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自伝から導き出したい実践時の「判断」と「行動」

2020年6月18日のツイートから
情報はいつでもどこでも調べられる。知ること、理解を深めることは、それについてガイドしてくれる専門家を頼ればいい。しかし人が生み出す実際の「パフォーマンス、実践、行動」は、その場その時の一回勝負。アーティストの表現、経営者の判断、政治家の言動。その実践の成功や失敗から知識は深まる。

最近は読む本を選ぶ時に「自伝」を探すようになった。

以前は自叙伝や回顧録などの「自分で自分のことを書いた本」にはまったく興味がなかった。どちらかというと実用書や啓蒙書、理論書を優先した。読書によって知識や技術を得たいという動機や目的で。

長い間、大学で授業科目を担当してきたので、教えるためには担当分野に関する知識と技術の継続的なアップデートが必要だった。これは今でもそう。

しかし組織運営の責任者になってから、知識や技術に関する理解よりもむしろ「実践」の重要性を痛感するようになった。業務は判断や行動の連続。その時、その場で、責任を持つ立場の人の言葉や行動によって、結果が大きく変わる。責任者の言動が状況や事態に影響を与える。

芸術やエンタメの舞台に立つ人も、これに似ている。セリフや演技を覚えたり、演奏を何回も練習したりして本番に備える。しかし本番は一回のみ。「その時のパフォーマンス」がすべて。

政治の世界もそう。いろんな情報を集めて変化する状況を判断しながら「この場、この時」を選んで言葉を発し、行動に移す。

自伝を探すようになったのは「実践の最中にある人の心境」に興味を持つようになったから。その時、その場で、その人物はどのように考え、どのように行動したのか。その結果をどう解釈したか。

難しい困難な状況。一世一代の大事な舞台。将来を決める重要な局面。思い描いた結果。

自伝にすべてが書かれているわけではない。しかし少なくとも、その「実践」や「パフォーマンス」の怖さや重要性、あるいは素晴らしさや到達した世界。その立場の人しか感じ取れないであろう「境地」みたいなヒントは見つかるかもしれない。

その究極の現場の実践を感じ取ることによって、理論としての知識や技術の扱い方も変わり、使える知の体系に近づく。

https://twitter.com/H_Hatayama

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