないです。ただやってみてわかったことや「こういうものを選びたい」という経験ができたので、今できることを少しずつ、積み重ねていこうと思ったのでした。一過性のミーハー心で終わらないように。



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