見出し画像

この絵はこの詩から生まれました ──詩の世界をアートに [第66回]


秋風引 礒部晴樹・画


秋風引        秋風のいん

何処秋風到      何れのところよりか 秋風到る
蕭蕭送雁群      しょうしょうとして 雁群を送る
朝来入庭樹      朝 来たって 庭樹に入り
孤客最先聞      孤客 最も先に聞く

劉禹錫        りゅう うしゃく


秋風の歌
どこかからか 秋風がふいてきた
物寂しい音をたて 雁の群れを送っていく
朝 この秋風が 庭の木々を吹きすぎたのを
旅人の私が 最初に聞きつけた


*目に見えない風を絵にするのは、
ちょっとむずかしいです。
木を揺らし、葉を散らせて
風を表現してみました。
そのように見えるどうか・・・
「引」というのは「曲」とか「歌」という意味だそうです。

この絵の葉をもみじに変えたら、良寛の辞世の句
「うらを見せ おもてを見せて 散るもみじ」
にも使えそうだと思いました。
安直な使い回しはよくないですがね。

自然の変化の最先端を感じるという感覚、
サンテグジュペリの小説「人間の土地」か
「夜間飛行」だったか、にありました。
どの部分、どんな内容だったか思い出せず、
こんど再読、はっきりさせたいです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?