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最大価値を目指す「個」と「全体」の組み合わせ

2021年9月8日のツイートから

秀逸な部品・部分を揃えて、それぞれの機能を最大限発揮できる相互関係を設計し、全体としての利便性を最大限にもっていく。エンドユーザー視点からのインターフェイスをデザインする。木を見極めながら森を見る。森を見ながら木を見極める。森を管理する視点と森を楽しむ視点。森が依存する大環境も。

Bits and Pieces という言い方がある。「ガラクタ」とか「寄せ集め」という意味。そのままの意味もあるが、実は会話の中で若干の皮肉が入ることもある。「個々のものは良いものなのに全体がね」などといった感じ。言い換えると「個々の要素はいいのに、全体としての構成や機能がダメ」ということ。

これはよくある企画の失敗。

私は大学人なので大学の例を出すと、例えば新しい教育プログラムをデザインする際に、「最高の教授陣を揃えました、最新の機器を導入しました、定評ある教科書を選定しました」といった「ノリ」が発生する。このノリは、プログラムを構成する個々の要素の質を高めることには間違いない。しかし全体としてどのような成果を出すのかという目的や目標が明確でないと、プログラムとしては機能しない。宝の持ち腐れになってしまう。

個々の要素を構成する際、必ずしも最高の品質、高価なものを選ぶ必要はない。うまく機能し、具体的な成果を出し、全体としての目的を達成させることが最優先。また、プログラムに参加するエンドユーザーからの視点も重要。様々な目標を達成するために「ちょうどいいもの」を作ることが肝要。なので、時には不必要な構成部分もあったりする。

いろんな異質なものを組み合わせることが「イノベーション」として流行っているが、組み合わせによって得られる効果が、全体としての目的やエンドユーザーの需要からズレていると、せっかくのイノベーションも無駄になってしまう。

いつも言われていることで、本当にそうだなと思うことは、常に木(個)と森(全体)を同時に見続けること。いろんな特徴や機能を持った様々な個を、どのように組み合わせれば全体の目的を達成できるのか。その「パズル」で試行錯誤することが、新たな価値を生み出すイノベーションにつながるのだと思う。

https://twitter.com/H_Hatayama


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